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愛知県の特産品おもしろ雑学|“名古屋めし”のマスト調味料・味噌

愛知県の特産品「八丁味噌」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

愛知県で紹介するのは「味噌」。名産品として知られる八丁味噌の歴史とヒミツを深堀りします。味噌の作り方や、現地で体験できる味噌関連スポットにも注目!

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目次(index)

【知る】味噌は“名古屋めし”を支える大黒柱

全国的に有名な「八丁味噌」。徳川家康の出生地、岡崎城(愛知県岡崎市)から西へ八丁(約870m)の距離にある八丁町 (旧八丁村)の味噌蔵で作られたことが、名前の由来です。江戸時代初期から作られていたとされており、少なくとも300年以上の歴史があります。

東海道を挟んで蔵を構えた「カクキュー」と「まるや」は当時から続く老舗蔵元。2005年には八丁味噌協同組合を設立しました。

そもそも八丁味噌はどんな味噌?

八丁味噌/画像提供:カクキュー

画像提供:カクキュー

濃い赤褐色の八丁味噌は豆味噌の一種で、原料は大豆と塩のみ。愛知県は高温多湿であるため、保存性の高い豆味噌作りが定着しました。なかでも八丁町で作られる伝統製法の八丁味噌は、一般的な味噌と異なり二夏二冬(2年以上)の長期熟成が特徴です。それらが大豆のうま味を凝縮した濃厚なコクに、ほのかな酸味や渋味を併せもつ風味をもたらします。大豆だけを使用しているため、米や小麦を使った味噌よりも高タンパク質なのも魅力です。

八丁味噌の醸造蔵の名物は、木桶で味噌を熟成させる際の「石積み」です。八丁味噌は、ほかの豆味噌よりも仕込み水が少ないことから、より多くの重石(おもし)が必要。「カクキュー」の場合、1本の木桶に八丁味噌を約6t仕込み、その上に約3t、数にしてなんと約350個もの重石を積み上げます。

赤味噌と白味噌の違いって?

「赤味噌」「白味噌」とは、見た目の色で分けた味噌の分類方法です。材料の違いは関係ありません。八丁味噌も赤味噌の一つ。一般的に、大豆を蒸して加熱し、長期熟成させると赤味噌になります。白味噌は煮て加熱することで着色を抑えたり、着色しないこうじ菌(発酵食品に必要な菌)を使用したりする場合もあります。

味では赤味噌は辛口が多く、濃厚なうま味があります。一方、白味噌は関西以南の暖かい地方で主に作られ、甘みがあるのが特徴です。

“名古屋めし”は味噌ばかり! 愛知県で味噌が愛されている理由

愛知県で味噌が愛されている理由/愛知県の特産品「八丁味噌」

江戸時代の八丁村は、三河湾に注ぐ矢作川(やはぎがわ)流域の大豆、三河湾(みかわわん)の塩、矢作川の地中に流れるきれいな伏流水(ふくりゅうすい)が揃い、味噌作りに適した土地でした。また、東海道と矢作川が交差する水陸交通の要衝。街道を行き来する人々により八丁味噌の名が広まり、水路で江戸まで出荷され、味噌産業が大きく発展しました。

食文化においても味噌が根付いて、愛知県民は濃い味を好む嗜好に。それを反映した味噌かつ、味噌おでん、味噌煮込み、味噌鍋などの、いわゆる「名古屋めし」と呼ばれる料理に使用される調味料として定着しました。

愛知県では、地元食品メーカーのチューブタイプの味噌ダレを、冷蔵庫に常備している家庭も。それを味噌かつや味噌おでんなどに使うのはもちろん、パンにまでつけるのは、愛知県民の“あるある”です。

徳川家康は江戸から取り寄せるほどの味噌好きだった!?

徳川家康は今でいう“健康オタク”で、食事は麦飯と栄養価の高い豆味噌を中心とした質素なものが中心だったそうです。江戸城に移ってからも食生活は変わらず、わざわざ故郷の三河(現在の愛知県東部)から、豆味噌を取り寄せていました。当時としては長寿の75歳の人生をまっとうできたのは、もしかすると豆味噌のおかげかもしれませんね。以後、豆味噌は徳川将軍家代々の愛用食となりました。

家康に仕えていた三河武士も、陣中食(戦国時代の戦いの場で食べられた保存食)として豆味噌を重宝。例えば、イモのつるを味噌に漬けておいたものを、戦いの際に切ってお湯に入れて、現代のインスタント味噌汁風に食べていたようです。

戦国時代に起きた三河一向一揆の際には、家康が家臣・大久保忠世の家で、香ばしく焼いた豆味噌のお茶漬け、焼味噌の湯漬けを食し、とても喜んだというエピソードもあります。

【つくる】味噌の作り方・定番料理レシピ

この機会におうちで手作り味噌に挑戦しましょう。今回は八丁味噌に近い「豆味噌」の仕込み方を紹介します。八丁味噌を使った定番料理「味噌煮込みうどん」も作って、愛知県の食文化に触れてみては?

おうちで豆味噌作りに挑戦

豆味噌作りに挑戦/愛知県の特産品「八丁味噌」

愛知県の伝統的な味噌作りは環境を整える必要などがあり、おうちで再現するのは難しいので、ネット通販でも購入できる豆こうじ(バラこうじ)を使った豆味噌作りを紹介します。

仕込みを終えた後の熟成期間は約1年、長期熟成が好きな方は1年半などに延ばしてもOKです。

簡単レシピを紹介

  1. レトルトの水煮大豆を袋に入れて、全体的にペースト状になるぐらいまで潰します(粒が少し残っていてもOK)。
  2. 塩と豆こうじを容器に入れて、混ぜ合わせます。これを「塩切こうじ」といいます。
  3. 潰した大豆、塩切こうじ、水を合わせてしっかり混ぜていきます。
  4. ③を丸めて、だんごを作りながら容器に仕込んでいきます。上からしっかり押して空気を抜きながら容器に詰めるのがポイント。
  5. 仕上げに表面に少し塩を振って、ラップをかぶせて重しを載せたら仕込みは完成です。

名古屋のソウルフード「味噌煮込みうどん」

画像:PIXTA

「味噌煮込みうどん」は、きしめんと並ぶ愛知県のメジャーな麺料理の一つです。

八丁味噌仕立ての汁にコシの強いうどんを煮込んで作ります。調理はそれほど複雑ではないので、親子で協力して作ってみませんか。生卵を添えると、よりマイルドになっておいしいですよ。

簡単にレシピを紹介

  1. 鶏モモ肉を小さく切り、油揚げはサッとゆで、油抜きをしてから短冊切りにします。
  2. かまぼこは半月型の薄切り、ネギは斜め切りにします。
  3. 土鍋にだし汁を入れて、火にかけ沸騰させます。
  4. 砂糖と合わせた八丁味噌と、鶏モモ肉、油揚げを入れて煮立てます。
  5. 煮立ったら、うどんを加えて5分ほど煮ます。
  6. かまぼことネギ、生卵を乗せ、ふたをしてひと煮立ちさせたら完成!

【学ぶ】味噌について学べるスポット

愛知県には、味噌蔵を気軽に見学できる施設があります。さらにガイド付きの見学ツアーや、味噌汁のもとを作る体験教室も用意されているので、事前に予約して参加してみては?

カクキュー八丁味噌(八丁味噌の郷)(愛知県/岡崎市)

江戸時代初期から八丁味噌を作り続ける「カクキュー八丁味噌」の工場見学では、味噌蔵や史料館をガイドが案内してくれます。本社屋や史料館は、愛知県で初の国の登録有形文化財に登録されており、建物自体も見ものです。

工場見学コースとは別に、カクキューの歴史や全国の味噌をはじめ、醸造文化などをパネルで紹介する展示室「玄佺館(げんせんかん)」も併設。おみやげを扱う売店とともに立ち寄りましょう。

住所 愛知県岡崎市八丁町69
問合先 0564-21-1355
営業時間 工場見学10~16時(ガイドは正時、30分スタート※12時30分の回は休み。平日は正時のみ)、売店9~17時、玄佺館9~16時
定休日 なし ※年末年始を除く
料金 入館無料
アクセス 公共機関:名鉄岡崎公園前駅または愛知環状鉄道中岡崎駅から徒歩5分
車:東名高速道路岡崎ICから5km10分
駐車場 あり/40台/無料
URL

https://www.kakukyu.jp/

みそぱーく・はと屋

約160年の伝統をもつ豆味噌の醸造元「はと屋」の味噌蔵は、見学施設「みそぱーく」として公開されています。「味噌知るツアー」ではガイドの解説付きで大きな木桶を見学でき、映像や冊子で味噌について深く知ることも。

最低催行人数5名以上の「みそまる体験教室」(所要時間60分)では、豆味噌と米味噌を混ぜた、合わせ味噌の「味噌玉」を作ります。味噌玉とはお湯にとかすだけで作れる味噌汁のもと。1人7個(杯分)ほど作って持ち帰れます。

住所 愛知県西尾市吾妻町21-1
問合先 0563-56-7373
営業時間 10~17時(見学~15時)、味噌知るツアーは14時~(所要時間30分程度)
定休日 日曜
料金 入館無料、味噌知るツアー100円(蔵売店で使用できる100円金券、みそだれ小袋、味噌冊子を進呈)※予約制、
みそまる体験教室1000円※1週間前までに要予約。開始時間は応相談
アクセス 公共機関:名鉄西尾駅から徒歩8分
車:国道23号岡崎バイパス西尾東ICから4km10分
駐車場 あり/30台/無料
URL

https://hatoya-miso.com

【SDGs】愛知県の味噌を自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

愛知県で生産される味噌は、環境にも配慮しながら製造が行われています。この先も、味噌を変わらず自由に食べたり守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればいいのか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

愛知県の子ども向けSDGsの取り組み

1:貧困をなくそう/SDGsの目標

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4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標

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