知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
2021年(令和3)3月、板橋区平和公園内に開館した板橋区立中央図書館。海外絵本コレクションのある「いたばしボローニャ絵本館」はその一角にあります。世界各国の絵本は、眺めているだけで楽しい気分にさせてくれます。言葉の壁を超え、絵本ならではの空想の世界に飛び立ちましょう。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
いたばしボローニャ絵本館で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が育つのかをチェック!いたばしボローニャ絵本館では、とくにどんなところが子どもの知的好奇心をくすぐるのでしょう?絵本に詳しい達人に教えてもらいました。
絵本の達人 広松由希子さん
ひろまつゆきこ●編集者、文庫主宰、ちひろ美術館学芸部長などを経て現在は絵本作家・評論家。絵本に関するエッセイや翻訳、展示企画なども手掛けている。
■絵本の達人 広松由希子さんコメント
イタリア・ボローニャと長年深い関係を築いてきた「絵本のまち」板橋。2021年にリニューアルした絵本館では、ボローニャ児童図書展から寄贈された絵本を中心に、世界約100カ国、3万冊、70言語の海外絵本コレクションが読めます。
» 絵本の達人「絵本作家 広松由希子さん」お仕事インタビュー
いたばしボローニャ絵本館ってこんなところ!
東武東上線「上板橋駅」から徒歩7分。板橋区平和公園内に2021年(令和3)にできた板橋区立中央図書館。大きなガラス窓からは四季折々の公園の風景を眺めることができ、公園と一体化したような気持ちいい環境で本に親しめる図書館です。都内でも有数の絵本の蔵書数を誇る「いたばしボローニャ絵本館」はこの図書館の1階の一角にあります。「いたばしボローニャ絵本館」には2万7000冊、隣接する児童コーナーには2万2000冊の蔵書があり、0歳から小学校高学年まで、子どもの好奇心を刺激する絵本や本が揃っています。
所要:1~2時間
おすすめの年齢:0歳~
住所 | 東京都板橋区常盤台4-3-1 |
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電話 | 03-6281-0560 |
営業時間 | 9~20時 |
定休日 | 第2月曜、特別整理期間 |
料金 | 無料 |
アクセス | 東武東上線「上板橋」駅から 徒歩7分 |
駐車場 | 9台(30分無料、以降30分ごとに200円) |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:✕
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
おすすめのアクセス方法は?
「いたばしボローニャ絵本館」は東武東上線「上板橋」駅から徒歩7分、または教育科学館バス停下車3分のところにあります。駐車場は9台あり、最初の30分は無料、以降30分ごとに200円ですが、台数が少なくすぐに満車になるので、公共の交通機関を利用するのがおすすめです。
おすすめの遊び方&過ごし方
「いたばしボローニャ絵本館」は板橋区立中央図書館の一角にあります。入口や表示などはなく、一般的な利用者がどちらを利用しているか意識することはないでしょう。好きな絵本を手に取って、公園が見える窓際のソファや靴を脱いで過ごせる「おはなしの部屋」で絵本を楽しみましょう。2階にはティーンズコーナーや一般図書の開架、3階には学習スペースやインターネットコーナーがあり、大人も意義あるひとときが過ごせます。お腹が空いたら1階にあるカフェへ。すぐ外が公園なので、絵本を読んだあとは、のびのびと体を動かすこともできますよ。
絵本で世界を旅する
「いたばしボローニャ絵本館」は板橋区と交流のある北イタリアのボローニャから寄贈された絵本を中心に、世界約100カ国、70言語の絵本を、約3万冊も所蔵している海外絵本の図書館です。展示方法に工夫が凝らされており、例えば「世界を知る」コーナーでは絵本をヨーロッパ、アメリカ、アジア、中東、アフリカなど、地域ごとにわけており、同じ書棚にはその地域の図鑑や資料も置かれています。絵本を見て気になった国や地域のことがすぐに調べられるようになっています。
違う言語で書かれた絵本を並べて展示しているコーナーがあるのもユニーク。言葉がわからなくても見比べてみれば新たな発見があるかもしれません。
国際アンデルセン賞を受賞した画家の本やボローニャ・ラガッツィ賞を受賞した本を集めたコーナーも。どちらも優れた児童文学に贈られる賞で、国際的な評価の高い本を手に取ることができます(貸出不可)。
「いたばしボローニャ絵本館」には絵本に関する調査研究資料、ボローニャ関連資料も揃っています。絵本について総合的に知ることができるので、大人にとっても発見がいっぱいです。
板橋区立中央図書館「児童コーナー」も楽しい!
「いたばしボローニャ絵本館」のすぐ隣には児童コーナーがあります。こちらには絵本、紙芝居、児童向けの読みものや、図鑑などの知識の本など約2万2000冊が揃います。
公園に面した窓は床から天井まで大きくとられており、外の景色を眺めながら本を読むことも。
机のある閲覧スペースも開放感たっぷり。外では近所の保育園の子どもたちが遊んでいます。かわいらしい姿を眺めながら本のページをめくりましょう。
おうちのような屋根のついたベンチは子ども達に人気のスポットです。
ほかにも知的好奇心をくすぐる貴重な体験!
定期的に開催される「おはなし会」にもぜひ参加してみましょう。図書館員がセレクトした絵本や児童書を読み聞かせてくれる「おはなし会」のほか、外国語の絵本や昔話を読み聞かせてくれる「外国語おはなし会」、赤ちゃん向けの絵本の読み聞かせや手遊びを楽しむ「かるがもおはなし会」があります。新しい物語との出会いにワクワクしますね。
- おはなし会:水曜15時30分~(所要40分)
- 外国語おはなし会:第1・第3日曜14時~(所要40分)
- かるがもおはなし会:第2木曜、第4土曜 10時30分~ (所要40分)
子連れにおすすめ!園内の立ち寄りスポット
●屋外テラス
板橋区立中央図書館は、公園と一体化したような美しい建築デザインも魅力です。屋外のテラスには椅子やテーブルが設けられ、休憩したりお弁当を食べることができます。
カラフルな椅子が点在するテラスは子ども達にも人気。新緑や紅葉など四季の移り変わりも感じることができます。
●カフェ・ド・クリエプラス
入口付近に「カフェ・ド・クリエプラス」があります。サンドイッチやパスタといった通常メニューに加え、オムライスなども用意。コーヒーメニューだけでなく、果汁100%のフルーツジュースなど、子ども連れにうれしいメニューも。
- 【電話番号】03-6913-0019
- 【営業時間】9~20時
- 【定休日】なし
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
館内に授乳室、オムツ交換台が完備。小さな子ども連れでも安心して利用できます。
児童コーナーには子ども用トイレもあります。
館内の通路などはゆったりとしたスペースで作られているのでベビーカーでの移動も安心。ベビーカー置き場もしっかり完備されています。
利用後に硬貨が戻って来るタイプのコインロッカーがあります。
「いたばしボローニャ絵本館」は0歳の赤ちゃんから大人まで絵本に親しむことのできる施設。太陽光が差し込む明るい館内で楽しい絵本にいっぱい触れれば、きっと本が大好きな子どもに育つことでしょう。板橋区立中央図書館は通常の図書も充実しており、開架は約18万冊。親子で図書館に行くことを習慣にしてみてはいかがでしょうか。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。