オリンピックの歴史や目的は?なぜ4年に一度?子供向けにわかりやすく解説!自由研究アイデアも

オリンピックの歴史や目的は?なぜ4年に一度?子供向けにわかりやすく解説!自由研究アイデアも

るるぶKidsライターのアイコンるるぶKidsライター

2024年はオリンピックイヤー!オリンピックの歴史や目的、開催国についてなどを、子ども向けにわかりやすく解説します。オリンピックはちょうど夏休み期間に開催されることもあり、自由研究テーマとしてもおすすめです。親子で観戦を楽しみながら、宿題も一緒に済ませてしまいましょう!

<こちらもおすすめ>
» オリンピック2024はいつ?開催地はどこ?
» パリ・オリンピックの注目競技のルールや見どころは?
» パラスポーツとは?人気競技やルールを解説

目次(index)

オリンピックの歴史をみてみよう

4年に一度開催されるオリンピック。世界的なスポーツの祭典はいつから、どのように始まったのでしょうか。

古代オリンピックから近代オリンピックへ

オリンピックには、現在のように世界のさまざまな都市で4年に一度開かれる近代オリンピックと、その前身となる古代オリンピックがあります。それぞれの歴史について簡単に解説します。

■古代オリンピックはギリシャの神様をあがめる行事

オリンピア遺跡

オリンピア遺跡

古代オリンピックは、古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた「オリンピア祭典競技」を指し、始まりは約2800年前、紀元前9世紀ごろ。もともとは、ギリシャの神々をあがめるための、体育、芸術の競技祭だったと考えられています。
古代オリンピックで最初に行われた競技は、約191mのコースを走る競走。そして、紀元前728年の第13回大会まで、この競技1種目だけだったといわれています。

その後、ギリシャはローマ帝国に支配され、さらにローマ帝国は国が信仰する宗教をキリスト教と定めました。そのため、ギリシャの神々をあがめる宗教行事であった古代オリンピックを続けることが難しくなり、393年に開かれた第293回オリンピックを最後に、1169年の歴史に幕を閉じました。

■スポーツを通して世界平和に貢献する近代オリンピックへ

第1回オリンピック開催地 ギリシャのアテネ競技場

第1回オリンピック開催地 ギリシャのアテネ競技場

古代オリンピックが途絶えて1500年が過ぎ、いよいよ近代オリンピックが誕生します。1894年パリの万国博覧会の場で、のちに「近代オリンピックの父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタン男爵が、オリンピックの復興を唱え、満場一致で可決。オリンピックが復活することとなりました。

2年後の1896年、近代オリンピックの始まりとなる第1回大会が、古代オリンピックの故郷であるギリシャのアテネで開催。それから1世紀以上にわたって、さまざまな国で開催され、伝統と歴史が受け継がれています。

1924年から冬季オリンピックが始まり、2004年にはオリンピックとパラリンピックが同じ組織委員会で運営されるようになり、現在のオリンピックの形にいたっています。

オリンピックの目的って?

古代オリンピックは、ギリシャの神々をあがめる行事的なスポーツの祭典でしたが、近代オリンピックはどんな目的や願いがあったのでしょうか?

オリンピックの理念「オリンピズム」

近代オリンピックを創設したクーベルタンは、フランスの貴族で、将来は軍人か政治家になることを期待されていました。しかし、クーベルタンは教育に関心を持ち、自国フランスの教育をよくしようと、他国に出かけ見聞を広げます。そのなかで、「教育」にはスポーツが必要だ!と感じ、さらに、世界各地を視察しながら交流試合に関わるうちに、スポーツが「国際交流」や「平和」に役立つと考えるようになったのです。

スポーツを通して、体だけでなく心も鍛えよう、世界の人々と交流しよう、そして平和な社会を築いていこう、これが、クーベルタンが提唱したオリンピックの目的です。この考えは「オリンピズム」と呼ばれ、オリンピックはこの理念に支えられています。

五輪マークにもオリンピズムがこめられている!

オリンピックのシンボルとしてなじみのある、5つの輪。これを考案したのもクーベルタンです。この五輪マークもオリンピズムの理念がこめられています。

5つの輪は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアの5大陸を意味し、世界の団結を表しています。そして輪の色は、青、黄、黒、緑、赤の5色に、旗の地の白を加えると、世界の国旗がほとんど描けるという理由で選ばれています。

なぜ4年に一度なの?

オリンピックが行われるのは4年に一度。どうして、そうなったのか、理由は諸説ありますが、古代ギリシャ人が太陰暦を使っていたからといわれています。古代ギリシャ人は、現在、一般的に使われている太陽暦と、太陰暦とでほぼ等しい、8年を大切な年と考えて8年ごとに祭典を開いていました。その後、半分の4年周期になったといわれ、クーベルタンが近代オリンピックの仕組みとして取り入れて、4年に一度の開催になったのです。

●太陰暦と太陽暦って?

  • 太陰暦:「太陰」は「月」を意味します。1周、約29日の月の満ち欠けの周期を基にした暦。
  • 太陽暦:地球が太陽の周りを回る、1周、約365日の周期を基にした暦。

過去の開催国で一番多い国は?

夏季オリンピックは1896年にギリシャ・アテネで開催された第1回から、2024年の今年、フランス・パリで開催される第33回まで、さまざまな国で行われています。

夏季オリンピックが開催された回数の多い大陸は、ヨーロッパで、なんと18回!次いでアメリカ、アジアと続きます。アフリカ大陸の都市ではまだ一度も開催されていません。

日本人とオリンピックの歴史も知っておこう

今では多くの日本人選手・チームがオリンピックに出場していますが、近代オリンピックの初めから参加していたわけではありません。日本でどのようにオリンピックが根づいていったのか、日本のオリンピック史を調べるのも、自由研究のテーマにぴったり。オリンピック観戦もより深く楽しめます。

日本人が初めて参加したのは?

大河ドラマで描かれたこともありますが、日本人が初めてオリンピックに参加したのは1912年のスウェーデン・ストックホルム大会
クーベルタンからオリンピックの参加を呼びかけられた、嘉納治五郎(当時、東京高等師範学校校長)が、1909年にアジアで初めてのIOC委員に就任。ストックホルム大会への参加に向けて、1911年に大日本体育協会を設立しました。

同じ年に日本初の代表選手選考会が行われ、短距離で優勝した三島弥彦(東京帝国大学)と、マラソンで好記録を出して優勝した金栗四三(東京高等師範学校)の2人が日本人として初めてストックホルム大会に参加しました。

三島選手は100m、200mとも予選最下位。400mは予選通過したものの、疲労で準決勝を棄権。もう一人の金栗選手は、炎天下で外国人選手のペースで走ったために、熱中症で倒れてしまうという、残念な結果に終わってしまいました。

日本で初めて開催されたオリンピックはいつ?

日本の初参加から少しずつ参加選手が増え続け、メダル獲得もかなうようになりました。そして、1964年日本、そしてアジアで初めてオリンピックが開催されました。この大会で柔道とバレーボールが正式競技となり、金16、銀5、銅8の合計29のメダルを獲得。オリンピックの様子は連日テレビや新聞で報道され、日本中が沸きました。身近に東京オリンピックを体験した人がいたら、当時のことを聞いてみましょう。より臨場感をもって知ることができるかもしれません。

東京オリンピック2020が開催!

東京2020オリンピック・パラリンピック会場の東京国立競技場

東京2020オリンピック・パラリンピック会場の東京国立競技場

私たちにとって一番身近なオリンピックが、2020年の東京オリンピック。世界的な新型コロナウイルスの感染によって1年延期となり、多くの競技が無観客で行われるという、オリンピックの歴史のなかでも異例の大会となりました。それでも、テレビを通してリアルタイムで見られる競技や演技に感動し、応援する一体感を味わえました。

オリンピックで自由研究!アイデアをご紹介

オリンピックの歴史や日本のオリンピックとの関わりをていねいに調べるだけでも、自由研究として十分ですが、ほかにもいろいろな視点で調べてみると、おもしろい発見があるかもしれません。子どもが好きなこと、興味を持ちそうなことと結びつけると、やる気もアップします。

オリンピック世界地図をつくろう

オリンピック 自由研究

オリンピックにまつわる、オリジナルの世界地図をつくってみましょう。白地図に開催国を色で塗ったり、第1回から第32回までの金メダル獲得数が多い国をわかるようにしたりなど。世界の国々を知るきっかけになります。

競技のルールを調べてみよう

オリンピック 自由研究

初めて知った競技、スポーツについて、ルールを調べてみましょう。体育の授業や習い事でやっているスポーツも、よく調べてみると、新発見があるかも!オリジナル競技を考えてみるのもいいですね。

地域ごとに得意な競技を調べてみよう

オリンピック 自由研究

どの国が、どの競技でメダルを獲得しているのかを調べると、国や地域によって得意な競技がわかってきます。どうして得意なのか?も調べてみると、国や地域とスポーツの関係もわかるかもしれません。

ピクトグラムを調べてみよう

オリンピック 自由研究

ピクトグラムは、ひとめで情報が伝わる絵文字のこと。オリンピックでは、競技ごとの体の動きをわかりやすく表現したスポーツピクトグラムがあります。東京オリンピック2020では、開会式でも話題になりました。作られたきっかけや歴史、競技がどんなふうにデザインされているか、どう変化しているかなどを調べてみましょう。また、街中にあるピクトグラムを探して、どんな意味なのかをまとめるのもおすすめ。さらに、新しいピクトグラムをデザインしてみては?子どもならではの自由な発想がみられそうですね。

パリ・オリンピック2024を楽しもう

オリンピックの目的や伝統を知ると、これから始まるパリ・オリンピックがますます楽しみになってきます。過去のオリンピックとの違いや、新たな競技はあるかなど、パリ・オリンピックならではの見どころをチェックしてみましょう。

<こちらもおすすめ>
» 運動能力は遺伝でなく経験!8歳までのあそびが大事
» 足が速くなる!かけっこ上達の3つのコツとは?
» 新体力テスト 種目や実施時期は?評価の見方も