1年中水温が12℃の大池でルアー釣りが楽しめる「滋賀県醒井養鱒場(さめがいようそんじょう)」。ルアー釣りは小学生からですが、手ぶらで気軽にできるニジマスの餌釣りや、餌やり、魚すくいの体験は幼児も楽しめます。夏には冷たい池に入って魚にふれ、水遊びができる「ふれあい河川」が子どもに大人気!おさかな学習館にはビワマス、チョウザメなどが泳ぐミニ水族館や養鱒場の役割がわかる展示も。ランチはお弁当の持ち込みOKの休憩所かマス料理店で。そんな魅力がたくさんつまった醒井養鱒場の楽しみ方を紹介します。
滋賀県醒井養鱒場ってどんなところ?
「滋賀県醒井養鱒場」は、1878年(明治11年)に琵琶湖の固有種ビワマスの増殖を目的に設立された、養鱒場では日本最古の施設です。霊仙山(りょうぜんざん)の麓から湧き出た清水で、ビワマスのほかイワナやアマゴ、ニジマスが育てられ、今では「日本の渓流魚の里」と呼ばれるほど。場内の施設では、マス類の調査研究・種卵種苗のほか、さかな学習館で小中学生を対象にした「夏休み親子さかな教室」、地域の小学生向けの「採卵教室」など、魚の養殖事業に関する知識の普及を行っています。
また、気軽に釣りを楽しみながら、ニジマスをその場で食べられたり、「ルアー釣り場」で本格的なルアー釣りが楽しめたりするなど、家族連れから釣りファンまで幅広く親しまれている施設です。
餌やり・釣り・水遊びなど体験いっぱい
施設内は子どもと一緒に遊べる施設が多く、魚とさまざまな形でふれ合えます。清々しい空気に包まれる自然の中でのびのび楽しみましょう。
マスへの餌やり体験
正面入口を入って右側にある「親魚池」ではマスへの餌やり体験ができます。餌を撒くとたくさんのマスがバシャバシャと集まり、その勢いに圧倒されるほどです。
餌は1袋100円で正面入口と南入口、本館(さかな学習館)で販売しています。
餌を豪快にばら撒けるバケツタイプは、正面入口と南入口にて500円で販売しています。バケツ返却時に200円返金され、実質300円で長時間楽しめるのでおすすめです。
ニジマス釣り体験(エサ釣り場)
正面入口を入ってすぐ右の池「エサ釣り場」ではニジマス釣りを体験できます。1人150円で釣り券(竿・餌付き)を購入後、小型魚(塩焼きサイズ)か大型魚(500g~1kg)がいる池で釣り体験ができます。餌はお代わり自由で、釣り竿を入れるとすぐにおもしろいように釣れますが、釣った魚はすべて購入(200円/100g)になり池に戻すことはできないため、釣り過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
釣った魚は内臓処理をしてもらったうえで持ち帰ることができるほか、小型魚は塩焼きにしてもらいその場で食べることもできます(塩焼き1尾200円 ※曜日により対応できない場合もあるので訪問前にご確認を)。持ち帰る場合は氷付き保冷箱(大500円・小400円)や氷(約1kg/200円)もありますが、車で行くならクーラーボックスと氷を持参しておくのがおすすめです。
魚すくい体験
正面入口から入って、左側の小さな橋を渡ったところにある休憩所六角堂では、小さな子どもや小学生でも楽しめる破れない小型のタモ網での魚すくいが楽しめます。10尾すくったら戻して×3回まで遊べます。(1回300円/土・日曜のみ開業※冬季休業)※魚を持ち帰ることはできません
おさかなタッチング(ふれあい河川)
正面入口からの道をまっすぐ進んだ右側にある「ふれあい河川」では、泳いでいるマスやコイ、チョウザメなどの魚と直接ふれ合うことができます。水温12℃の冷たい湧き水はとても気持ちよく、夏は特に人気です。水中用サンダルや、タオル、着替え、レジャーシートなどを準備して出かけましょう。
<ふれあい河川の水遊び>
- 期間:通年
- 料金:無料
- 水深:20cm
- その他:水中用サンダルまたは靴が必要。池の底が滑りやすいので注意、服が濡れるので子どもの着替え持参がおすすめ
ルアー釣り場
場内の中ほどにある大きな池で、ルアー釣りが楽しめます。一年を通して水温がマスに最適な12℃と安定しているので、一年中ルアー釣りが楽しめると好評です。ルアー釣りのみで完全リリース制です。醒井養鱒場主催の釣り大会情報は公式サイトやFacebookで案内しています。
ルアー釣り場利用者専用の休憩所もあります。
<ルアー釣り場DATA>
- 放流魚種:ニジマス、イワナ(池の環境維持のためコイ・チョウザメも放流)
- 営業時間:
<平日>
9時30分~16時45分(2~6月、9~11月)
9時30分~17時30分(7・8月)
9時30分~16時(12・1月)
<土・日曜、祝日>
8時30分~16時45分(2~6月、9~11月)
8時30分~17時30分(7・8月)
8時30分~16時(12・1月)釣り形態:ルアー釣りで完全リリース制
- 釣り形態:ルアー釣りで完全リリース制
- 料金:
<平日>
[1日券のみ]
男性/3500円 女性/2500円 小学生1500円
<土・日曜、祝日>
[1日券]
男性/4000円 女性/3000円 小学生2000円
[午後券]
男性/3500円 女性/2500円 小学生1500円
<大会料金>
釣り場利用料5000円+大会特別料金2000円(大会特別料金は醒井主催<試合進行含む>の場合に徴収。ただし他主催の場合は別途設定あり)※小学生未満入場不可、小学生は要保護者同伴
※釣り用具のレンタルはありません
涼しい場内散策とお弁当OKの休憩所
場内には清水が流れていて散策するだけでも涼しく感じます。取材日も街中が30℃でしたが場内は25℃。日陰など少し寒く感じることもあるので、1枚羽織るものを持っていくのがおすすめです。道は段差のないスロープなので、ベビーカーや車椅子でも無理なく移動ができます。
休憩所 六角堂
六角形の屋根が特徴で収容人数は40名。ベンチやイスもあるので、お弁当を広げたりおやつを食べたりするのに最適です。前述のとおり、隣のテントでは土・日曜に限り、魚すくい体験や釣ったマスの塩焼き(1尾200円)も楽しめます。取材時(7月)は七夕まつりの飾り付けになっていました。
案内板を活用して自然にふれよう
場内の遊歩道には飼育している魚の説明のほか、場内で見られる植物などの説明案内もあり、自然を学べます。川の中では、初夏から初秋にかけて水中花「梅花藻(バイカモ)」が咲くのも見どころです。
場内の遊歩道には、小鮎塚をはじめ歌碑などがあり養鱒場の歴史を感じることができます。
休憩所 せせらぎ
本館(さかな学習館)近くにあるログハウス風の休憩所 せせらぎです。収容人数は70名と広いのでグループでの利用もできます。
休憩所内は冷房が効いており、自動販売機で挽き立ての本格コーヒーが飲めるほか、お弁当などの持ち込みもOK。新型コロナ感染防止対策でパーティーションも設置されています。
そのほか休憩所
場内には屋根付きの休憩所や、ベンチ・椅子が多く設置されているので、休憩やお弁当を広げる場所には困りませんが、夏休み中などは混雑することもあるので、レジャーシートを持参するのもおすすめです。
スタンプラリー
場内6か所で13種類のスタンプが集められるスタンプラリーです(参加無料)。おさかなクイズも付いているので、クイズを解きながら場内散策をしてみてはいかが。スタンプ帳はさかな学習館と正面入口、南入口の券売所で配布しています。
展示やイベントを通して魚を学ぼう
本館(さかな学習館)
館内には回遊水槽や展示コーナーなどがあり、魚と醒井養鱒場の歴史などを学ぶことができます。
中央の回遊水槽では、小学生の目線の高さでチョウザメや大きなビワマスを見ることができます。アマゴやイワナの水槽もあり、いろいろな魚を間近に見られる、さながらミニ水族館のようです。
展示コーナーでは、ビワマスの生態や養鱒場の歴史・仕事内容などがパネルや映像で紹介されています。
研修室では養鱒場の役割や仕事をビデオで視聴することができます(事前要予約)。夏休みなどに開催される「親子さかな教室」やイベントのスケジュールは公式サイトで確認を。
飼育池など
本館(さかな学習館)からふ化場までの間には、飼育池やイトウ・チョウザメ池、イワナ池などがあり、たくさんの魚を散歩がてら観察することができます。
採卵場
南入口に向かって手前左に採卵場があり、ニジマスの人工採卵を夏(6・7月)と秋(11・12月)に行っています。またアマゴは秋(10・11月)、イワナは初秋(11・12月)に人工採卵を行っています。
人工採卵の作業日・時間は不定期(週に1~2回/6月下旬~7月下旬・10~12月)ですが、タイミングが合えばガラス越しに見学することもできます。見学希望の場合は入場時に当日の採卵の有無を確認しましょう。
食事にはマス料理がおすすめ
塩焼きで食べる
釣った魚は100gあたり200円で買い取りになり、1尾200円で塩焼きにしてもらえます。焼き立て・アツアツのマスを楽しみましょう。お弁当やおにぎりを持ち込めば、新鮮で美味しいランチタイムに。
写真のマスの場合、3尾で計700gなので200円×7=1400円に塩焼き代1尾200円×3尾=600円が加わり、合計2000円の計算になります。
塩焼きのマスはその場で食べられます。自分が釣った新鮮な魚をすぐに食べられるのも、子どもにとって貴重な体験になるはず。
ここならではのマス料理
休憩所「せせらぎ」では、「ビワマスの釜飯(塩焼・汁物付き)」(1400円)が食べられます。1日30食限定で、3日前までに要予約なので、行く予定日が決まったら早めの予約がおすすめです。
- メニュー提供時間:11~14時
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため休業の場合もあります
ほかにも周辺には、醒井養鱒場で育った新鮮なビワマス使った料理や、清流で育ったニジマス、イワナが食べられる飲食店もたくさんあるので、公式サイトで確認を。
お土産はオリジナルの缶詰などをチェック
缶詰工場に活魚のビワマスを持ち込んで作ってもらったという、醒井養鱒場オリジナルの「びわますの缶詰(水煮)」(180g/750円)。上品な脂がのっていて、ビワマス本来の味が楽しめます。塩味がついているので、そのままでも食べられるほか、和洋中のいろいろな料理アレンジにも使えます。
醒井養鱒場オリジナル「びわますの醤油煮」1個400円、3個1000円。醤油煮なのでそのままで食べられるほか、炊き込みご飯をはじめ、さまざまなアレンジでどうぞ。
醒井養鱒場オリジナルで(右)「ビワマスのやわらか煮」(2尾入り/900円)、(左)「ビワマスの煮つけ」(900円)。ともに開封後そのまま食べられますが、袋のまま湯せんしてあたためるのがおすすめです。醒井養鱒場オリジナル商品は場内で販売しています。
駐車場やトイレ、知っておきたい設備
場内には身障者用個室付きのトイレが3カ所あります。幼児のおむつ替え用ベッドは本館(さかな学習館)のトイレにあります。また場内には専用授乳室はありませんが、近くのスタッフに声をかけると、本館(さかな学習館)内で対応してもらえるので安心です。
正面入口
入場料は正面入口または南入口で払います(時期によっては駐車場料金もこちらで受付)。場内は広いので場内マップ付きパンフレットを忘れずに受取りましょう。マス釣り場は入ってすぐ右なので、釣りがメインの目的なら正面入口からの入場が近くて便利です。
南入口
正面入口から左の坂道を上ったところにも駐車場があり、道沿いに少し下ると南入口があります。
正面入口右側の駐車場
<アクセス>
- 公共交通:JR米原駅→車15分、またはJR醒ヶ井駅から徒歩1時間
(公共バス無、予約制の乗り合いタクシー有:近江タクシー(0749-52-8200/出発時刻の60分前までに要予約)) - 車:北陸自動車道米原I.C.から約10分、名神高速道路関ヶ原I.C.から約20分
- 駐車場:あり(正面入口右横/南入口左横)/200台/普通車400円
■滋賀県醒井養鱒場
住所 | 滋賀県米原市上丹生1570 |
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問合先 | 0749-54-0301(管理事務所、平日のみ) |
入場料 | 大人540円、高・大学生320円、小・中学生無料 (30名以上団体割引あり) |
営業時間 | 8時30分~17時(季節変動あり) |
定休日 | 無休(12月28日~1月4日休場) |
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