1月に入って旬を迎えている“イチゴ狩り”。
ジュワッと甘酸っぱい果汁があふれるおいしさがたまらないと、大人にも子どもにも大人気です。
そこで、「イチゴ狩りに最適な時期と時間は?」、「おいしいイチゴの見分け方は?」、「高設栽培って何?」など、イチゴ狩りに行く前に知っておきたい疑問に迫ります!
子ども達を連れて訪ねたのは、千葉県千葉市で人気のイチゴ園「エーアト・ベーレ」。
おいしいイチゴを食べ比べしながら、園主の田中さんにイチゴについて詳しく教えてもらいました。
「イチゴは野菜?果物?」など、子どもにクイズをしたくなる豆知識も満載です。
いちごの品種と農園の記事
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いちごの人気品種 / 白いちご
- 千葉県最大級の「エーアト・ベーレ」でイチゴ狩り
- 練乳いらずの真っ赤で大きなイチゴを頬張る!
- 可憐なイチゴの花に包まれてイチゴの食べ比べ!
- エーアト・ベーレの園主に聞く!イチゴ狩りの豆知識
- Q1:イチゴ狩りに最適な時期と時間は?
- Q2:おいしいイチゴの見分け方は?
- Q3:イチゴの上手な採り方は?
- Q4:イチゴはどの部分が一番甘い?
- Q5:イチゴのおいしい食べ方は?
- Q6:イチゴの原産地は?
- Q7:イチゴは野菜?果物?
- Q8:イチゴの種はどこにある?
- Q9:イチゴは何種類ある?
- Q10:イチゴ栽培にはミツバチが重要?
- Q11:イチゴの生産量は?
- Q12:イチゴはいつから食べられた?
- Q13:土耕栽培と養液栽培(高設栽培)の違いは?
- エーアト・ベーレのイチゴ狩り情報
千葉県最大級の「エーアト・ベーレ」でイチゴ狩り
千葉県千葉市にある「エーアト・ベーレ」は、ひとつのハウスとしては県内最大級の広さをもつイチゴ園。その広さは約5000平方メートル。テニスコート約19面がすっぽり収まる広さで、7種類ものイチゴを育てています。
田園風景の中にある大きなハウスに入ると、春を感じる暖かさ。23~25度前後に室温管理されているのですが、この“春を感じる”ことは、イチゴにとっても大切なこと。イチゴの旬は春。春が来たとイチゴが感じることで、実が大きくなり、赤く色づき、熟していくのです。
という能書き前に、イチゴ狩り初体験の子供は、緑の葉から見え隠れする真っ赤なイチゴにまっしぐら!! 受付後にもらえる練乳もそっちのけで、指定されたイチゴ畑を探します。イチゴ畑はナンバリングされ、その日採っていい場所が決められているのです。
練乳いらずの真っ赤で大きなイチゴを頬張る!
大人の腰くらいの高さで高設栽培された真っ赤なイチゴ。しゃがむことなく採ることができ、子供の目線上にあるので、見つけるのが早いこと。「これ採っていいかな?」と少し悩んでいると園主の田中さんが「それはもうちょっと待った方がいいね! こっちの真っ赤な方が甘くておいしいよ!!」と教えてくれます。
イチゴを優しく包むように持ち、茎を人差し指と中指の間に入れて、スナップをきかせるように手首をひねるとイチゴを上手にとることができるのだとか。子供でも簡単にコツをつかめるので大丈夫!
練乳もつけずに大きなイチゴを頬張ります! 甘くてみずみずしい!! 果肉からジュワッと果汁があふれるおいしさは、家では味わえない醍醐味のよう。宝探し気分で、自分の好みの赤い宝石を見つけては、口に運んで大喜びです。結局最後まで練乳いらずで、その甘酸っぱい魅力に取りつかれたようです!
可憐なイチゴの花に包まれてイチゴの食べ比べ!
青々とした緑の中に見え隠れする真っ赤なイチゴ。そのコントランストの美しさも手伝って、イチゴの艶感がスゴイこと! みずみずしい真っ赤な輝きを放っています。高設栽培なので、子供には“イチゴの森”に迷い込んだように映っているかもしれません。
そんな真っ赤に熟したイチゴに加えて、白く可憐なイチゴの花、小指の先ほどの小さな赤ちゃんイチゴ、これから色づく黄緑色のイチゴなど、イチゴの成長過程を垣間見ることができるのも興味深いところ。イチゴの花の色を知っているパパやママも少ないかもしれませんね。
園内には7種類のイチゴがありますが、その日によって3品種ほどのイチゴ狩りが楽しめます。千葉県で開発された「チーバベリー」は、大粒で中まで赤く食べ応え十分! ビタミンCを最も多く含み糖度が高く大粒なのは「おいCベリー」。このふたつは高級&希少価値大の品種で採ることができたらラッキー!
下の写真は左からチーバベリー、かおり野、おいCベリーです!!
香り豊かでやわらかくみずみずしい「かおり野」、ほっぺが落ちるほどおいしいことから名付けられた「紅ほっぺ」などと、甘みや酸み、食感の違いを楽しむことも。ハウス内の入口近くには、滑り台やブランコがある木製ミニアスレチックもあり遊ぶことができます。
エーアト・ベーレの園主に聞く!イチゴ狩りの豆知識
2003年にエーアト・ベーレをオープンした園主の田中さんは、3代続く農家として、イチゴ以外にもさまざま作物を栽培。そんな田中さんにイチゴの秘密や豆知識を教えてもらいました。
Q1:イチゴ狩りに最適な時期と時間は?
クリスマス需要が終わり、イチゴが育った1~2月にかけてがおすすめ。ハウス内とはいえ、その日射量や寒暖差から甘みがのってきます。
晴天が2~3日続いた日の後もおすすめ。日射量や気温から、イチゴがしっかり熟している可能性が高いからです。雨や曇りが続き、日曜日に晴れたからイチゴ狩りに出かけるより、晴天が続き、日曜日はあいにくの雨でも、イチゴ狩りにはこちらの方が向いているんです!
時間は、やはりオープン時間に合わせて行くこと。オープン前に並ぶ覚悟で出かける方がいいでしょう。遅く行くと今日採れるイチゴが少なくなってしまうことも。イチゴ園の中には予約できるところもあります。4~5月は、ややイチゴが水っぽくなる傾向があるとのこと。
Q2:おいしいイチゴの見分け方は?
第一条件はやっぱり、真っ赤な色合い。ヘタ近くまで赤くなっていることが重要。次に艶。最後にヘタが反っていると熟しているサインです。
Q3:イチゴの上手な採り方は?
片手でイチゴを優しく包み込み、茎を人差し指と中指の間に入れて、スナップをきかせるように手首をひねります。力はいらないので子供でも簡単。上手く採れると、茎からはなれるときにプチッという音が。
ほかの茎を傷めてしまうと、おいしいイチゴができなくなってしまうので注意してください。
Q4:イチゴはどの部分が一番甘い?
ヘタに近い部分より、先のとがっている方が糖度が高くなります。なのでヘタに近い方から口に入れ、最期に先端の部分を食べるとイチゴのおいしさを満喫できます!
Q5:イチゴのおいしい食べ方は?
イチゴはビタミンCが豊富で、ミカンやグレープフルーツの約2倍といわれています。5~6粒ほど食べれば、成人が1日に必要とされるビタミンCを摂取できるのだとか。
ただ、このビタミンCは水に溶けやすい性質があるので、洗うときはヘタをとらずに。洗う前にヘタをとってしまうと、水っぽくなったり、味も悪くなったりします。
Q6:イチゴの原産地は?
イチゴの原産地は、南米のチリ。
現在栽培されているイチゴは、約400年前にオランダで2つの野生種から生まれたもの。その2つとは、F・バージニア(北アメリカ原産)とF・チロエンシス(南アメリカ原産)という品種です。
Q7:イチゴは野菜?果物?
イチゴは植物学的には、バラ科に属しています。木の実(木本性)は果物、草の実(草本性)は野菜と分類されるので、草の実(草本性)のイチゴは“野菜”なのです。イチゴと同様に、苗を植えて1年で収穫するメロンやスイカも分類的には野菜なんですよ。
Q8:イチゴの種はどこにある?
イチゴの表面には、ツブツブがたくさんありますよね。実はこのツブツブは、ひとつひとつが実(果実)なのです! では食べている赤い部分はというと、茎の先端が膨らんだ花托(かたく)というベッドのようなもので、偽果(ぎか)といいます。
イチゴの種はというと・・・ 果実である表面のツブツブの中に入っています。
Q9:イチゴは何種類ある?
エーアト・ベーレでは、おいCベリー・紅ほっぺ・かおり野・恋みのり・チーバベリー・よつぼし・星の煌めきの7品種のイチゴが栽培されていますが、イチゴの品種は約300種類もあるのだとか。その半分以上が日本で開発されたものということから、研究熱心!? イチゴ好き!? の国民性がわかりますね。
Q10:イチゴ栽培にはミツバチが重要?
イチゴの花がせっかく咲いても、受粉しなければ赤い実はつけません。そこで登場するのがミツバチです。多くのイチゴ農家やイチゴ園は、ミツバチ(養蜂箱)を購入・リースして受粉を行います。
現在、イチゴの栽培はハウス栽培が主流で、エーアト・ベーレでは、11月~5月上旬までの期間、ハウス内には数千匹のミツバチがいることに! ですが取材時もミツバチの姿は1匹も見ることがなかったのでご安心を。感覚的には数百匹が活動しているイメージとのことですが、この自然の力があるからこそ、大きくて赤いイチゴが生まれるのです。
Q11:イチゴの生産量は?
日本のイチゴの生産量は年間約16万トン。第1位は「とちおとめ」で有名な栃木県。第2位は福岡で生まれた「あまおう」で知られる福岡県。第3位は熊本県です。エーアト・ベーレがある千葉県は第9位にランクインしています。
※出典:農林水産省「平成30年産作物統計」
Q12:イチゴはいつから食べられた?
日本では江戸時代末期に、オランダ船により伝えられたとされますが、当時は血の色を連想させるため、あまり普及せず、なじみが薄かったのだとか。
イチゴが一般的に食べられるようになったのは、戦後になってから。とくに1960年代以降はビニールハウスを使ったハウス栽培が発展し、生産量が増量。価格も下がって庶民も手の届くものになったようです。
Q13:土耕栽培と養液栽培(高設栽培)の違いは?
ハウス栽培が主流のイチゴですが、一般的な作物を育てるように土を使った育て方が「土耕栽培」。イチゴ狩りするときには地面の位置までしゃがんで採ることになります。
一方、土を使わず、ヤシやもみ殻、天然岩石などでできた根を張れる培地を用いて、養液を溶かした水を与えながら育てる方法が「養液栽培」。土の重さなどがない分、高い位置に設置でき、イチゴ狩りでは「高設栽培」などと呼ばれ、土などで汚れる心配がなく、立ったまま採ることができます。
このほかにも、培地を用いず、養液を溶かした水を与えながら育てる「水耕栽培」などもあります。
土で育てたほうがおいしいイメージをもっていませんか? 「土耕栽培」「養液栽培(高設栽培)」でも、その品質に大きな差はないとのこと。ただし「とちおとめ」は土耕栽培向き、「かおり野」は高設栽培向きなど、生産者やイチゴの品種などにより、その特徴を生かした育て方がされています。
エーアト・ベーレ(千葉県千葉市)
[収穫時期] 2024年1月3日~5月下旬
[特徴] 高設栽培あり 車椅子OK
千葉県最大級の1500坪ある高設栽培農園。気温が下がってイチゴの甘みが増す夜を利用し、首都圏では珍しく、毎月第4土曜にナイター営業をしている(要予約)。そのほか、イチゴのアイスや自家製の野菜、イチゴ味の菓子、イチゴグッズを直売所にて販売。おみやげに喜ばれている。
<いちご狩り情報>
- 採れる品種:紅ほっぺ、かおり野、チーバベリー、おいCベリー、すず、はるひ、スターナイト、星うらら
- 料金:40分食べ放題。1月3日~3月:大人(小学生以上)2500円、小人(4歳~未就学児)2100円、幼児(2~3歳)800円。4月~5月6日:大人(小学生以上)1900円、小人(4歳~未就学児)1600円、幼児(2~3歳)800円。5月7日~下旬:大人(小学生以上)1300円、小人(4歳~未就学児)1000円、幼児(2~3歳)500円。2歳以下無料
- 予約:予約不要(20名以上の団体、ナイターは要予約)
- 持ち帰り:不可/販売あり(時期により異なる)
- 高設栽培:あり
- 車椅子入園:可
住所 | 千葉県千葉市緑区大高町26-34 |
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問合先 | 043-294-0757 午前中に問合せを |
営業時間 | 9時~当日分なくなり次第終了 |
休み | 味覚狩り期間中不定休 |
アクセス | 電車:JR土気駅→車8分 車:千葉外房道路誉田ICから県道20号経由3km8分 |
駐車場 | あり/60台/無料 |
●気候や生育状況などにより、情報は変更になる場合があります。おでかけ前に必ず農園にご確認ください。
【Photos:tawawa】