2022年3月、神戸・東遊園地(ひがしゆうえんち)の南エリアにオープンした「こども本の森 神戸」(以下、本の森)。自然豊かな公園内で迎えてくれるスタイリッシュな建物は、建築家・安藤忠雄氏のデザイン・寄贈によって誕生しました。「本をひらくと世界がひらく」のコンセプトのもと、2フロア分の壁一面が本棚という大胆なつくりで、その蔵書数は約1万8000冊と圧巻です。赤ちゃんが楽しめる絵本から大人向けの本まで、15のジャンルで迎えてくれる本の森にぜひ親子で出かけてみませんか?
入館無料!子どもの好奇心をくすぐる、本の森
コンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな外観が目印
1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災。本の森がある東遊園地には、慰霊と復興のモニュメントが設置されるとともに、毎年同日には、「阪神淡路大震災1.17のつどい」が開催されています。
震災で壊滅的な被害を受けながらも、人々のがんばりによって復興を成しとげた神戸。「美しい神戸のまちに、自由に活字文化にふれることのできる、子どものための図書館をつくろう」と、国内外で様々な建物を手がけてきた建築家・安藤忠雄氏の寄贈により誕生した文化施設が「こども本の森 神戸」です。
子どもたちが命の大切さを学び、豊かな感性と想像力を育む場へ。そんなコンセプトに基づき、館内は赤ちゃんから大人まで、親子連れも気がねなく過ごせる工夫が散りばめられています。
事前予約制、アクセスは公共交通機関で
混雑を避けるため、入館は事前予約・時間入れ替え制となっています。公式サイトの予約システムで空き状況の確認と申し込みができます(※当面のあいだ、各回定員120名・90分完全入れ替え制)。
本の森には駐車場がないため、公共交通機関または自転車(専用駐輪場あり)でのアクセスがおすすめです。車の場合は神戸市営三宮駐車場(有料)など、最寄りの駐車場を利用しましょう。
【電車】
各線の駅からフラワーロードを南へ歩きます。
JR三ノ宮駅西口から徒歩13分。または阪急神戸三宮駅東口から徒歩13分、阪神神戸三宮駅西口から徒歩13分、神戸市営地下鉄三宮駅東出口4から徒歩13分、神戸市営地下鉄三宮花時計前駅4番出口から徒歩6分。
※地下通路を使用する場合は【C8】が最寄り出口です
【バス】
三宮駅前から連節バス Port Loop(ポートループ)で1分、バス停:市役所・東遊園地前下車すぐ
阪神神戸三宮から阪神バス 西宮神戸線で8分、バス停:神戸税関前から徒歩4分
壁いっぱいの本や大階段にワクワク
壁全面が本棚で囲まれた、好奇心をくすぐる吹き抜けの空間
館内に入ると、まず驚くのは壁一面に並べられた本の多さ!2フロアの壁面全部が本棚になっていて、子どもたちが大好きな絵本や児童書を中心に、多彩な書籍が迎えてくれるのです。
2020年7月にオープンした「こども本の森 中之島」と同様、館内中央に設けられたシンボリックな木の大階段。プロのアナウンサーによる読み聞かせや室内管弦楽団のコンサートなど、多彩なイベントのステージとして親しまれています。
子どもたちに大人気!木の温もりが感じられる、ゆるやかな大階段
もちろん、こちらに座っての読書も大歓迎!ゆったりとしたスペースを生かし、今後も趣向を凝らしたイベントの展開が楽しみですね。
15のテーマで展示!新しい発見を楽しんで
受付を済ませたら、ワクワクしながら出発です
神戸のまちや震災に関する本をはじめ、絵本、児童文学、図鑑やアートブック、海外の本など。館内におさめられた約1万8000冊の蔵書は、独自の15テーマに分けて並べられています。本の貸し出しはおこなっていませんが、赤ちゃんから大人まで、思い思いの時間を過ごすことができます。
まずは、「①しぜんの森」からスタートです!
「しぜんの森」から始まり、「いきものの森」、「いのちの森」、「こうべの森」など。1階は自然や根源的なものをテーマにした本を中心に、階段を上がるとアートや子育てに関するもの、海外の絵本などが並びます。
フロアごとに違ったコンセプトで展開し、すべて表紙が見える展示「面出し」で統一。表情豊かな表紙を眺めているだけで、なんだかワクワクしますね。
男の子に人気の「②いきものの森」
館内の本棚は免振の配慮がなされ、下から6段目より上にある本はしっかりと固定されています。同じ本が一番下の段にまとめて置いてあるので、自由に手にとることができますよ(絶版などの理由でご用意のない本もございます)。
カラフルな表紙が並ぶ「⑧げいじゅつの森」(2階)。棚の間からのぞく東遊園のグリーンに癒やされます
館内のあちらこちらで、読み聞かせをする親子連れの姿。お目当ての一冊に出会えたら、ぜひお気に入りの席でどうぞ
「⑨うみのむこうの森」(2階)には、「うみのむこうから届いた絵本」「世界と出会う」といったコンセプトで、世界の多様さを映す本が楽しげに迎えてくれます。
人気絵本の英訳や中国語訳のレアな一冊にも出会えるかも!?
安藤忠雄氏設計!遊び心いっぱいの館内で探検気分
館内でひときわ目を引く大きな青いりんごは、米国の詩人サムエル・ウルマンの「青春」をモチーフにつくられたものです。
「青春とは、年齢でなく心の持ちようだ」というメッセージに共感して安藤忠雄さん自らがデザインしたオブジェです。大階段の前で、訪れる人々をそっと見守ってくれているようですね。
あたたかみのある木のスツールは、六甲山など地元産の木材資源を使って一つずつつくられたもの。
ユニークな円筒形の休憩室は館内でも安藤忠雄さん一番のお気に入りスペースだそう。見上げれば、天窓からおりてくるやわらかな光。雨の日は幻想的な雰囲気に包まれます。まるで教会のような静けさが感じられるお部屋です。
イスの背面に本(聖書)が収納できるボックスが付属した、教会にあるイス「チャーチチェア」が4脚。それぞれ、静かな空間でこどもたちに読んでもらいたい本が収納されています。本は週ごとに変わるので、どうぞお楽しみに。
コンクリート打ちっぱなしの休憩室を外から見るとこんな感じ!
赤ちゃん歓迎!安心して過ごせる充実の設備
大階段の奥、1階の隠れ家風スペースは「あかちゃんの森」。まるで秘密基地のような小さな空間に、遊び心が詰まっています!
ズラリと並ぶ引き出しを開けてみると……
きょうだいで仲よく、絵本に夢中!
一人二人と、次々に親子連れが集まってきました!
館内はベビーカーでも気がねなく過ごせるよう、ゆったりとしたバリアフリー設計。入り口にはベビーカーパーキングも完備していますので、ご安心を。
授乳室・調乳室(2階)
2階には授乳室があり、おむつ替え台も完備しています。赤ちゃんの授乳や調乳、おむつ交換など、安心して利用できます。他ベビーシートは1階多目的トイレ、1階男子トイレに設置。
補助便座で、小さな子どもたちもラクラク!こども用トイレ(男の子用)は、1階男子トイレ内にありますよ。
ちょっぴり気になる衛生面は、1階にある書籍除菌機で解決です。本を入れてスイッチを押すと、30秒で除菌完了!誰でも自由に使えます。
館内で読んだ本はもとの棚に戻すか、返却用のラックへ。気になった本はどんどん手にとって読んでみましょう!
天気のよい日は東遊園地とウッドデッキで読書も
大きな窓越しに見える、自然の風景にホッとひと息。自然豊かな東遊園地の中に立つ本の森は、四季折々の風景が楽しめることも魅力のひとつです。
神戸のシンボル「花時計」の前で、ぜひ記念撮影を
園内でオシャレな本のオブジェを発見!
目の前に広がるのは、開放感たっぷりのウッドデッキ!天気の良い日はこちらのデッキと東遊園地内に限り、外での読書もOKです。
開放感あふれるウッドデッキは、ボクだけの特等席!
「天気がいいから外で読みたいな」そんな時は、借りたい本を持って入り口カウンターのスタッフに気軽に声をかけましょう(※一人につき一冊まで/雨天時は本の持ち出しはできません)。
かわいい「再入館カード」は、15のテーマごとのピクトグラムが描かれています
お土産におすすめのオリジナルグッズも多数
左から、オリジナルトートバッグ(500円)、クリアファイル(300円)
入り口の右手にある「ライブラリーショップ」では、ここでしか買えないオリジナルグッズがそろいます。青リンゴがデザインされたオシャレなオリジナルトートバッグをはじめ、クリアファイル、六甲山の間伐材を使用した天然木鉛筆など。完全オリジナルで、来館の記念はもちろん、ちょっとしたプレゼントにと大好評です。
神戸ゆかりの絵本作家など、12名の方による「こども本の森 神戸」をイメージしたオリジナルポストカード(100円/1枚)
安藤忠雄氏のサイン入り著書『いたずらのすきなけんちくか』も数量限定で販売中です(1780円)。
本の場所がわからなければ、近くのスタッフに気軽にたずねてみて
近隣はもちろん、遠方からのリピーターも多い「こども本の森 神戸」。壁いっぱいに並べられた多彩な本と趣向を凝らした空間は子どもの感性を大切にしながら、大人も一緒に好奇心が満たされるはず。目の前に広がる東遊園地の豊かな自然も満喫しながら、森の中を探検するように親子で“自分だけの一冊”を見つけてくださいね。
●新型コロナウイルス感染拡大防止のため、および混雑が予想されるため、当面のあいだ入館は事前予約・時間入れ替え制とさせていただきます(各回定員120名・90分完全入れ替え制/詳しくは公式サイトをご確認ください)。
こども本の森 神戸
住所 | 兵庫県神戸市中央区加納町6丁目1-1 |
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電話 | 078-325-1125 |
開館時間 | 9時30分~17時 |
休館日 | 月曜(祝日の場合は開館、翌平日は休館) |
入館料 | 無料 ※入館にはwebによる事前予約が必要です |
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