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手足口病が流行中!子どもの夏の感染症、症状と治療を解説!ヘルパンギーナ・プール熱・とびひ 

手足口病が流行中!子どもの夏の感染症、症状と治療を解説!ヘルパンギーナ・プール熱・とびひ 

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2024年6月7日に手足口病の流行拡大の報道が発表されました。手足口病とは、ペルパンギーナ、アデノウイルス(プール熱)とともに「3大夏風邪」と呼ばれる夏の感染症です。小さな子どもが罹りやすいイメージがありますが、大人にもうつることがあります。また、皮膚の感染症である「とびひ」も夏に気をつけたい感染症です。それぞれの症状や感染経路、治療法を小児科医の髙原先生にお聞きしました。

※当記事は2023年6月1日の取材に基づき、再編集をしています。

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目次(index)

(監修)髙原麻里子先生(かるがも藤沢クリニック)
浜松医科大学卒業。慶應義塾大学病院小児科、伊勢原協同病院などを経て、2015年より現職。

夏に多い感染症①手足口病

手足口病の症状は??

2024年6月より流行拡大の警報が発せられた手足口病。手足口病の症状は、手のひらや足の裏、口の中に小さな水ぶくれができます。手足口病という名前ではありますが、おしりやひざまわり、ひじにできることもあります。口の中が痛くて食べられない、痛みやかゆみがあることもあります。治ってから1か月くらいして、つめが割れたりはがれり、指の皮がむけたりすることがあります。

5歳以下の子どもがかかることが多く、原因となるウイルスがいくつもあるため、一度かかっても再びかかることもあります。熱は3日以内に下がることが多いでしょう。熱がなく元気で食欲があれば、登園・登校できます

大人にも感染する?

子どもの頃に感染していないと、大人にも感染します。大人の場合は足が痛い、手が痛いという症状を訴えることが多く、子どもよりも症状が重くなりがち。高熱になりやすいのが特徴です。

手足口病の治療方法は?

手足口病は、下記のヘルパンギーナと同様に、原因となるウイルスに効く薬はありませんが、基本的には安静にしていれば治ります発熱があれば解熱剤を処方します。水ぶくれは、かゆみなどがなければ特別な治療や塗り薬の処方は行いません。

夏に多い感染症② ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナの症状は?

突然、38〜40℃の高熱が2〜3日続き、喉の奥に水ぶくれができるのが特徴。喉の奥が痛くなるため食べられなくなったり、吐いたりすることがあります。ひどいときは水分も飲めなくなるので、脱水症状にならないように注意が必要です。熱は2〜3日で下がることが多いでしょう。ただ原因のウィルスがいくつもあるため、一度かかっても再びかかることもあります

ヘルパンギーナは基本的に5歳以下の子どもが感染することが多いのですが、新型コロナウイルス感染症対策で手洗いとマスク着用が徹底していた影響で、小学生の感染者も増えているのが現状です。熱が下がり、ふだん通りの食事ができれば、登園・登校できます

大人にも感染する?

感染力が強いため、大人も感染することがあります飛沫による感染と接触による感染があるため、家庭でケアするときは、大人もしっかり感染対策をしましょう。

ヘルパンギーナの治療方法は?

原因となるウイルスに効く薬はありませんが、基本的に安静にしていれば治ります。4日以上高熱がつづく、喉が痛くてごはんが食べられない、高熱でぐったりしているなどあれば受診しましょう。病院では、熱があれば解熱剤、喉が痛ければ喉の炎症を抑える薬などが処方されます。

夏に多い感染症③アデノウイルス感染症(プール熱、流行性角結膜炎)

アデノウイルス感染症の症状は?

喉が炎症を起こして痛み、39〜40℃の熱が4〜5日続きます。基本的な症状は咽頭扁桃炎ですが、発熱に加えて目が充血したり、目やにが出るなど結膜炎の症状がある場合、「咽頭結膜熱(プール熱)」と呼ばれ、結膜炎の症状だけの場合は「流行性角結膜炎」といいます。発熱や喉の痛み、目の症状のほかに、下痢、吐き気、腹痛などを伴うこともあります。

5歳以下の子どもがかかることが多く、とても感染力が強い感染症です。流行性角結膜炎は、目やにが治まり感染の恐れがなくなってから、咽頭結膜熱は熱が下がり、結膜炎の症状が治まってから2日間は登園や登校ができません。

大人にも感染する?

アデノウイルス感染症は、ウイルスの種類が非常に多く、飛沫感染、接触感染するため、大人にも感染します。感染力が非常に強いため、子どもが感染すると家庭内で感染するケースも珍しくありません。子どもと同様に発熱が見られますが、目やになど結膜炎の症状がひどい場合は、眼科を受診しましょう。

アデノウイルス感染症の治療方法は?

アデノウイルスに効く薬はありません。安静にしてしっかり休養をとればよくなりますが、高熱が続く場合は解熱剤、結膜炎があるときは目の炎症を抑える点眼薬が処方されることがあります。高熱が続く、元気がなくぐったりしている、脱水症状が見られる場合などは、再受診しましょう。

夏に多い感染症④とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひ

とびひの症状は?

虫刺されやあせも、湿疹などをかいたときに皮膚に細菌が入り込み、水ぶくれができます。その部分をかきこわした手でさらにほかの場所をかくと、そこに水ぶくれが飛び火のように広がるため、“とひび”と呼ばれます。感染力が強いため、かきこわすと体中に広がります。水ぶくれが破れたあとは、赤くただれてかさぶたになり、乾いてきれいに取れます。もともとアトピー性皮膚炎のある子や、肌トラブルのある子が感染すると悪化しやすくなります。

基本的に虫刺されやあせもができやすい夏に多いですが、感染する可能性は1年中あります。感染している部位をガーゼや包帯で覆うことができれば、登園・登校はできます。肌が乾燥するまではプールには入らないでください。

大人にも感染する?

水ぶくれが破れ、浸出液が皮膚につくことで感染するため、きょうだいはもちろん、大人にも感染する可能性があります。全身に広がる前に、早めに受診し、治療しましょう。

とびひの治療方法は?

感染が拡がっている場合は抗菌薬を飲んで、菌が広がらないようにします。患部には、抗菌薬が入った軟膏を毎日2、3回塗ります。

おうちでできる 夏の感染症のホームケア

3大夏風邪は、脱水症状に気をつけて

3大夏風邪と呼ばれるヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス感染症は、いずれも口の中や喉に症状がでるため、食事が十分にとれないことがあります。脱水症状にならないよう、水分をこまめに補給しましょう。少量ずつ、こまめに飲むのがコツです。おしっこの回数や量、色(濃くないかどうか)をみて、脱水になっていないかチェックしてください。

食事は、喉越しがよく、刺激が少ないものを与えましょう。冷ましたおじややうどん、うらごししたバナナ、ゼリー、豆腐などがおすすめです。食べられるものを食べていれば大丈夫です。熱いもの、酸っぱいもの、塩からいもの、固いものは避けましょう。

お風呂はどうする?

お風呂は、高熱がなく元気であれば入ってかまいませんが、感染を避けるため、できるだけ最後に入るようにしましょう。

とびひの場合、また、手足口病で痒みがでている場合は、温まるとさらに痒みが増すので、湯船はさけ、シャワーにしましょう。肌を清潔に保つことが何よりも大切なので、石鹸を使って体の汚れをきれいにあらいましょう。

予防法と大切なポイント

3大夏風邪と言われるヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス感染症には、いずれもワクチンや特効薬がありません。感染予防をするには、新型コロナウイルス感染症対策のときと同様、手洗いとうがいをしっかり行いましょう。

とびひの場合は、そもそものベースとなる肌をきれいに保つことが最大の予防です。汗や汚れを泡で落とし、シャワーで洗い流す、夏でも保湿をすることを心がけましょう。

感染症は、おもに飛沫や接触でうつります。また、治っても1カ月程度は便の中にウイルスが出ています。排便の後やおむつ替えの後は、しっかり手洗いをすることが大切なポイントです。

しっかり感染対策をして、楽しい夏を過ごしていきましょう!