自由研究や宿題にも!公園やキャンプ場など夏休みのおでかけ先で楽しむ「ネイチャーゲーム」

自由研究や宿題にも!公園やキャンプ場など夏休みのおでかけ先で楽しむ「ネイチャーゲーム」

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そろそろ夏休み。夏休みといえば、宿題や自由研究がいつも悩みのタネ…という家庭も多いのでは。自然遊びをするなかで、「なぜ?」や「おもしろい!」を発見したり、素敵な記録や作品を作れたりできたらいいと思いませんか? 

近所の公園やキャンプ場、森・川・海など、おでかけ先で気軽にできる「ネイチャーゲーム」と、宿題や自由研究につながるアイデアを元小学校校長であるネイチャーゲーム指導員・井上満さんに教えてもらいました!

ネイチャーゲームトレーナー 井上満さんネイチャーゲームトレーナー 井上満さん
教員歴37年、元公立小学校校長の経験を生かし、現在はネイチャーゲーム指導員を養成する講座の講師や、幼稚園や学童でのネイチャーゲーム活動を行なう。自身の畑「イノッチファーム」で“畑の自然案内人”として、仲間とネイチャーゲームやシェアリングネイチャーライフを実践する。プライベートでも幼稚園、小学生の孫と一緒にネイチャーゲームを楽しむおじいちゃん。

目次(index)

自然に関する知識がなくてもOK!ネイチャーゲームとは?

ネイチャーゲームは、自然に関する知識は必要なく、「見る」「聞く」「触れる」「嗅ぐ」といった感覚を使って、だれもが楽しむことのできる自然体験プログラム。勝ち負けや競争もなく、いろいろなゲームを通して自然の美しさや不思議さを体感でき、自然や環境への興味・関心、思いやりが育まれます。

「ネイチャーゲームを通して親子で交わしたやりとりや感じたことは、いつまでも子どもの心に残るものです」と井上さん。

自然を学ばせようと意識するよりも、まずは子どもと一緒に楽しもう!という気持ちがいちばん。体全体で自然を楽しんだ先に、「知りたい!」という意欲がめばえ、宿題や自由研究につながったらいいですね。

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近所の「公園」で気軽にできるネイチャーゲーム

遠くにおでかけしなくても、自然の不思議やおもしろさを発見することができちゃうんです。思い立ったらすぐできるネイチャーゲームをご紹介!

自然界にある形や模様に気づく「フィールドパターン」

フィールドパターン
フィールドパターン

あらかじめ形や模様を決めて、草花、石、実など自然の中から似ているものを探すゲームです。

フィールドパターンのやり方

  1. 丸や四角、楕円、ハート、ギザギザ、波模様など、探したい模様を決めてカードに書く。
  2. その模様を自然の中から探す。自分でカードを手作りしても、特にカードがなくてもOK。

形や模様をじっくり見るので、観察力が養われます。発見したときの「やった!見つけた!」という喜びだけでなく、「こんな形があるんだ!」という驚きも味わえるはず。

「フィールドパターン」で自由研究をしてみよう!

アイデア①:形や模様と見つけたものをノートに記録する

ノートや画用紙に模様を描き、それに似た自然物の名前や絵を描いたり、写真に撮って貼ったりして記録すれば、立派な夏休みの宿題に。名前がわからないときは、図鑑で調べてみるとさらに学びがアップ!

アイデア②:ハート形のカタバミの葉で色水実験

葉っぱがハートの形をしたカタバミは、比較的どこでも見かける草。このカタバミの葉っぱでもちょっとした実験ができちゃうんです!

「ナスの皮や紫の朝顔の花びらと水をビニールに入れて、ペットボトルキャップ1~2杯分の水で色水を作り、カタバミの葉を加えて揉むと色が変わるんです。これは、高学年の理科で勉強する『水溶液の性質』に関係しています。どんな色に変わって、なぜ変わるのかを調べてまとめるのも自由研究にいいですね」(井上さん)

色、感触、におい、音…どんな自然に出合えるかな?「フィールドビンゴ」

フィールドビンゴ
フィールドビンゴ

ビンゴのマスに、近くの公園で自然に関する発見できそうなもの、あったらいいなと思うものを書いて、それを探すというゲーム。

フィールドビンゴのやり方

  1. 画用紙やノートに3×3、4×4のマス目を書いて、ビンゴを作る。
  2. マスに自然のなかで発見できそうなもの、あったらいいなと思うものを書く。「つるつるしたもの(触覚)」「緑色のもの(視覚)」「いいにおいのするもの(嗅覚)」「虫の声(聴覚)」など感覚にからめたものを織り交ぜると楽しさ倍増!キーワードはそれぞれで考えても、みんなで一緒に考えてもOK。
  3. ワードにあてはまるものを見つけたら丸をつけて、縦、横、ナナメが揃ったらビンゴ!いっぱい丸をつけて、コンプリートを目指そう!

ひとりで探すよりも複数人で一緒に探すと、それぞれの感覚の違いが分かってより楽しいですよ。ひとり一人の感じ方の違いに気づくのも大事な要素。「これもつるつるしてるよ!」「こんな緑色のものもあったよ」と、探しながら報告し合うのも楽しいですね。見つけたものを写真に撮ったり、見せ合いっこしたりしましょう。

「フィールドビンゴ」で自由研究をしてみよう!

アイデア①:ビンゴで見つけたもの、見つからなかったものを記録する

同じ場所、同じビンゴで3日間、1週間と探して見つけたものを記録してみましょう。時間帯や天気によって見つかるものが違うという発見があるかもしれません。

「朝は見つかったのに、昼にないのはなぜだろう?と自然の変化について考えるきっかけになります。おでかけ先で同じビンゴを楽しむのもおすすめ。近所の公園にはあるけど、旅行先の高原にはなかった、別のこんなものがあったなど、場所による自然の違いに気づくこともできます」(井上さん)

自然アートの宝庫!「森」のネイチャーゲーム

自然はさまざまな表情があり、見る人によって見え方、感じ方もいろいろ。大きな木や草花にたくさん出合える森で、正解のない、ありのままの感性を大切にするゲームを楽しんでみましょう。

お気に入りの自然を一枚の絵画に「森の美術館」

森の中でお気に入りの自然、風景を見つけ、フレームの中におさめて楽しむゲームです。

森の美術館のやり方

  1. 画用紙や厚紙でフレームを作る。落ちている枝や長い草を使ってフレームを作ってもOK。
  2. 森の中の自然や風景をフレームにおさめて鑑賞する。

フレームで切り取った自然は、まるで一枚の絵画のよう。親子で見せ合いっこしてみましょう。

「枠の形も四角にこだわらず、木の枝を3本使って三角、ツルをくるっと結んで丸にするなど、なんでもいいんです。さらに、自分なりのタイトルをつけると楽しいですね。子どもの発想力に大人が驚かされます」(井上さん)

「森の美術館」で自由研究をしてみよう!

アイデア①:写真にとって作品にする

フレームごと写真におさめてプリントアウトし、タイトルを書き加えれば、そのまま作品になります。

宿題の作品に!井上さん考案ゲーム「森の色いろ動物園」

井上さん考案ゲーム「森の色いろ動物園」
井上さん考案ゲーム「森の色いろ動物園」

「白い画用紙に落ちている草花をこすってみると、いろいろな色が出てきます。好きなようにこすって、ふちどりをしたり、目を描いたりすると、なんとも不思議な生き物が出現!絵が苦手な私も芸術家になれちゃいます」(井上さん)

森でゲームをするときに気をつけたいことは?

森の中では思いがけないケガをすることも。小さなケガは誰でもあるものですが、備えておくことが大切です。

  • 薄い長袖、長ズボンを着て、できれば長靴をはく
    刺されたり噛まれたりすると危険な虫や、触れるとかぶれる植物なども。予防のため長袖を着ましょう。
  • 帽子をかぶる
    落下物があることも。熱中症対策にもなります。
  • 水分をこまめにとる
    子どもは夢中になると水分をとるのを忘れてしまうもの。森の中は涼しいといっても、水分補給はしっかりと。

「川・海・湖」のネイチャーゲームで自然の不思議を発見

川や海、湖の自然の姿は、公園や森とはまた違うもの。植物、生き物、落ちているものなど、その違いに気づいたり、楽しめたりするゲームを紹介します。

「フィールドビンゴ」は川、海でも楽しめる!

公園でできるネイチャーゲームとして紹介した「フィールドビンゴ」は、どこでも楽しめることも大きな魅力。

「川だったら、白い石、つるつるした石…など石に特化したビンゴが作れます。海だったら貝殻でもできますね」(井上さん)

石の形、特徴に気付く「ジグソーストーン」

石の形、特徴に気付く「ジグソーストーン」

自然の石をピース代わりに、あらかじめ決めた型にはめこむパズルゲーム。

ジグソーストーンのやり方

  1. 紙にハートや丸、魚などの線を書く。
  2. その形に合うような石を探してはめていく。

「時間がかかりますが、とても楽しいゲームです。たとえば、家族で2チームに分かれてやってみてもいいですね。ゲームのなかで石の形や色、特徴に気付き、そこから発展して、お母さんが好きな宝石について調べてみるなど、興味を伸ばしていくこともできます」(井上さん)

水辺、海でゲームをするときに気をつけたいことは?

川や海は急に深さが変わったり、流れが早くなったりする場所があります。大きな事故につながらないよう、準備をしましょう。

  • 深さがひざまであるような場所ではライフジャケットを着用
  • 露出のない、靴をはく
    はだしで川を歩くのは危険です。また、サンダルでは脱げてしまう恐れがあり、それを追いかけて流される可能性もあるため、水にぬれてもいい靴をはきましょう。
  • 小まめに水分をとる
    水辺でも熱中症対策は必要です。

命の多様性を知り、「SDGs」を理解するきっかけにも

「SDGs」を理解するきっかけにも

SDGsロゴ最近は小学校でも「SDGs」について学ぶようになりました。ネイチャーゲームは、親子で「SDGs」の理解を深めるきっかけにもなります。

“豊かな自然”とは、どんな自然だと思いますか?森にさまざまな植物が生え、実を食べにくる鳥や生き物がいて、森の土からしみ出した水が川になり魚が棲む。そんな多様な命があふれてこそ豊かな自然だと、井上さんは言います。

「「SDGs」は『地球上の誰一人取り残さない』という理念をかかげています。誰一人とは人間のことだけではありません。ほかの生き物の命をいただかないと人間は生きていけないわけですから、地球上のあらゆる生き物がバランスを保ちながら生き残れるようにして、豊かな自然にしないといけません。自然に触れることは、多様な命に触れるということ。ネイチャーゲームからさまざまな命に思いをめぐらせ、自分にどんなことができるかを考えることで「SDGs」の理解も深まると思います」(井上さん)

≫「るるぶKids」の“親子で楽しくできる”「SDGs」とは?

ネイチャーゲームのイベントに参加してみよう!

記事で紹介した以外にも、楽しく自然体験ができるネイチャーゲームはたくさん!親子でのネイチャーゲームに慣れてきたら、大人数で楽しめるイベントに参加してみるのもおすすめ。日本全国で、さまざまなネイチャーゲームイベントが開催されているので、週末や夏休みにぜひ参加してみては?

≫ 日本全国のネイチャーゲームイベント情報はこちら