春の星座といえば、子どもにもなじみがある北斗七星! この記事では、北斗七星をはじめとした春の星座や神話、星座の探し方、必要な準備について解説します。適切なスポット選びや星座の見つけ方を知って、親子で楽しく星空観察を楽しみましょう。
▼星空観察の記事
親子の星空観察Q&A / 春の星空 / 夏の星空 / 秋の星空 / 冬の星空

春の夜空、星の特徴は?

春の星空観察には、下記のように他の季節とは異なる特徴があります。
- 一等星の数が少なく、落ち着いた星空
- 88星座中で最大級の大きな星座が観察できる
- 花粉や黄砂の影響で空がかすみがち
- 北斗七星が最も見やすい季節
春の星空では一等星が3つしか見えないため、明るい星が少なく落ち着いた印象です。しかし、うみへび座・おとめ座・おおぐま座という、全88星座の中でも特に大きな星座を観察することができます。
この時期は空気中の水蒸気が増えるだけでなく、花粉や黄砂が降って空がかすみ、星が見えにくくなる傾向があります。そのため、星空観察には雨上がりの晴れた夜がおすすめ。星がどのくらい見えやすい日か調べられる、日本気象協会の星空指数も活用するといいでしょう。
一方で、春は北斗七星が頭上高く昇り、最も見つけやすい季節でもあります。北斗七星を起点として他の春の星座を探すことで、効率的に星空観察が楽しめるでしょう。
春の代表的な星座の探し方
春の星空観察の基本手順と、効率的な探し方のコツを紹介します。
- 北斗七星を起点として探し始める
- 北斗七星から春の大曲線をたどる
- 春の大三角を確認して位置を把握する
まずは北斗七星から!

北斗七星は春の夜空で最も見つけやすい星の並びです。頭上を見上げると、片手鍋やスプーンのような形に並んだ7つの星を発見できます。これが北斗七星です。
北斗七星は実際には星座ではなく、おおぐま座のおしりからしっぽの部分にあたります。北斗七星は一年中観察できますが、特に春は高い位置にあるため見つけやすく、他の春の星座を探す手がかりになるにもなるので、まずは北斗七星を探してみましょう。
春の大曲線(うしかい座、おとめ座)

北斗七星からアークトゥルス、スピカを結んで描かれる大きなカーブが春の大曲線と呼ばれています。この大曲線は春の星空観察における最も重要な目印となります。
北斗七星の持ち手のカーブをそのまま延長して到達するオレンジ色に輝く明るい星が、うしかい座の一等星アークトゥルスです。さらにカーブを延長すると、青白く輝くおとめ座の一等星スピカを見つけられます。スピカからさらに進むと、台形のように4つの三等星が並ぶからす座があります。
<これも知ってる?>
- 星にも夫婦がいる?
うしかい座のアークトゥルスは麦の刈り入れ時期に見えることから「麦星」、おとめ座のスピカはその輝きから「真珠星」とも呼ばれています。この2つは対の星として「夫婦星」と呼ばれることもあります。 - 星の色と温度
アークトゥルスはオレンジ色、スピカは青白い色をしています。星の色はどうして違うのでしょうか?これは星の表面温度によることが原因です。表面温度は、赤→オレンジ→黄色→白→青白と高くなっていき、青白く輝く星の表面温度は約10,000度です。ただし、表面温度と明るさは比例していません。地球から見ると太陽は一番明るいですが、それは地球からの距離が近いから。太陽の色は黄色く表面温度は約6000℃と、実はそこまで表面温度は高くないのです。
春の大三角(しし座)

春の大三角は、アークトゥルス・スピカ・デネボラの3つの星を結んで作られる三角形です。他の季節の大三角とは異なり、春の大三角だけが二等星(デネボラ)を結んでいます。デネボラはしし座の二等星で、春の大曲線の円の中心あたりに位置しており、他の2つの一等星よりもやや暗く見えます。
しし座にはデネボラ以外にも一等星レグルスがあり、ししの心臓部分に位置しています。レグルスから頭部にかけては疑問符を左右逆にしたような「?」の形を描いており、見つけやすい目印となります。
<これも知ってる?>
- しし座には一等星のレグルスがありますが、21個ある一等星のなかで一番暗い星で、二等星のデネボラの明るさとそれほど変わりません。レグルスという名前は、「小さな王」という意味のラテン語に由来しています。
春の星座にまつわる神話
おおぐま座とこぐま座

カリストという美しい女性が、大神ゼウスとの間にアルカスという男の子を授かりました。しかし、これに嫉妬したゼウスの妻・女神ヘラは、カリストを大きな熊の姿に変えて森に追放してしまいます。
時が流れ、成長したアルカスは狩りをしている最中に森で大きな熊と遭遇しました。その熊は実の母親であるカリストでしたが、アルカスはそのことを知りません。息子が母親を殺そうとする悲劇を見ていたゼウスは、アルカスも小熊の姿に変え、母子が永遠に一緒にいられるように夜空の星座にしました。これが、おおぐま座とこぐま座です。
しし座|英雄ヘラクレスとの戦い
しし座は、ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスが戦った「ネメアの獅子」が由来です。
ネメアの獅子は非常に強靭な体を持ち、どんな武器も通じない恐ろしい怪物でした。ヘラクレスは素手でこの獅子を倒し、その皮を自らの防具として身につけました。この功績は「ヘラクレスの十二の功業」のひとつとして語り継がれており、獅子は星座として夜空に飾られることになったのです。
おとめ座|豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネ
おとめ座には、農業と豊穣の女神デメテルと、その娘ペルセポネの神話が関連しています。
ある日、冥界の神ハデスがペルセポネを連れ去り、冥界の女王にしてしまいます。悲しみに暮れたデメテルは地上に作物を育てることをやめ、世界は荒廃していきました。最終的に大神ゼウスの仲裁で、ペルセポネは1年の半分を地上で、残りを冥界で過ごすこととなり、これが季節の変化の由来ともいわれています。
春の星空観察に必要な準備・道具、服装選びなど

画像:photoAC
春の星空観察を楽しむには、事前の準備が重要です。下記の記事も参考にして、しっかり準備を整えて星空観察を楽しみましょう。
▼星空観察の基本はこちらをチェック!
春の夜間に適した服装
春の星空観察では重ね着による温度調節が重要です。上半身は長袖シャツにフリース、ウインドブレーカーを重ねることで気温変化に対応しやすくなります。また、安全のために反射材付きの服装や、明るい色のアウターを選ぶのもおすすめ。下半身は、長ズボンにタイツを合わせて地面からの冷えを防ぎましょう。足元は歩きやすい靴と厚手の靴下で保温と安全を確保してください。
まとめ|春は星空観察を始める絶好のチャンス!
春は星空観察を始めるのに適した季節。穏やかな気候のため長時間の観察でも快適に過ごせ、それぞれの星座にまつわる神話などを子どもに説明してあげると、家族でのコミュニケーションも深まります。
基本的な道具を揃えて光害の少ない場所を選べば、都市部からでも美しい星空を楽しめます。星座早見表と懐中電灯があれば十分で、特別な技術や高価な機材は必要ありません。夜空に輝く星々を見上げながら過ごす時間は、きっと忘れられない特別な思い出となるでしょう。

