知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
比叡山頂に立つガーデンミュージアム比叡は、1万7000平方メートルの園内に約1500種、10万株もの季節の花が咲き誇る庭園です。7つのテーマごとにエリアが分かれており、モネの代表的な作品の世界観をイメージした「睡蓮の庭」をはじめ、どのエリアも個性的。また、モネやルノワール、ゴッホなど、フランスの印象派を代表する画家たちの陶板名画が45点展示されているので、園内を散策しながらアートにふれられます。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
ガーデンミュージアム比叡で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! ガーデンミュージアム比叡では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
■ライターコメント
園内に点在している陶板名画に描かれている花と同じ花を園内で探すなど、陶板名画と庭園との関わりを、親子で一緒に考えてみるのもおすすめです。庭園を眺めながら、自分たちでスケッチをするのもいいですね。
ガーデンミュージアム比叡ってこんなところ!
「プラタナス広場」では、ベンチに座って雄大なびわ湖の眺望が楽しめます
おすすめの遊び方&過ごし方
園内の入口は2カ所あります。1カ所は駐車場すぐの「プロヴァンスゲート」で、もう1カ所は叡山ロープウェイ比叡山頂駅側の「ローズゲート」。東西に延びる横長の園内なので、園内をすべて網羅するには往復する必要がありますが、花や陶板名画を楽しみながらゆっくり散策しましょう。ローズゲート側にショップやカフェがあるので、スケジュールをうまく立てて休憩も忘れずに。冬季期間は閉園しているので、公式サイトを事前に確認してからでかけましょう。
おすすめのアクセス方法は?
車の場合、名神高速道路京都東ICから西大津バイパス経由下鴨大津線(山中越)から約30分。比叡山ドライブウェイの途中にあるので通行料金1700円~が必要となります。駐車場は230台と余裕があるので安心です。公共交通機関では、叡電八瀬比叡山口から叡山ケーブル・ロープウェイを乗り継ぎ、叡山山頂駅下車すぐ。叡山ケーブル・ロープウェイは、標高差561mと日本一を誇り、京都市街が一望できる空中散歩が楽しめます。
所要:1時間
おすすめの年齢:4歳~
住所 | 京都府京都市左京区修学院尺羅ヶ谷四明ヶ嶽4(比叡山頂) |
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電話 | 075-707-7733 |
営業時間 | 10時~17時30分(11月1日~12月4日は~17時)、最終入園は閉園30分前 |
定休日 | 木曜(営業の場合あり)、冬季休業あり(公式サイト参照) |
料金 | 1200円。小学生600円※11月下旬~12月上旬(要確認)は600円。小学生300円 |
アクセス | 叡電八瀬比叡山口から叡山ケーブル・ロープウェイを乗り継ぎ、叡山山頂駅下車すぐ |
駐車場 | 無料230台(別途ドライブウェイ通行料金が必要) |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:✕
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
- 持ち込み:〇
ガーデンミュージアム比叡 ガイドマップ
園内は個性的なエリアで分かれています。事前に園内マップで確認しましょう。
モネの世界観をイメージした「睡蓮の庭」は必見!
園内はモネやルノワール、セザンヌ、ゴッホなど印象派の画家たちの世界観をイメージして作られており、彼らの作品が陶板名画として園内に展示されています。印象派とは、19世紀後半にフランスで活動していた画家が起こした芸術運動のこと。日本の芸術や文化がヨーロッパに紹介された時代でもあり、絵画にもその影響を感じることができます。
なかでも印象的なのが、園内のほぼ中央に位置する「睡蓮の庭」。モネの代表作『睡蓮』のような雰囲気で、初夏にはスイレンが白色や濃ピンク色の可憐な花を咲かせます。
藤の絡まる太鼓橋やシダレヤナギ、アヤメ、ショウブなどモネの描くモチーフを取り入れ、モネの世界観を体感することができます。庭を歩いているとまるで、絵画の中に入り込んだような不思議な感覚におちいります。
花のアーチやカラフルな花がいっぱいの「花の庭」はSNS映えも抜群
ショップやカフェ、展望塔のすぐ近くにある「花の庭」は色とりどりの季節の花が見られます。バラやダリア、ナスタチウムなど花がアーチの両側を彩り、フォトジェニックスポットとしても人気です。
チョウなどの生きものと花とのコラボレーションも必見です。シャッターチャンスを逃さないように写真に収めてみましょう。
写真の陶板名画はルノワールの「じょうろを持つ少女」。親子で園内を散策しながら、点在する45点の陶板名画を探してみるのもおすすめです。陶板名画の近くには絵画の解説もあるので、アートに対する興味にもつながります。
色鮮やかなバラが一面に広がる「ローズガーデン」
叡山ロープウェイ比叡山頂駅からのアクセスの場合は、ローズゲートを通り、まずこちらの「ローズガーデン」のエリアに入ります。花弁の数が多く丸みのあるフォルムのオールドローズは、印象派時代の代表的なバラです。「ローズガーデン」では、そのオールドローズをはじめ、さまざまな品種のバラが咲き誇ります。
一般的にバラの見ごろは5~6月頃と、10月~11月頃となっていますが、こちらの施設は標高が高く冷涼な気候のため、夏の時期にもバラの花を観賞することができます。
花について学ぶことができるのも魅力
アートだけでなく、もちろん花についても分かりやすく解説しています。和名、原産・分布地、花言葉などが花の近くに記載されており、なかでも花言葉は、花の雰囲気とは違うものもあるのでおもしろいですよ。
それぞれのエリアの入口近くには、現在見られる花について写真ともに紹介しているので、子どもと一緒にその花を探すゲームをしたり、会話をしたりとコミュニケーションをとることもできます。
「プロヴァンスゲート」の近くには、フラワーショップ「ボンジュール」が4月中旬~10月中旬の期間限定でオープンしています。庭園を散策して興味を持ったらぜひ、自分たちでも育ててみてください。
子連れにおすすめ!館内の立ち寄りスポット
ガーデンミュージアム比叡には、カフェやショップ、絶景が楽しめる休憩にぴったりなスポットがあります。ぜひチェックしてみてくださいね。
●展望塔
「花の庭」のすぐ隣にある「展望塔」は、比叡山頂の360度の大パノラマが楽しめます。展望塔は階段しかないので、ベビーカー利用の際はご注意を。
椅子やテーブルなども備わり、休憩としての利用もおすすめ。園内は持ち込みもできるので、こちらでランチタイムも◎。ごみは各自でお持ち帰りください。
- 【場所】花の庭横
- 【営業時間】施設に準ずる
- 【定休日】施設に準ずる
●Café de Paris(かふぇ ど ぱり)
展望塔の隣には食事メニューからスイーツ、ドリンクまで揃う「Café de Paris」があります。店内席のほか、テラス席もあるので、美しい庭園の中、優雅なひとときを過ごしてください。
写真のケーキセット800円は、人気メニューのひとつ。右のケーキは甘みが強い“りょうおもい”という品種のかぼちゃを使ったモンブランで、野菜が苦手な子どもたちからも好評です。ほかにもオリジナルのハーブティーは、飲みやすくリラックスできるので、パパやママのブレイクタイムにぴったり。
- 【場所】花の庭横
- 【営業時間】10時30分~16時
- 【定休日】施設に準ずる
●Maison de Fleur(めぞん ど ふるーる)
ミュージアムグッズなどを揃えるショップでは、印象派絵画がプリントされたポストカードや、コンパクトミラー、ブックマーカーのほか、ガーデニング用品など多彩にラインナップ。
オリジナル商品も豊富に揃っています。玄米チョコや紅茶などのオリジナルクッキーのほか、「ローズガーデン」や「花の庭」など、エリアが商品名となったオリジナルミニハーブティーも人気。華やかなフランス雑貨もあり、おみやげにも喜ばれること間違いありません。
- 【場所】花の庭横
- 【営業時間】10~17時
- 【定休日】施設に準ずる
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
トイレは、各ゲートとインフォメーション、カフェ「Café de Paris」、ショップ「Maison de Fleur」、展望塔の6カ所あります(展望塔は女子トイレのみ)。車で来園の場合、駐車場側のゲートから「睡蓮の庭」を越えたあたりにあるインフォメーションまでトイレがないので注意しましょう。
インフォメーションにはおむつ交換台や授乳室もあるので、小さな子ども連れファミリーも安心です。インフォメーションでひと声掛けてから使用してくださいね。
ガーデンミュージアム比叡は、美しい庭園だけでなくフランスを代表する印象派アートも学ぶことができ、園内を散策するだけで学びにつながります。比叡山頂という立地ということもあり絶景も楽しめるので、ぜひ、天気のいい日におでかけしてみてください。
●新型コロナウイルス感染症対策により、記事内容・営業時間・定休日・サービス内容(酒類の提供)等が変更になる場合があります。事前に店舗・施設等へご確認されることをおすすめします。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 関西』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。