
全国の小学校で行われている「新体力テスト」。子どもが結果を持って帰ってきたけど、A~E評価の部分しか見れていない…という保護者の方も多いのではないでしょうか。実は新体力テストの結果には、今まで気づかなかった子どもの長所や向いているスポーツなど、可能性がたくさん秘められているんです!今回は、新体力テストの結果や点数の見方をくわしく解説。子どものタイプ別おすすめスポーツもご紹介します!
新体力テストとは?

画像:PIXTA
新体力テストとは、元気に生活するための体力や運動能力を調査するために、文部科学省が定めた体力テストのこと。スポーツ庁の報告によると、全国の8割以上の小学校の全学年で実施されています。
実施時期はいつ?
多くの小学校では、年度始めの5~6月に行われます。入学や進級後まもなくのタイミングや5月の連休明けに実施されることが多く、慣れない環境でのテストに苦手意識を持っている子も多いかもしれません。
しかし、この時期に行う理由は、「子どもの体力の状況や運動能力のバランスを知り、運動習慣や能力向上の学校指導に役立てるため」。また、5月に運動会をやる学校の場合はリレーの選抜を兼ねていたり、梅雨入り前に全種目のテストを終わられるためだったり、といった理由もみられます。
種目は全部で8種目!
6~11歳(小1~小6)のテスト項目は下記の8種目です。
- 握力
- 上体起こし
- 長座体前屈
- 反復横とび
- 20mシャトルラン(往復持久走)
- 50m走
- 立ち幅とび
- ソフトボール投げ
各種目の内容とやり方はこちらをチェック!イラストでわかりやすく紹介しているので、子どもたちも安心してテストに臨めますよ。
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新体力テストの結果の見方は?

左は小学5年生、右は小学1年生の結果表
評価はA~Eの5段階!
8種目の測定結果は、9~10月頃に評価表が子ども本人・保護者に手渡されます。文部科学省が定めている「項目別得点表」に沿って、1~10点の得点が加算されます。そして、総合得点が高い順にA〜Eの5段階評価がつけられます。

出典:文部科学省 新体力テスト 項目別得点表・総合評価基準法
結果の見るべきポイント

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実施から数カ月たっていることもあり、子ども自身もテストのことなど忘れているケースも。ついA~Eの5段階評価のみを見て満足してしまいがちですが、新体力テストの結果には、今まで気づかなかった子どもの長所や向いているスポーツなど、可能性がたくさん詰まっています。
どうしても「D~E評価=運動・スポーツが苦手である」という印象を持ってしまいがちですが、先述した通り、新体力テストの目的は「子どもの体力や運動能力の状況を知るため」のもの。子どもの長所を理解し、体格や体力に合ったスポーツの存在に気づいたり、興味・関心を持つきっかけにすることが大切です。
親子で「どの種目が楽しかった?」「どの種目が得意だった?」などと、評価表を見ながら会話をするだけでも、新しい発見があるはずですよ。
チャートで診断!向いている競技は?
新体力テストの各種目の得点をみながら、下にあるチャート表を使って親子で診断してみましょう!気が付かなかった長所や伸びしろのある力が見えてくるはず。ぜひ習い事や新しい挑戦に役立ててみてはいかがでしょうか。

※50m走と20mシャトルランの得点が同じ場合は、「得意・好き」と感じた方を選んでください。
Aのあなたはアゲハチョウタイプ!
空を自由自在に飛ぶアゲハチョウは、前後左右に素早く動く能力は誰にも負けません! 捕まえようとしても一瞬の動き出しで移動することができます。それは胸にある発達した筋肉で羽を力強く動かしているためです。
<向いているスポーツ>
- ラクロス
- ホッケー
- テニス
- ドッヂボール
Bのあなたはカマキリタイプ!
聴覚に優れているだけでなく、視野が広いカマキリは自分と獲物の位置を正確に把握できる空間認識能力を持っています。そのため、相手やボールなどの位置を瞬時に理解できるスポーツが得意と言えるでしょう。
<向いているスポーツ>
- 卓球
- フェンシング
- 空手
- 剣道/なぎなた
Cのあなたはクワガタタイプ!
大きなアゴで相手を力強くはさみ込むパワーを持っているだけではなく、縄張り意識が高いので、ディフェンスにも強い力を発揮します。力強さや、攻守が入れ替わるスポーツが向いていると言えるでしょう。
<向いているスポーツ>
- 水球
- 野球/ソフトボール
- 陸上競技(投擲)
- バレーボール
Dのあなたはカブトムシタイプ!
どっしりと木につかまりながら角で相手を力強く投げ飛ばすことができるのは、角の付け根と脚の付け根に大きな筋肉があるからです。カラダをしっかりと安定させながら爆発的な力を発揮するスポーツは任せて!
<向いているスポーツ>
- アーチェリー/弓道
- スキー/スノーボード
- 陸上競技(短距離)
- 体操競技/新体操/トランポリン
Eのあなたはオニヤンマタイプ!
オニヤンマのように飛びながら宙返りをしたり、後ろ向きに跳んだり、ホバリングもできるなど高い飛行テクニックを持ち合わせています。自由自在に動き回りながら、素早く相手やモノに近づく能力に優れています。
<向いているスポーツ>
- サッカー
- バスケットボール
- ハンドボール
- バドミントン
Fのあなたはオオスズメバチタイプ!
1日の総飛行距離が平均で100kmを超えると言われているオオスズメバチのように、無尽蔵の体力で動き続けられる持久力があります。それだけではなく、相手めがけてものすごいスピードで一直線に移動できる爆発力も備えています!
<向いているスポーツ>
- 柔道
- ダンス
- レスリング
- ラグビー
Gのあなたはクロオオアリタイプ!
クロオオアリのように、活動的で長い時間動き続けることができます。また、食べ物を器用に巣まで運搬するように、ボールなどを運んだり、モノを操ったりする能力に秀でているはず!また、垂直の壁をすいすい登ることも得意です。
<向いているスポーツ>
- BMX
- フィギュアスケート
- ゴルフ
- スポーツクライミング
Hのあなたはオケラタイプ!
常に土の中を移動しているオケラのように運動量が豊富で持久力に優れています。水上や空中でも移動ができるため、どんな環境でも動けるオールラウンダーです。土の中をかき分けて掘り進む剛腕も持ち合わせています!
<向いているスポーツ>
- 陸上(中長距離/障害走)
- 競泳
- スピードスケート/ショートトラック
- カヌー/ボート
さて、お子さんは何タイプになったでしょうか。「予想通り!」ということもあれば「意外だった!」という方もいるかもしれません。今回のタイプ結果は、あくまで今時点での体力評価をもとに、大きく8タイプに分類したもの。さらに詳細に分類すると、昆虫タイプは全部で24タイプにも分かれます。今回の診断は、子どもの可能性を見出す一つの手段としてぜひ参考にしてみてくださいね。
もちろん、毎年の子どもの成長過程や新体力テストの結果で、昆虫タイプも大きく変わります。新体力テストは「子どもの体力や運動能力の状況を知るため」にほとんどの学校で毎年行われます。定期的に親子で結果を見直し、会話を通して去年との変化や新しいスポーツの可能性を見つけるために役立ててみてはいかがでしょうか。