パイロットは飛行機を操縦し、私たちを安全に目的地まで連れて行ってくれるとても大事な仕事です。ずっと訓練や勉強が必要ですが、やりがいは抜群。
この記事は、『るるぶKids 何になりたい?未来をみつけるおしごと大図鑑』 からの抜粋です。人気&イマドキの職業や憧れの職業を約160種類掲載している、わかりやすく読んで楽しいオススメの一冊です。
取材したのは…
ANA ボーイング787 機長 西山裕一さん
パイロットのお仕事内容とは?
飛行機を操縦し、管制官の指示を受けながら運航する仕事です。「飛行機を安全に飛ばす」とても重要な役割を担っています。
パイロットが働く場所とは?
国内や海外の空港から空港へ飛行機を操縦し、安全に運航します。飛行機のコックピットが仕事場です。
あると便利な特技は?
入社から定年までずっと勉強や訓練が必要な仕事なので、努力することが好きな人はより活躍しやすいです。
パイロットがお仕事で欠かせないアイテムや服装とは?
制服
胸のウイングマークや袖の線がかっこいい!袖の線は機長が4本で副操縦士は3本です。
フライトバッグ
飛行機に乗るときは、フライトバッグとよばれるバッグに荷物を入れます。運航に欠かせないさまざまな道具が入っています。
ヘッドセット
飛行中はヘッドセットを装着し、無線で地上の管制官から指示を受けています。運航管理者や客室乗務員とコミュニケーションをとることもあります。
タブレット端末
会社支給のタブレット端末には、航空図が入ったアプリやマニュアル、離着陸性能の計算アプリなど、運航に必要な情報が入っています。
サングラス
地上が曇りや雨でも、高度1万m以上の雲の上は太陽光がまぶしいことが多いです。目を保護し、安全に操縦するためにもサングラスは必須です。
<おしごとデータ>
- 働く時間:日によって異なる
(完全シフト勤務) - 資格:国家資格が必要
- 給料:年収1000万~3000万円
(編集部調べ) - アクティブ度:★★☆
パイロットのお仕事に関するよくある質問!
パイロットになるためにどんなことをやってきたのか、大変だったことは何かなど、聞いてみました。
Q:パイロットは1日にどのくらい操縦するの?
国内線なら1日に2〜4便を操縦します。
Q:パイロットになるまでどんな努力をしていたの?
アメリカと日本で3年近く訓練や勉強をしました。
Q:パイロットになって大変なことは?
自分の力を100%出して、安全に運航することです。
Q:パイロットにとって大事なことは?
さまざまな職種の仲間と協力して仕事をすることです。
Q:パイロットになって嬉しいことや楽しいことは?
コックピットから美しい景色が見られます。
先輩からのメッセージ
世界を駆けめぐる飛行歴17年目の機長
ANA ボーイング787 機長 西山裕一さん
「学校や家で、いまやるべきことをしっかりやろう」
パイロットを目指した理由は、「自分を成長させてくれる仕事」だと思ったからです。訓練や覚えることも多く、常に努力が必要ですが、やりがいがありとても楽しい仕事です。毎日やるべきことをしっかりやっていくのがパイロットへの近道だと思います。
★取材協力 » ANA
パイロットになるには?
日本の各地や世界各地へ飛行機を操縦するパイロットになるためには、主に3つの方法があります。
航空会社の自社養成パイロット募集に応募する
自社養成パイロットは、パイロットとして仕事をしてもらうために航空会社がパイロットを育てる制度です。航空会社によって異なりますが、大学か大学院を卒業または修了見込みの人で、視力や健康状態などの条件もあります。
航空大学校へ進学する
日本で唯一の国が設置したパイロット養成機関が航空大学校です。入学するには25歳未満で大学を2年以上修了していること、身長158cm以上などの条件があります。試験は1次から3次まであり、学力や英語から身体検査、面接など総合的な内容になっています。
私立大学のパイロット養成コースで必要な資格を取得する
パイロットを目指せる学科をもつ私立大学(東海大学、桜美林大学、千葉科学大学など)もあり、大学進学とともにパイロットになる夢への第一歩を歩むことができます。
大学によって異なりますが、願書を出願する前に身体検査の書類や、英語能力の証明書が必要になることもあります。
パイロットに必要な資格とは?
パイロット(操縦士)になるには国家試験に合格しなければなりません。パイロットの資格には3種類あり、それぞれ操縦できる飛行機などの種類が異なります。
受験には年齢や飛行経験、必要な資格をもっているか、健康状態は良好かなどさまざまな条件があります。
自家用操縦士
報酬を受けないで無償の運行ができる資格。仕事には使うことができないので、自家用飛行機などを趣味として操縦することができます。事業用操縦士を目指す人もまずこの資格が必要です。
事業用操縦士
遊覧飛行、航空写真や農薬散布をする仕事など、事業として報酬を受けて飛行機の操縦ができます。エアラインの副操縦士になることができ、経験を積めば定期運送用操縦士を目指すことができます。
定期運送用操縦士
国内や海外に運行しているエアラインを機長として操縦することができます。専門知識や高度な技術、的確に判断・対応できる力などが必要になります。
パイロットにはどんな人が向いている?
飛行機の安全な運行のためには、集中して操縦することが必要不可欠。何か起きた時には落ち着いて判断して乗務員に指示をすることも必要なので「決断力や集中力がある」「リーダーシップがある」ということがパイロットになるための素質といえます。
また、飛行機は操縦する人がいるだけでは飛ぶことができません。たくさんの人と関わるので「コミュニケーションが得意」なことも大切です。
こんなにあるよ!空港のお仕事
機内はもちろん、空港内や整備場、管制塔などで、たくさんの人たちが働いています。どの仕事も、飛行機を安全に飛ばすために協力し、お互いの状況を理解しながら役割を果たしています。
パイロット
●飛行機を安全に操縦
コックピットで、旅客機をはじめとする飛行機を操縦する仕事です。決められた手順に従って、目的地まで安全に運行します。
CA(客室乗務員)
●乗客の安全と快適を守る
旅客機の機内で、出発から到着まで、機内の安全を守っています。乗客の案内や飲み物などのサービスをします。
★ちょこっとメモ
パイロットやCAは入社から訓練と試験の連続です。高い知識や人間性が求められるので、日頃からの努力が欠かせません!
誘導
●着陸後の飛行機を誘導
「パドル」とよばれるしゃもじのような形の道具を使って、着陸した飛行機を駐機場まで誘導する仕事です。マーシャラーともよばれます。
グランドハンドリング
●貨物の積み下ろしなどを担当
飛行機に乗せる荷物を積んだり降ろしたり、トーイングカーとよばれる特殊車両に乗って飛行機を引っ張ったりする仕事を担当します。
航空管制官
●飛行機の交通整理をする
空港内の管制塔などからレーダーなどで航空機を誘導します。航空機同士の安全な間隔を保ち、飛行経路の指示や離着陸の許可を出します。
航空整備士
●飛行機の点検や修理をする
とても複雑な精密機械である飛行機の点検を毎日行い、不具合が発生したときには修理をする技術者です。
★ちょこっとメモ
空港では、乗客が目にすることがない場所でも、たくさんの人が飛行機の安全な運航を守る仕事をしています。
グランドスタッフ
●空港内で乗客を案内
航空会社のチェックインカウンターで乗客の搭乗手続きや手荷物を預かったり、搭乗までの案内業務などを行います。
ほかにも!「好き」をつきつめるお仕事を紹介
» 電車の運転士
» 宇宙飛行士
» 気象予報士
» 研究者(古生物学者)
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「将来の夢はなに?」
そう聞かれる機会が、幼稚園や小学校でも増えています。ですが、将来どんな仕事をしたいかというのは、未就学児~小学生には見つけるのが難しかったり、「これになりたい!」と思っても、実際にどんな職業なのかわからなかったり…。そもそも「こんな職業があったんだ! 知らなかった! 」ということもよくありますよね。
本書では、「好きを仕事に」「ものづくりの仕事」「人に関わる仕事」「未来の仕事」という4つのテーマで、約160種類のお仕事を紹介しています。取り上げているのは、スポーツ選手、アナウンサー、獣医師、モデル、パティシエといった定番や、ユーチューバー、ゲームクリエイター、eスポーツ選手といった最新の職業など。現在活躍中のプロたちに取材しています。
わかりやすくて読んで楽しい一冊を、ぜひ親子で一緒にご覧ください。