広島県の特産品おもしろ雑学|ソースが戦争からの復興を支えた!?

広島県の特産品「ソース」

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47都道府県それぞれの代表的な「特産品」をクローズアップ。【知る】【つくる】【学ぶ】の3つの視点から、特産品と各都道府県の関係をひも解きます。各地の歴史や風土だけでなく、意外な理由で生まれた特産品は、知れば知るほどおもしろい!

広島県で紹介するのは「ソース」。ソースにまつわる豆知識や、「広島の味」と称されるほどの認知度を誇る「お好みソース」の開発秘話を紹介します。

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目次(index)

【知る】消費量日本一!お好みソースは県民のマスト調味料

人口あたりのお好み焼き・焼きそば・たこ焼きの店舗数が全国1位の広島県。なかでも広島市は、1世帯あたりのソース購入金額・数量も全国1位という筋金入りです。そんな粉もん文化とソースは切っても切れない関係にあるのです。

ウスターから伝来!?ソースはいつから日本にあるの?

広島県の特産品「ソース」

ソースは食塩を使って作られた液体調味料の総称で、英語もフランス語もドイツ語も同じスペルの「sauce」を使用します。語源はラテン語の「SAL」。「塩の供給」という意味が込められているのだとか。

野菜や果物にスパイスや酢をたっぷり使った、身近な調味料として今やなくてはならない存在のソースですが、その歴史は19世紀中ごろに、イギリスのウスター市でウスターソースが誕生したことに始まります。

ウスターソースが日本に初めて伝来したのは江戸時代末期。その後、明治18年(1885)に千葉県のヤマサ醤油と兵庫県の阪神ソースが、ソースの販売を開始したといわれています。

どうして広島のソースが有名になったの?

日本で定着したウスターソースも現在では種類が細分化され、家庭でも好みや料理に合わせて複数のソースを使い分けています。

なかでも広島県の佐々木商店(現オタフクソース)が開発した「お好みソース」は、お好み焼きにウスターソースを塗ると流れ落ちてしまうというお好み焼き店店主の悩みから、あんかけ料理のとろみがヒントに。2年にもわたって試行錯誤を重ね、昭和27年(1952)にお好み焼用ソース(のちの「お好みソース」)を発売しました。

戦後直後のものがない時代では、お好み焼きは空腹をしのぐための食べ物でした。その後、屋台から店舗へと提供形態を変え、戦後の広島の復興とともにお好み焼きの知名度は全国区となりました。

その躍進とともに広まっていったのが、広島のお好みソース。お好み焼きに合うとろみや、ウスターソースにはないまろやかな味が認められ、今や数あるソースの中でも絶大なる存在感を放っています。

ソースの種類、どこまで知ってる?

広島県の特産品「ソース」

タマネギやトマトなどの野菜、リンゴなどの果物に、スパイス、酢、塩、砂糖などを加えて作られるソース。日本農林規格(JAS)において、濃度や味付けなどの違いにより、大きくウスターソース、中濃ソース、濃厚ソースの3種類に分けられています。

さらさらで辛口のウスターソースは、料理の下ごしらえや味付けに使われます。ウスターソースと濃厚ソースの中間程度のとろみがある中濃ソースは、フライにかけるだけでなく、隠し味としても重宝します。お好みソースやとんかつソースが属する濃厚ソースは粘度があり、果物や野菜などを多く使うことで甘みを強くしているのが特徴です。

日本中で親しまれているソースですが、地域によって味わいの傾向が異なり、関東は甘みが強く、関西では酸味の強い味が多いといわれています。

広島風お好み焼きの特徴って?関西風との違いは?

ひと口にお好み焼きといっても、大きく「広島風」と「関西風」の2種類があり、それぞれ異なった特徴があります。

広島風のお好み焼きは、生地を鉄板の上に薄く広げ、キャベツなどたくさんの具材を積み上げ、ひっくり返す「重ね焼き」スタイルがメイン。具材に麺が入るのも大きな特徴です。

一方、関西風のお好み焼きは、生地と具材を最初にすべて混ぜる「混ぜ焼き」スタイルがメイン。ヤマイモなどを生地に混ぜてふんわりさせ、表面をサクッと仕上げるのが特徴で、地域を限らず広く愛されています。

ちなみに、お好み焼きにマヨネーズをかけるのはもともと関西風のスタイル。広島風ではマヨネーズをかけない食べ方が一般的です。

【つくる】ソースを使ったおいしいレシピ

まろやかさとコク深い味わいが特徴のソース。独特のとろみと、野菜や果物のうま味や甘みが引き立つ万能の合わせ調味料として、どんな料理とも相性抜群です。お好み焼きだけでなく、料理の隠し味としても活用してみましょう。

フライパンでお好み焼きを作ろう!

フライパンで関西風お好み焼きを作ろう

広島風とくらべて、家で簡単に作れる関西風お好み焼きに親子でトライしてみましょう! 柔らかくふんわりと仕上げるコツは、材料と生地を混ぜすぎないこと。焼く際はホットプレートもおすすめです。

簡単レシピを紹介

  • ボウルにヤマイモをすりおろし、さらにお好み焼の粉を加えて混ぜて生地を作ります。
  • 千切りのキャベツ(幅3cm程度)、天かす、ネギの中に、生地と卵1個を割り入れます。スプーンで空気を含ませるようにまんべんなく混ぜましょう。
  • 中火に熱したフライパンに生地を流し込み、焼きます。
  • 生地に焼色がついたら、豚バラ肉をのせてひっくり返し、フタをして蒸し焼きにします。
  • しっかりと火が通ったら、さらにひっくり返して焼きます。
  • お好みソースを塗り、青のりをかけてできあがり。

ソース×味噌の掛け合わせでご飯が進む「しょうが焼き」

ソースは他の調味料と混ぜるとおいしいって知っていましたか? 味噌1:中濃ソース2の黄金比率で作る万能ソースが味の決め手。ハチミツ特有の上品な甘みと、おろしショウガの辛みが引き立つ、すっきりとした甘辛味です。しょうが焼き用の厚めの豚肉でも、薄切り肉でも、どちらの肉でもおいしく作れます!

簡単レシピを紹介

  • キャベツをせん切りにして、豚肉におろしショウガ、中濃ソース、味噌、ハチミツを揉み込みます。
  • フライパンに油を熱し、中火で豚肉を焼きます。
  • 器にキャベツと焼いた豚肉を盛り付けたら、できあがり。

【学ぶ】ソースについて学べるスポット

数多くのお好み焼き店が軒を連ねる広島市内には、実際に作れてお好み焼きの歴史を学べる施設があります。お好み焼きのすべてを学べる、日本を代表するソースメーカー「オタフクソース」の広島本社とその近隣施設をご紹介します。

Wood Egg お好み焼館(広島県/広島市)

Wood Egg お好み焼館(広島県/広島市)

「Wood Egg お好み焼館」は、お好み焼きを「見て、学んで、体験できる」複合施設です。ソースのボトル詰めから出荷までの工程が見られる「オタフクソース広島本社」の工場見学や、お好み焼きの歴史や文化が学べる「おこのミュージアム」のほかに、お好み焼き教室(予約制)も開催しています。

体験見学コースでは、「工場・おこのミュージアム見学」「お好み焼教室(本格鉄板)」「お好み焼教室(ホットプレート)」の3つのコースを楽しめます。オリジナルグッズやおみやげを販売する別館ショールームや、トリックアートの撮影ブースなど、施設内に点在するさまざまなお楽しみスポットも魅力です。

住所 広島県広島市西区商工センター7-4-5
問合先 082-277-7116
営業時間 9~17時(お好み焼き体験、工場・おこのミュージアム見学は要予約)
定休日 土・日曜、祝日、10月1日 ※休館日の詳細は要問い合わせ
料金 入館無料。広島お好み焼き教室は、ホットプレート1人1100円、本格鉄板1人1980円
※ホットプレートは小学生以上、本格鉄板は小学5年生以上が対象。保護者同伴であれば対象年齢以外でも体験できる場合あり
アクセス 公共交通:広島電鉄井口電停から徒歩10分
車:広島高速3号線商工センター出入口から5分 3km
駐車場 あり/7台/無料(予約制)
URL

https://www.otafuku.co.jp/laboratory/woodegg/

【SDGs】広島県のソースを自由に食べたり守ったりするために

SDGsアイコン17種

広島県のソースは、環境に負荷をかけず生態系と調和しながら生産が行われています。この先も、ソースを変わらず自由に使ったり、守ったりするためにはどのようなSDGsを意識すればよいか、親子で話し合ったり、考えてみるといいですね。

広島県の子ども向けSDGsの取り組み

3:すべての人に健康と福祉を/SDGsの目標4:質の高い教育をみんなに/SDGsの目標8:働きがいも 経済成長も/SDGsの目標11:住み続けられるまちづくりを/SDGsの目標12:つくる責任 つかう責任/SDGsの目標17:パートナーシップで目標を達成しよう/SDGsの目標

» 特定非営利活動法人キッズNPO 〈ひろぎん〉SDGs取組支援サービス