
全国の農家や漁師など生産者さんとのつながりを活かし、3泊4日から、親子で自然豊かな地方に滞在してさまざまな体験ができる「ポケマルおやこ地方留学」。独自のプログラム内容やその魅力はもちろん「子どもは馴染める?」「期間中は親子でどうやって過ごすべき?」など、気になる点もたっぷりお話を伺いました。
- 「ポケマルおやこ地方留学」って?
- └ 子どもは体験、親はリモートワーク。朝と夕方以降は家族で過ごせる安心感
- 大人も体験してみたくなる、多様なプログラム
- └ 和歌山県・漁師さんと一緒にイルカが泳ぐ海でシーカヤック体験
- └ 岩手県・猟師さんと一緒に鹿猟同行体験
- 親子分離の体験、子どもはなじめる?
- └ 親も子どもを信じて送り出すのが大切
- 滞在期間や価格はどう?
- 滞在中のスケジュールは?
- └ 7日間のスケジュール
- └ 1日の流れ
- └ 絵日記シートを書きながら毎日の振り返り
- └ 6日目には参加者全員の懇親会も
- よくある質問
- └ 完全リモートワークができないと参加できない?
- └ 滞在直前や滞在中に子どもの具合が悪くなってしまったら?
- 訪れた場所を第二のふるさとに
お話をうかがったのは:(株)雨風太陽 人流創出部部長 木勢翔太さん
ポケマルおやこ地方留学の立ち上げに携わり、企画準備運営などを一手に手がける。国内旅行業務取扱管理者。「東京生まれの東京育ちで、自然のない環境で育ちました。小学生時代に夏休みや冬休みの1週間程度のキャンププログラムに参加して得た、地方でしかできない体験が私の原体験です。ぜひ子どもたちに、食べものを育む自然環境のリアルを五感で感じ取ってもらえたらうれしいです」
「ポケマルおやこ地方留学」って?

「ポケマルおやこ地方留学」は、日本最大級の産直サイト「ポケットマルシェ」が運営する親子の地方滞在プログラム。農家さんや漁師さんのもとへ伺い、食べ物が育まれる現場、自然環境を体感することができます。普段、食卓や給食で見る食べ物はどこからやってきて、どのようにつくられるのか、その原点に実際にふれられるプログラムが満載!
おもに長期休み(春・夏・冬)期間、北海道から九州まで全国10カ所程度の地域で実施されます。
子どもは体験、親はリモートワーク。朝と夕方以降は家族で過ごせる安心感

画像:PIXTA
大きな特徴は、日中は親子分離、朝と夕方以降は家族の時間が過ごせる「親子ワーケーション」のかたちをとれること。
子どもがプログラム体験している時間、親は用意された滞在先でリモートワークが可能。インターネット環境が整った宿泊施設で、快適に仕事ができます。朝と夕方以降は家族水入らずの時間になるので、さみしがりやタイプの子どもも安心して過ごせるんです。高学年にならないと、親子分離の体験は難しいかも…と思っていた親にとっても、うれしいところ。
大人も体験してみたくなる、多様なプログラム

2024年の夏休みに開催された北海道八雲町でのプログラムでの様子。農業・漁業・酪農とさまざまなアクティビティを体験
「ポケマルおやこ地方留学」では、乳牛のお世話やえさやり、生きたタコに触れる体験、きのこの植菌など、季節ごとの農業・漁業・酪農の現場に身を置きます。その時期、その地域だからこそ体験できるプログラムや、土地の自然を体感できるアクティビティが多くあるのも魅力です。
【過去に実施された体験内容】
- ホッキ貝の貝剥き体験、サーフィン体験 in北海道
- 農家さんと庄内特産のだだちゃ豆収穫体験 in山形
- 酪農体験とバターづくり in京都
- 塩作り体験 in福岡

岩手県九戸郡洋野町で開催された、若手農家・漁師さんのお仕事体験。海の生きものを直に見てふれられる
なかでも子どもも大人も“体験してみたい”と思えるような、その地域でしかできない体験が人気だそう。2つの人気プログラムを教えてもらいました。
【和歌山県】漁師さんと一緒にイルカが泳ぐ海でシーカヤック体験

子どもも安心してカヤックに取り組めるよう装備品やレクチャーも充実。カヤックで漕いでいると間近にイルカが!
和歌山県の海を中心にしたアクティビティが楽しめるプログラム。漁師さんと一緒に、イルカが泳ぐ海でのシーカヤック体験や、養殖マグロのえさやり、魚さばきなども体験できます。天然の湾に放たれたイルカたちが自由に泳ぐすぐそばを、カヤックで漕ぎながらふれあえる体験は、親子での参加が多くとても人気だそう。ダイナミックな海でのアクティビティは忘れられない経験になるはずです。
【岩手県】猟師さんと一緒に鹿猟同行体験

生きた鹿を猟師さんと見つけ、銃で仕留めて絶命する瞬間も見届ける
猟師さんと一緒に山に入り、生きた鹿を探して仕留め、解体。最後は肉にして食べるまでのすべてを体験できるユニークなアクティビティ。「いただきます」という言葉が「命をいただく」という意味であること、そして、携わる人たちの苦労に対する言葉であることを実感できる体験です。体験後、食事を残さず食べるようになったという子もいるそう。
※いずれも2025年の実施地域、期間は未定
※上記で紹介した写真やテキストは、プログラムで実際に体験できるアクティビティ等とは気象条件等により異なる可能性あり
親子分離の体験、子どもはなじめる?

画像:PIXTA
仕事ができる環境があって、子どもの貴重な体験がかなうのは魅力的。けれど、初めての土地で親と離れる状況では、子どもが楽しめるかちょっと不安…という人も多いかもしれません。でも、もちろん最初は馴染めなくても大丈夫。「ポケマルおやこ地方留学」で子どもたちを何度も受け入れている現地の生産者の方たちや、現地スタッフの方が子どもの不安感をなくすようサポートしてくれます。
また、心配は当然としながらも、実際に参加した親は子どもの成長を実感することがとても多いそう。同じタイミングで参加する子ども同士が仲良くなったり、小学校低学年の子どもでも楽しめるよう五感を使い、体を動かすプログラム構成になっているのですぐに夢中になれたり、舞台が自然なので、大人が想像する以上に子どもの感性がひらく場所になるようです。
親も子どもを信じて送り出すのが大切

自然のエキスパートである生産者さんとのふれあいに、食べものがつくられるリアルを体感できるはず
また、子どもは予想外のことに興味を示すことが多々あります。
必ずしも大人が期待した通りの反応をするわけではなく、実際に現場で子どもたちと向き合っている生産者さんの判断で、当初体験させたい親側のイメージとは違うものになる可能性もあるとのこと。
たとえばぶどうの剪定体験で、子どもたちがぶどうではなく農園の虫に夢中になった時、生産者の方はこの場所での楽しい経験が子どもたちにとっての原体験になるだろうから「自分は、一緒に虫取りをしたお兄ちゃんでもいい」と無理に止めることはしないそう。それでも自然のエキスパートである生産者の方との体験は、普段の生活では味わえないものです。
また、自然が相手になるので、ゲームと違いリセットはできません。こうしたことすべてを含めて体験としてとらえ、心配するだけでなく生産者の方を信じて子どもを送り出せる、親側の心もちも大切になります。
滞在期間や価格はどう?

画像:PIXTA
- 対象年齢
小学1年生〜6年生
※未就学児は保護者の帯同を以て条件付きで参加可。きょうだい参加の場合は中高生
も参加可 - プログラムの期間設定と料金の目安
<夏休み>6泊7日/25万円~30万程度
<冬休み・春休み>3泊4日/12~15万程度
※大人1名・子ども1名の2名1家族。宿泊料や体験料金などが含まれます。朝夕食の有無は施設によって異なります - 目安料金以外に準備しておくといい費用
往復の移動交通費・体験に参加しない保護者の昼食費 - 滞在する宿泊施設
家族滞在がしやすい宿泊施設に3~6泊で滞在。
1棟貸スタイルのコテージやホテルタイプの客室など
※滞在施設は地域により異なります
滞在中のスケジュールは?

画像:PIXTA
夏休み期間のプログラムの場合、6泊7日が基本。すべて日曜日集合、土曜日解散に設定されています。また全地域共通で、子どもは毎朝9時に運営側の手配する車両で滞在先を出発、17時前後に滞在先に戻ることができる行程になっています。
6泊7日のスケジュール
初日(日曜日) | チェックイン(現地集合)、オリエンテーション |
---|---|
2~6日目 | <子ども>日替わりで体験アクティビティの実施 <大人>ワーケーションの実施 |
6日目夕方 | こどもたちの体験発表会 懇親会の実施 |
最終日(土曜日) | チェックアウト(現地解散) ※夏休みプログラムの場合。冬~春休みは泊数が3~4泊で実施 |
1日の流れ
~8時50分 | <子ども>起床から身支度までは家族で過ごす。滞在先のエントランスで集合 |
---|---|
9~12時 | <子ども>運営が手配する車両で生産現場に移動。午前中の体験の実施 <大人>9時から仕事に取り組める |
12時 | <子ども>昼食 <大人>大人の昼食は自己手配 |
午後 | <子ども>午後の体験。運営が手配する車両で滞在先に戻る <大人>17時まで仕事に取り組める |
17時~ | 帰宅後は家族の時間 |
※標準的な1日の流れ
※朝夕食の有無、時間の流れはプログラムによって異なる場合あり
絵日記シートを書きながら毎日の振り返り

滞在中は毎日、絵日記シートにその日の体験を記入。「今日はどんなことしたの?」「何が楽しかった?」などと会話を楽しみながら、体験を親子で一緒に振り返ることができます。またプログラムを通しての絵日記は、そのまま夏休みの宿題にすることも。これも働く親にとってはうれしいですね!
6日目には参加者全員の懇親会も

6日目(帰宅前日)の夜は、生産者さんや参加している家族どうしで夕食をともにし、子どもたちの体験発表会と懇親会が開かれます。同年代の子どもがいる家族同士、ここでの出会いがきっかけで、その後の交流につながることも。
よくある質問
完全リモートワークができないと参加できない?
滞在中、親は必ず仕事をしていなくてはいけないということはありません。有給を使って滞在してもOK。また、前半はお母さん、後半はお父さんというように、夫婦の入れ替わりも問題なく、祖父母でも可能です。前後にプライベート旅行を組み合わせても。
滞在直前や滞在中に子どもの具合が悪くなってしまったら?
代金支払い後のキャンセルについては、出発日の前日から起算して何日目にあたるかによってキャンセル料または取消料の発生有無に違いがあります。夏休み期間は滞在期間が長いため、途中からの参加も可能です。また、滞在中の体調不良の場合は、体験の参加を見送り、地域の医療機関の受診を優先します。
訪れた場所を第二のふるさとに
食が育まれる生の現場での体験を通して、食べ物をありがたくいただく気持ちが芽生えるはず。そして、おやこ留学をきっかけに生産者さんや地域の方とつながり、第二のふるさとのような、家族にとってゆかりある場所になったら素敵ですね。
<最新情報はこちら>
ポケマルおやこ地方留学