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ハイスペック昆虫、その名はオケラ!

おうちでできる忍者修行を専門家が伝授!シャツでつくる衣装や忍術、手裏剣の練習など

今井夕華のアイコン今井夕華

忍者の呼吸法の修行

『忍たま乱太郎』『NARUTO』『忍者ハットリくん』など、アニメや漫画、映画をはじめ、海外でも大人気の忍者。
前回、前々回は、三重大学で忍者研究をしている「忍者の専門家」高尾善希さんから、忍者の基礎知識と観光スポットについて学びました。今回は実践編!忍者専門メディアの編集長である嵩丸さんに、忍者になる方法を教えてもらいます。家や学校ですぐにチャレンジできるものばかり。ぜひ親子で一緒に読んでみてください!

目次(index)

「Ninjack」編集長:嵩丸さん嵩丸さん
忍者専門メディア「Ninjack」の編集長。
10年間勤めた大手IT企業を辞めて、日本忍者協議会に勤めながら大学院生として忍者・忍術学の研究中。忍者関連の広報活動、忍者イベント、忍者事業プロデュース、MCなどを勤めて活躍中。

嵩丸さんが忍者の道に進むまで

子どもの頃から忍者が大好きだったという嵩丸さん。どんな経緯で忍者の道に進んだのでしょうか?

嵩丸: 『忍たま乱太郎』の原作である『落第忍者乱太郎』がすごく好きで、よく読んでいました。特に土井先生の忍術解説がお気に入りです!忍者にまつわる漫画や小説、映画も好きでよく見ていました。あとは、格闘ゲームをやるときには絶対に忍者キャラを選んでいましたね。

一度はIT企業に就職しますが、忍者が好きな気持ちが抑えきれず、趣味で忍者の情報サイトを立ち上げ。その後会社を辞めて、忍者について学べる三重大学の大学院に入りました。

嵩丸: 会社員だったころ、たまたま忍者体験ができる道場へ遊びに行ったことがきっかけでした。手裏剣とか鎖鎌の使い方を教わって、なんだかハマってしまい。そこからどっぷりと忍者の活動をするようになりました!

今は、忍者にまつわる自治体が集まって活動している「日本忍者協議会」の職員として働きながら大学院に通っているそう。卒業後も忍者にまつわるお仕事をする予定です。仕事も勉強も趣味も、全て忍者なんですね!

「Ninjack」編集長:嵩丸さん

どんな忍者になりたい?

では、本気で忍者になりたい!と思ったら、どうしたら良いのでしょうか?

嵩丸: なりたい忍者はどんな忍者か、考えてみましょう!忍者ショーに出るだけが忍者ではありません。僕のいる大学では、2017年に国立の忍者研究センターが設立されて、歴史や忍術について考える忍者の研究者がいます。忍者ゆかりの観光地で案内をしたり。忍術の体験道場で働くというのもいいかもしれません。どんな形でも、忍者が好きで、忍者についての活動をしていれば「忍者になった」といえるのではないでしょうか。

忍者になるにも、いろんななり方があるんですね!

嵩丸: 昔の忍者には、姿を隠して活動する「陰忍」と、姿を見せながら活動する「陽忍」がいます。そして、体を動かすのが得意な忍者、武器を使うのが得意な忍者、変装するのが得意な忍者、頭を使って分析するのが得意な忍者など、忍者といってもその姿はさまざま。もし憧れの忍者がいれば、よく観察して、どんな忍者になりたいかの参考にしてみましょう。

Tシャツで変身!簡単忍者服

目指す忍者が「陰忍」の場合、人に姿を見られてはいけないので、忍者服に着替えましょう!Tシャツが1枚あれば簡単に忍者服を作れますよ。

嵩丸: 形から入ると、気分が上がるのでとってもおすすめです!まずTシャツのエリ部分に顔をはめます。次に袖を後ろで結びます。長袖の方が結びやすいですが、半袖で大丈夫です。そしてTシャツの胸部分で顔を隠すよう調整したら、はいできあがり!

Tシャツで変身!簡単忍者服

忍者名を付けよう

忍者として活動するときは、忍者名を名乗りましょう。本名のほかに忍者名があると、普段の自分とは別の人格が生まれて、大胆になれちゃうかもしれません!

嵩丸: 僕は本名に「嵩」という字が入っているので、それを取って「嵩丸」という忍者名にしました。忍者名にはいろんなパターンがあるので、自分にあう忍者名を付けてみましょう。

  1. 本名を忍者っぽくアレンジするパターン
    (末尾に丸、助、蔵、之進をつけるのがオススメ)
  2. 憧れている忍者など、ほかの忍者名をそのまま持ってくるパターン
    (佐助、半蔵など)
  3. 地元の旧国名をつけるパターン
    (長門、信濃など)
  4. 女性に多い、雅なものや植物の名前をつけるパターン
    (華月、牡丹など)

忍者の呼吸法を学ぼう!

忍者服、忍者名の次は呼吸法です。息を整え、精神を統一する呼吸法は、忍者にとってすごく重要なもの。大人気作品『鬼滅の刃』でも注目されていますよね。

嵩丸: 忍者は走って逃げているときでも、ピタッと止まって隠れなければいけません。下の写真は「うずら隠れ」をしているところですが、小さくなって隠れていても、ハアハア息が上がれば見つかってしまいます。そこで、いかにすぐ呼吸を止められるか、肺の機能を高めておけるかというのが大事になってくるんです!

「うずら隠れ」の様子

そこで忍者の呼吸法の一つ、息長(おきなが)を教えてくれました。

  1. 10秒息を吸う
  2. 10秒息を止める
  3. 10秒息を吐く

嵩丸: 練習するときには、おでこにティッシュを貼り付けましょう。それが揺れないくらいの細い息で呼吸をします。10秒が大変な人は5秒や3秒など短い時間でも大丈夫です。細くゆっくり、一定のペースで呼吸をしてみてください。

忍者の呼吸法の修行

忍者の修行では、その時間をだんだん延ばして行って、最終的にはそれぞれ1分を目指すとか!さすがに1分は大変そうですが、忍者の呼吸法は精神を整える意味合いもあったようなので、忍者になりたい子どもはもちろん、大人にも役立ちそうですね。

投げられるかな?棒手裏剣

棒手裏剣の工作道具

手裏剣術としてよく使われていたといわれているのが、星形の手裏剣ではなく細長い棒手裏剣です。この棒手裏剣は、なんと家にあるお箸とダンボールで練習ができます。くれぐれも周りに気をつけて、家族と一緒にチャレンジしてみてください!

嵩丸: ダンボールを手に入れたら、壁に立てかけるか吊り下げます。それを的にして、少し離れたところからお箸を投げてみましょう。ただ投げるわけではなくて、親指と中指で支えながら、手を振り下ろすように、力を入れず、シュッと投げます。なるべく回転しないで刺さるのがいい刺さり方です!

コツをつかむまでは近くから、慣れてきたら徐々に遠くから投げてみましょう。

棒手裏剣のお箸の持ち方

缶蹴りは忍者の動きそのもの

公園でできる忍者のトレーニングには、どんなものがあるでしょうか?

嵩丸: 実は、一番いいのが缶蹴りです。鬼に見つからないように近づいて、隙をついて缶を蹴る、その行為は忍びそのもの!公園の遊具がどう配置されていて、どんな地形になっているか、どこが隠れやすいかなとか、どう攻めて缶を蹴ろうか考えますよね。

忍者のトレーニング

嵩丸: 相手がどんな性格か、見極めるのも大切です。例えば、鬼になった友達がせっかちな子だとしたら、缶を離れてすぐに探し回りに行く。だから、すぐには攻め込まないでちょっと待っておこう、とか。みなさんもよく知っている遊びが、実は忍者にぴったりの行動だったんです!

たしかに、缶蹴りには忍者に必要ないろんな要素が入っています。みんなで遊ぶだけで、かなりの忍者トレーニングになりそうですね。

勉強は忍者の基本!

勉強は忍者の基本

嵩丸: 忍者になりたかったら、勉強はとにかく頑張りましょう!運動神経が良いだけでは、危険な任務は乗り越えられません。たとえば、忍び込んだ先の状況が予想と違っていたら。機転をきかせて行動しないと死んでしまいますよね。頭で考えて、体を動かす、その両方が大切です。

具体的にどの教科を勉強したら良いということはあるんでしょうか?

嵩丸: 江戸時代、敵の城に侵入した忍者が情報探索をしたのですが「すみません、方言がきつくて何を言っているかわかりませんでした」といった事件が実際にありました(笑)。聞いた情報を理解するには、方言や難しい言葉の勉強が必要なんです。偵察に行けば、堀の長さや深さを計算しないといけません。火薬の調合をするには理科の知識が、今までの歴史から考えたり敵陣の情報を分析するなら社会も大事です。正しい見取り図を書くには美術も欠かせません。そう考えると、学校の勉強はどれも大事な忍者の修行になるんですね。

忍者になりたい子へメッセージ

嵩丸: 今回いろいろとお話ししてきましたが、一番大切なのは「忍者が好きだ」という気持ちを忘れないことです!忍者が好きな子どもはたくさんいますが、みんな中学高校と進むにつれて、だんだんと忍者が好きなことを忘れていってしまいます。忍者が好きだという気持ちは、決して恥ずかしいことではありません。僕をはじめ、忍者を仕事にして活躍している大人がたくさんいます。もしも本気で忍者になりたいと思ったら、忍者が好きな気持ちを大切にして、一生懸命頑張ってください。そして大きくなったら、ぜひ一緒に忍者活動をやりましょう!

保護者の方へメッセージはありますか?

嵩丸: 冒頭でもお話したように、忍者になりたい、忍者を仕事にしたいと思ったとき、以前は忍者ショーに出るのが主な道でした。でも今は、選択肢が増えています。僕のいる三重大学では2017年に「国際忍者研究センター」が設立されて、仕事として忍者の歴史や忍術書を研究している人がいます。漫画やアニメの影響を受けて、海外から忍者について学びたいとやってくる人もいます。動画や文章で忍者の面白さを伝えたり、忍者ゆかりの観光地で案内をしたり。忍術の体験道場で働くというのもいいかもしれませんし、修業をすれば忍術を教える先生として生きていくこともできます。忍者に関わる方法はたくさんあるんです。
もし子どもが「忍者になりたい!」といったときには「フィクションなんだから、いつまでも夢見てないで」と否定せず、どうやったら忍者になれるだろう、忍者にまつわる仕事ができるだろうと、ぜひ一緒に考えてくれたら嬉しいです。

(2020年12月取材)

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