
知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
100年以上の歴史がある、大阪都市部の動物園「天王寺動物園」。園内には約180種1000点の動物が、約11ヘクタールの園内でのんびりと暮らしています。動物が本来育つ生息地の景観をできるだけ再現した生態的展示で、自然の姿が眺められると大人気。地域の人はもちろん、他府県からも多くの人が訪れる同園の見どころを、改めてご紹介します。
新施設の展示・ランチ・お土産の記事はコチラ:
» 天王寺動物園の新施設レポート!ゾウの骨格標本、人気のランチ、お土産など
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは関西エリアにたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ関西エリアにある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“

子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
天王寺動物園で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック!天王寺動物園では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見ていきましょう。




動物の達人 佐々木隆
ささきたかし●遊園地専門家。動物園・水族館も詳しく、分野全般を得意とするライター。「るるぶKids」でも多くの動物記事を執筆している。
■佐々木隆さんコメント
ホッキョクグマ親子の行動を観察したり、鳥の楽園のドーム内で鳥の暮らしにふれたり、動物たちをじっくり観察してみましょう。
電車でのアクセス良好!お手頃料金で子連れに人気

天王寺動物園が開園したのは1915(大正4)年1月1日。広々とした敷地内にキリンやライオンなどを含めて約1000点の動物が暮らすこの規模感は、都心ではかなり珍しく、近隣の人はもちろん多くのファミリーの憩いの場となっています。

大阪の観光地として名高い新世界からすぐの場所にあり、観光のついでに訪れるのにもぴったり。入り口は「新世界ゲート」と「てんしばゲート」の2箇所があり、「てんしばゲート」であればターミナル駅・JR「天王寺駅」からも近く、アクセスしやすいのもうれしいです。
アクセス
- <新世界ゲート>
Osaka Metro「動物園前駅」1号出口より徒歩約5〜10分
Osaka Metro「恵美須町駅」3号出口より徒歩約5〜10分
南海・JR「新今宮駅」通天閣口(東口)より徒歩約10分 - <てんしばゲート>
Osaka Metro「天王寺駅」5番出口より徒歩約5〜10分
JR「天王寺駅」中央出口より徒歩約5〜10分
近鉄南大阪線「大阪阿部野橋駅」7番出口より徒歩約10分
入園料
- 大人 500円
- 小・中学生 200円(大阪市内在住、在学及び大阪市立の学校に在学中の小中学生は無料)
- 未就学児 無料
※大阪市内在住の65歳以上や、身体障害者手帳、精神障害者保険福祉手帳など、各種手帳保有者は無料(要証明書提示)
人気者は、ホッキョクグマの赤ちゃん・ホウちゃん

クマの仲間で最大の大きさを誇るホッキョクグマは、天王寺動物園の目玉のひとつ。北極の雰囲気を模した白い岸壁とプールのある“ホッキョクグマ舎”で悠々自適に暮らしています。

生まれたばかりの赤ちゃん。つぶらな瞳がかわいい
2020年11月にはホッキョクグマのメスの赤ちゃん「ホウちゃん」が誕生しました。母親は「イッちゃん」、父親は「ゴーゴ」(よこはま動物園ズーラシアに貸し出し中)です。

2021年3月の初お披露目時にはまだまだあどけないホウちゃんでしたが、取材時の4月下旬には1頭で遊んだり岸壁を登ったりと、とっても元気。とはいえ甘えたいさかりでもあり、お母さんのイッちゃんのお腹に隠れてひと休みしている姿もなんともかわいいです。

母子ともに健康です!
お披露目されてからあまりに人気で観覧客が押し寄せたため、コロナ禍において公開が一時休止されていましたが、6月22日より再開されました。現在の観覧時間は、9時30分から15時までで、待機列は14時30分に閉鎖となります。ホッキョクグマの体調等によっては、観覧時間の変更・中止もありますので注意しましょう。
ホウちゃんの成長の様子はYouTubeなどでも随時配信されているので、ぜひチェックしてみてください!
■YouTube公式チャンネル:ホウちゃんの再生リスト
餌やりをしながら動物とふれあおう「ふれあい広場」

子どもたちの人気No.1は、ヒツジとヤギに餌やりができる「ふれあい広場」ゾーン。入る前のガチャガチャ「ヒツジ・ヤギのうめえ~おやつ」で餌が購入できます(100円)。

おやつに興味津々のヒツジ
ヒツジやヤギは人間に慣れているので、柵の近くに行くだけで我先にと近寄ってきます。餌を持って差し出せば、うれしそうにぺろり!穏やかなので、小さな子どもでもふれあいやすいのが嬉しいですね。

ユーモラスな表情のミミナガヤギ
こちらのミミナガヤギたちにも餌やりが可能。ヒツジと同様、穏やかな性格なのでご安心を。長くねじれた角と垂れ下がった耳が特徴で、この耳が体温調節の役割も担っているのだそうです。

のんびり休憩中のフタコブラクダ
ほかにも穏やかな動物たちが気ままに暮らすふれあい広場。こちらのフタコブラクダは、コブに脂肪を蓄えているので長時間エサを食べなくてもOK。この日は天気が良かったこともあり、のんびり日向ぼっこを楽しんでいました。

小さいお馬さん、ノマウマ(野間馬)
日本の在来馬のノマウマは、かつては小柄な体を生かしてミカンを収穫するのにひと役買っていたそう。ほかにもこのゾーンではエミューやカイウサギ、テンジクネズミなども近くで見ることができます(餌やりはできません)。
カバのおやつタイムは必見!「アフリカサバンナ」ゾーン

目を見張るほど背の高いキリン。手前がメス
「アフリカサバンナ」ゾーンの人気者といえば、大きなキリンと猛獣の王ライオン。キリンはオスの「幸弥(コウヤ)」とメスの「ハルカス」の2頭がおり、草食動物だけが入れるエリアで悠然と暮らしています。

遠くにはあべのハルカスも! 天王寺動物園ならではの光景
キリンのいるエリアには、ほかにエランド(別名オオカモシカ)というレイヨウの仲間も。都心の象徴ともいえるあべのハルカスのふもとで、動物たちが草を食べたり寝そべったりとくつろいでいる様子が眺められるのは貴重な体験かもしれません。

迫力満点のライオン
大きな顔をこちらに向けるオスライオンは、2009年生まれの「ガオウ」。ふさふさのたてがみが自慢で、馬肉などのやわらかいお肉が大好物。じっと見つめられると思わず目を逸らしてしまう迫力です。

そんなガオウも、時間によってはぐっすりお休み中。狩りをするときのために普段は力を温存していることが多いそうで、座り込んだり体を横たえたりと自然体の姿もよく見られます。

巨体を揺らしてノシノシ歩くカバ
プールの近くにはカバもお目見え。水中観察プールの中で元気に活動する様子も、このように陸に上がってノシノシ歩く様子も、どちらも観察できます。陸に比べて水中のほうが活動的に動いているのにも注目です。
サルやチンパンジーが暮らす「アジアの熱帯雨林」ゾーン

まるで人間みたいな動きをするチンパンジー

高い木の上でひと休み♪
「アジアの熱帯雨林」ゾーンとその周辺には、サルやチンパンジー、マンドリル、アライグマなど、ユーモラスな動きの動物たちが観察できます。
中でも人気なのがチンパンジー。サービス精神旺盛で、人間を見つけると「こっちを見て!」と言っているようにさまざまな行動を見せてくれます。

ド派手なお顔のマンドリル
エキゾチックな顔の模様が特徴的なマンドリル。顔の両側には青い縞模様があり、自然の不思議さを改めて感じます。
レッサーパンダやペンギンなど、まだまだ見たい動物がたくさん

こちらはアフリカサバンナゾーンの近くにいるシセンレッサーパンダ。木登りが得意で、このように木の上で過ごしていることが多いです。

同じくアフリカサバンナゾーンの近くにいるムフロンは、ヒツジの原種といわれる動物。切り立った崖に沿うようにして過ごす姿が見られます。

ふれあい広場ゾーンの近くには色鮮やかなベニイロフラミンゴも。エサである藻類やプランクトンの色素によって、このような鮮やかな紅色をしているのだそう。惚れ惚れするほど優雅な姿です。

フラミンゴの近くには、南アメリカの海岸沿いに生息するフンボルトペンギンがいます。温帯地域で過ごすペンギンなので、真夏でも問題なし! プールで遊んだりみんなで行進したりと、元気に過ごしています。
都心にある動物園として長い歴史を紡いできた天王寺動物園。たくさんの動物を前に、子どもたちも大はしゃぎ間違いなし! ぜひ訪れて珍しい動物をたっぷり観察してみてください。
●新型コロナウイルス感染症予防対策として
スタッフの就業前検温・健康管理チェックの徹底、園内は使用後に都度消毒し、施設内の定期的な消毒作業が行われています。ご利用の際にはマスクの着用、手指の消毒、入園前の検温・体調管理確認に協力しましょう。またチケット売り場の密集回避のため、来園前の事前チケット購入をおすすめします。
天王寺動物園
住所 | 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-108 |
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問合先 | 06-6771-8401(代表) |
営業時間 | 9時30分〜17時(入園は16時まで)、5・9月の土・日曜、祝日は〜18時(入園は17時まで)※土・日曜、祝日は公式サイトより事前予約、チケット購入が必要 |
休園日 | 月曜(祝日の場合は翌平日) |
料金 | 入園大人500円、小・中学生200円、未就学児無料、障がい者手帳所持者・大阪市内在住65歳以上・大阪市内在住在学小中学生(要証明書提示)は無料 |
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『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット関西』

子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全83施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」「学べる工場」を加えた9テーマに分けて紹介しています。監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録しています。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。