
「ペルセウス座流星群はいつ見ればいいのだろう?」
「どこで観察すれば流れ星がたくさん見えるのかな?」
このように気になっていませんか?
ペルセウス座流星群は、観察できる正しい時期と場所を知っておけば、美しい流れ星を楽しむことができます。適切な準備をしておけば、家族みんなで素敵な星空体験ができるでしょう。
そこで、この記事では、2025年のペルセウス座流星群を観察したい方へ向けて見頃の時期や観察方法、関東地方のおすすめスポットについて解説します。夏休みの思い出作りや自由研究の参考に、ぜひ最後までお読みください。
「ペルセウス座流星群」とは?

ペルセウス座流星群は、毎年夏に見られる有名な流星群です。この流星群には2つの大切なポイントがあります。
- スイフト・タットル彗星が作り出した流星群
- ペルセウス座の方向から流れてくる
それぞれ見ていきましょう。
母天体と発生のしくみ
ペルセウス座流星群を作っているのは、スイフト・タットル彗星という彗星です。
彗星が太陽に近づくと、氷や塵がとけて宇宙空間に散らばります。この散らばったちりが地球の大気に飛び込むと、摩擦で光って流れ星になります。スイフト・タットル彗星は約133年かけて太陽の周りを回っているため、長い間に大量のちりを宇宙に残しました。
地球が毎年同じ時期にこのちりの道を通るので、決まった時期にペルセウス座流星群が見られるのです。
放射点の意味と位置
放射点とは、流れ星が飛び出してくるように見える空の場所のことです。
ペルセウス座流星群の放射点は、ペルセウス座にあります。実際の流れ星は宇宙で同じ方向に飛んでいますが、遠くから見ると一つの点から広がって見えます。これは道路の白い線が遠くで1点に集まって見えるのと同じ仕組みです。
放射点の位置を知っていると、どちら側から流れ星が現れるかわかるので、観察がしやすくなります。
ペルセウス座流星群2025年の見頃

画像:国立天文台
2025年のペルセウス座流星群の見頃について、知っておきたいポイントは3つあります。
- 出現期間と極大日
- ピーク時間と予測流星数
- 月明かりや天気の影響
それぞれ説明していきます。
出現期間と極大日
ペルセウス座流星群は7月17日から8月24日まで活動し、8月13日午前5時頃に極大を迎えます。
極大の時間は日本では薄明が始まっているか日の出後のため、12日深夜から13日未明にかけてが一番の見頃です。
ピーク時間と予測流星数
2025年の天頂出現数は100個とされていますが、月明かりの影響で1時間に40個ほど見られると予想されています。
夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されます。最も多く見えるのは13日の明け方3時〜4時頃ですが、お子さんにとっては夜遅い時間になります。夜9時〜11時頃でも普段より多くの流れ星が期待できるので、無理のない時間を選びましょう。
ペルセウス座流星群は明るい流れ星が多いのが特徴なので、月明かりに負けない印象的な流れ星に出会えるチャンスがあります。
月明かりや天気の影響
2025年は満月を過ぎた明るい月が午後8時過ぎから昇るため、月明かりの影響で見える流星の数は例年より少なめとなります。月明かりがあると、淡い流れ星は見えにくくなってしまいます。
観察のコツは、できるだけ月を背にして空を見上げることです。また、天気予報を確認して雲の少ない夜を選ぶことも大切になります。
観察のベストな時間と方角

明石海峡大橋とペルセウス座流星群 画像:PIXTA
ペルセウス座流星群を効果的に観察するために押さえておきたいポイントは2つあります。
- 見やすい時間帯
- 方角と放射点の探し方
それぞれ詳しく説明していきましょう。
見やすい時間帯
流れ星は夜9時頃から出現し始め、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなります。
放射点が高く昇る深夜〜明け方が特におすすめの時間帯ですが、家族での観察なら夜9時〜11時頃から始めるのが現実的でしょう。この時間でも普段より多くの流れ星を期待できます。
目が暗さに慣れるまで時間がかかるため、観察は最低30分は続けてみてください。
方角と放射点の探し方
ペルセウス座流星群は、ペルセウス座の方向にある放射点から流れ星が四方八方に飛び出してくるように見えます。ただし、流れ星は放射点付近だけでなく、空全体に現れます。
そのため特定の方角だけを見るのではなく、空全体をぼんやりと眺めるのがコツです。
方角を気にせず、できるだけ空が広く見渡せる場所を選びましょう。レジャーシートに寝転んで、家族みんなで空全体を見上げると良いでしょう。
観察の準備と持ち物

ペルセウス座流星群の観察を快適に楽しむために、準備しておきたいポイントは2つあります。
- 必要な道具と服装
- 快適に観察するための工夫
それぞれ詳しくみていきましょう。
必要な道具と服装
ペルセウス座流星群の観察に特別な道具は必要ありません。
望遠鏡や双眼鏡は視野を狭めてしまい、空全体を見ることができないので、かえって流れ星を見つけにくくなります。肉眼での観察が一番効果的です。服装については、夏とはいえ夜風に長時間あたると体が冷えるので注意が必要です。
薄手の長袖やブランケットを用意しておくと安心でしょう。また、虫除けスプレーも忘れずに持参してください。夏の夜の野外観察では虫対策が重要になります。
快適に観察するための工夫
長時間の観察を快適にするために、いくつかの工夫をしましょう。
レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。ずっと空を見上げる姿勢は首が疲れるので、横になって観察するのがおすすめです。観察は最低30分は続ける必要があるため、快適な体勢を整えることが大切です。
また、月やまわりの明かりが目に入らないように工夫すると、暗い流れ星も見つけやすくなります。赤いセロハンを貼った懐中電灯があると、暗闇に慣れた目を守りながら手元を照らせて便利です。
観察におすすめの場所

ペルセウス座流星群を効果的に観察するための場所選びには2つのポイントがあります。
- 光害が少ないエリア
- 地域別おすすめスポット
それぞれ詳しく説明していきます。
光害が少ないエリア
できるだけ空が暗く、広く見渡せる場所を選ぶことが最も大切です。
街の明かり(光害)が少ないほど、淡い流れ星も見つけやすくなります。また、周りに高い建物や木が少ない場所が理想的です。公園や河川敷、海岸沿いなどが適しています。車で少し郊外に出るだけでも、街明かりの影響を大幅に減らすことができます。
ただし、夜間の移動や観察では安全第一を心がけてください。家族での観察なら、自宅から近くて安全な場所を優先して選びましょう。
地域別おすすめスポット
ペルセウス座流星群は日本全国どこからでも見ることができます。より美しい流れ星を楽しむために、光害が少なく安全にアクセスできるスポットをご紹介します。
ここでは関東地方を中心に、お子さんと一緒でも訪れやすい2つのスポットを選びました。どちらのスポットも駐車場が完備されており、夜間でも比較的安全に観察できる環境が整っています。ただし、夜間の移動になるため、事前に天気予報と道路状況を確認してからお出かけください。
●奥多摩湖・大麦代駐車場(東京都/奥多摩町)
奥多摩湖は特に流星群を観測する条件が整ったスポットです。東京都といっても都心からは大きく離れた山岳地帯で、人工的な明かりはほとんどなく、都内で最も星が綺麗に見えるとして人気があります。湖畔という開けた環境のため、空全体を見渡すことができ、お子さんと一緒でも安心して観察できます。
住所 | 東京都西多摩郡奥多摩町 |
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アクセス | 公共交通:JR奥多摩駅→西東京バス奥多摩湖方面行きで15分、バス停:奥多摩湖下車、徒歩すぐ 車:圏央道日の出ICから国道411号経由33km50分 |
駐車場 | あり/100台 |
URL |
●秩父ミューズパーク(埼玉県/秩父市)
秩父ミューズパークでは天の川も綺麗に見える自然豊かなスポットです。広い芝生エリアがあるため、レジャーシートを敷いて家族でゆっくりと流星群観察を楽しむことができます。秩父の山間部に位置しているため光害が少なく、ペルセウス座流星群以外の星座も美しく観察できます。お子さんにとって星空の魅力を感じられる絶好の場所といえるでしょう。
所在地 | 埼玉県秩父市・秩父郡小鹿野町 |
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アクセス | 公共交通:西武西武秩父駅→西武バスミューズパーク線で20分、バス停:ミューズパーク中央下車、徒歩すぐ。または同バスで32分、バス停:音楽寺下車、徒歩1分 車:関越道花園ICから国道140号経由34km1時間 |
駐車場 | あり/1600台/一部有料 |
URL |
まとめ|2025年のペルセウス座流星群を満喫するために
2025年のペルセウス座流星群は、8月13日明け方がピークとなります。月明かりの影響で例年より見える数は少なくなりますが、明るい流れ星に期待できる年です。
観察のポイントは、8月12日の夜9時頃から13日の明け方にかけて、空全体をぼんやりと眺めることです。特別な道具は必要なく、レジャーシートに寝転んで家族みんなで楽しみましょう。薄手の長袖や虫除けスプレーなど、夏の夜の準備を忘れずに。
全国各地に素晴らしい観察スポットがありますが、無理をして遠出する必要はありません。お子さんの安全を最優先に、アクセスしやすい場所を選んでください。自宅のベランダや近所の公園でも、街明かりの少ないところを選べば十分に楽しめます。
流れ星を見つけた瞬間のお子さんの笑顔は、きっと忘れられない夏の思い出になるでしょう。家族みんなで夜空を見上げて、宇宙の壮大さと美しさを感じる特別な時間をお過ごしください。
●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
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