知的好奇心がすくすく育つ学びスポット!
2021年のジャイアントパンダの赤ちゃん誕生で話題がつきない上野動物園。ただ、パンダだけじゃない、のがここの大きな魅力です。ニシゴリラ、ホッキョクグマ、ハシビロコウ、コビトカバなどなど、約300種もの多種多様な動物を観察できるのです。それぞれの動物が個性豊かで、どの動物も見ていて飽きません。きっと、その中に子どもたちの知的好奇心を刺激する動物がいるはず。たくさんの動物の中から、自分だけの注目動物を探してみましょう。
子どもの知的好奇心は身近な“学びスポット”で育む!
子どもの脳の発達の原動力となり、将来の可能性を広げてくれるのが知的好奇心。その知的好奇心を育むスポットは東京周辺にたくさんあります。脳医学者の瀧 靖之(たき やすゆき)先生、そして宇宙・動物・昆虫・アートなどの各テーマの“達人”たちと選んだ東京周辺にある “学びスポット”を紹介します。どこも、「知るのが楽しい!面白い!」と思わせてくれる、工夫にあふれた施設ばかり。コロナ禍が続くいまだからこそ輝く身近な“学びスポット”へ出かけてみませんか。
監修:瀧 靖之(たき やすゆき)先生
東北大学加齢医学研究所教授
医師。医学博士。東北大学加齢医学研究所および東北大学東北メディカル・メガバンク機構で脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究に従事。読影や解析をした脳MRIはこれまで16万人以上にのぼる。
知的好奇心で培われる、8つの“育つ力“
子どもの知的好奇心を刺激することで培われる力を、瀧 靖之先生が8つ選定。「洞察力」「思考力」「想像力」「発想力」「思いやり」など、施設ごとに“育つ力”を付記しました。
» 脳医学者の瀧 靖之先生に聞く!「知的好奇心」で育つ8つの力
»「国立科学博物館」は知的好奇心をくすぐる展示や学びの仕掛けが満載!
東京都恩賜上野動物園で育つ子どもの力
知的好奇心が育つと、子どものどんな力が伸びるのかをチェック! 東京都恩賜上野動物園では、とくにどんなところが子どもの好奇心をくすぐるのか見てみましょう。
動物の達人 佐々木隆
ささきたかし●遊園地専門家。動物園・水族館も詳しく、分野全般を得意とするライター。「るるぶKids」でも多くの動物記事を執筆している。
■佐々木隆さんコメント
敷地が広くて、未就学児の子ども連れだと1周するのが大変な動物園も多いんです。上野動物園は適度な広さで、しかも、ここにいない動物はほとんどいないんじゃないか、と思うくらい多くの動物に会えます。だから、親子で出かけるのに最適。
» 動物が大好き!! |希少な動物やふれあいが人気の動物にワクワク
» 動物の達人「動物園・水族館ライター 佐々木隆さん」お仕事インタビュー
東京都恩賜上野動物園ってこんなところ!
開園したのは明治15年(1882)で、約140年もの歴史がある動物園です。東園と西園があり、東園にはニシゴリラ、アジアゾウ、ホッキョクグマなどを展示。西園には、ジャイアントパンダのほか「アイアイのすむ森」には、国内ではここでしか会えないアイアイやワオキツネザル、さらに「小獣館」「子ども動物園 すてっぷ」などに多くの小動物が見られます。首都高速上野出口から車で5分、JR上野駅から徒歩5分です。
所要:3時間
おすすめの年齢:3歳~
住所 | 東京都台東区上野公園9-83 |
---|---|
電話 | 03-3828-5171 |
営業時間 | 9時30分~17時、最終入園は閉園1時間前 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月1日 |
料金 | 入園大人600円、中学生200円(都内在住・在学者は無料)、65歳以上300円 |
アクセス | JR上野駅から徒歩5分 |
駐車場 | なし(周辺に有料駐車場あり) ※入園方法や展示動物などの最新情報は公式サイトで確認を |
<施設データ>
- 子ども用トイレ:〇
- おむつ替え:〇
- 授乳室:〇
- ベビーカー利用:〇
- ベビーカー貸出:〇
- コインロッカー:〇
- 館内飲食店:〇
- 館内売店:〇
「るるぶKids」の関連記事
» ハシビロコウに会える動物園は6つ!全国13羽の名前や性格は?なぜ動かない?
おすすめのアクセス方法は?
公共交通機関なら、JR上野駅公園口から正門まで徒歩5分、不忍口から弁天門まで徒歩5分。京成線京成上野駅の場合、弁天門まで徒歩4分。地下鉄の場合は徒歩10分近くかかります。
車の場合は、首都高速1号上野線上野出口から1km5分くらいで上野恩賜公園の有料駐車場。動物園専用の駐車場はありません。
おすすめの遊び方&過ごし方
まず、ジャイアントパンダについては観覧方法に指定があるので、公式サイトで確認を。正門から入園した場合は、前半は東園、後半は西園。弁天門から入園した場合は、前半は西園、後半は東園。東園も西園も、それぞれ見たい動物はたくさんいるので、おおまかな予定で動くのがベターです。好きな動物を見つけたら、次の園に移動する前に、もう一度、見に行っておきましょう。
東京都恩賜上野動物園 園内マップ
園内マップの右側が東園、左側が西園です
東園の注目はニシゴリラやホッキョクグマなど! いろいろなアングルで観察しよう
正門から入園すると東園です。いくつかのエリアに分けて注目の動物たちを紹介しましょう。
ニシゴリラは日本で6つの動物園でしか見ることができない希少な種類です
「ゴリラ・トラの住む森」のニシゴリラが暮らす場所には7頭のニシゴリラが群れで生活しています。ガラス窓の近くにゴリラがいる場合は間近で観察することが可能。その隣には、トラの中でも一番カラダが小さいスマトラトラを展示しています。近くには、バクがいたり「バードハウス」などもあります。
水の中をダイナミックに泳ぐホッキョクグマの姿を観察できることも
「ホッキョクグマとアザラシの海」では、陸上と水中で暮らすホッキョクグマの様子を地上と地下で立体的に観察できます。地下から地上のホッキョクグマの様子が見られるモニターなどもあります。隣にいるのは、ホッキョクグマと同じ生息区域に暮らすアザラシやアシカも見られます。
干し草を手で器用に食べる様子などが注目のプレーリードッグ
さまざまな角度からアジアゾウを観察できる「ゾウのすむ森」や、ニホンザルの群れが暮らす「サル山」、そして、その近くに、世界のサルやプレーリードッグなどがいます。プレーリードッグは、草を食べる姿や周囲の音に反応して立ち上がったり様子は見ていて飽きません。
西園には世界三大珍獣の3種が勢揃い! ハシビロコウなど珍しい生きものに興味津々
東園から「いそっぷ橋」を渡ると西園。あるいは、弁天門から入ると西園です。西園の敷地の約半分は不忍池で、そこには、コウノトリなどの鳥も暮らしています。また、ワオキツネザルの群れがいるエリアや「アイアイのすむ盛り」も不忍池の上&周辺にあります。なかでも珍しい“世界三大珍獣”たちを紹介しましょう。
ジャイアントパンダのオス「リーリー」。「シャオシャオ」と「レイレイ」のお父さんです
“世界三大珍獣”とは、ジャイアントパンダ、コビトカバ、オカピのこと。この西園では、その3種がすべて見られるのです。まず、ジャイアントパンダがいるのは、中国四川省の生態系をモデルにして、パンダが暮らす環境により近づけた「パンダのもり」です(観覧方法は公式サイトで確認)。近くに、レッサーパンダやキジ類の展示施設も併設しています。
コビトカバのそばにはカバがいるので、2種の違いを見比べてみましょう
オカピ、キリン、サイ、コビトカバ、カバたちが並んでいます。特に、オカピとコビトカバは“世界三大珍獣”。日本の動物園でも数カ所にしか展示していません。どんな動物なのか、じっくり観察してみてください。
ハシビロコウは一度見たあとに、また通りかかって観察してみましょう。同じ場所で動いていないことも多々あります
動かない鳥として知られるハシビロコウを4羽展示しています。じっとしているのは、エサの魚を捕らえるための習性といわれ、まれに翼を広げることもあります。近くには、カンガルーやペンギン、フラミンゴなどもいます。
東京都恩賜上野動物園ならではの体験にトライ!
小さいモルモットやウサギなどに大接近できます
「子ども動物園 すてっぷ」は、モルモットやウサギなどを間近で見られる子どものためのエリア。建物の中にはモルモットや動物について学べるさまざまな展示もあります。動物のふれあいプログラムは、2022年6月現在休止中。再開については公式サイトでチェックを。
子連れにおすすめ! 園内の立ち寄りスポット
飲食施設は、東園に「さるやまキッチン」、西園に「カフェカメレオン」があります。ギフトショップは、東園に「リトルトランク」、西園に「プチカメレオン」があり、ぬいぐるみやお菓子など、オリジナルグッズを中心に販売しています(営業状況については公式サイトをチェック)。
パンダ缶セット プティゴーフル&チョコクランチ1188円などパンダ関連のおみやげが人気です
小さい子ども連れファミリーに嬉しい、施設や設備
「子ども動物園 すてっぷ」内に子ども用のトイレがあります。授乳ができるベビールームは、さる山キッチン、弁天門近く、西園休憩所内の3カ所に設置(総合案内所、池之端門のベビールームは2022年7月現在、使用休止中)。おむつ替えができるベビーベッドも園内トイレのほとんどにあります。貸しベビーカーは1日500円です。
パンダにばかり話題が集まりますが、パンダ以外にも見どころがいっぱいで満足度は高いと思います。動物の種類が豊富なので、プレーリードッグやハシビロコウといった、自分だけのお気に入りを見つけられるのも大きな魅力です。
●掲載の情報は予告なく変更になる場合があります。おでかけ前に各スポットへご確認ください。
●旅行中は「新しい旅のエチケット」実施のご協力をお願いします。
『るるぶKids こどもの知的好奇心がすくすく育つ学びスポット 東京周辺』
子どもたちの知的好奇心を刺激してくれる“学びスポット”全89施設をピックアップ。図鑑などでもお馴染みの「恐竜」「動物」「昆虫」「宇宙」「乗り物」、そして日常の延長として親子のコミュニケーションを楽しめる「アート」「絵本・アニメ」「にほんの歴史」を加えた8テーマに分けて紹介しています。
監修者である脳医学者の瀧 靖之先生、そして各テーマの“達人”たちと選んだ“学びスポット”は、どこも子ども心をくすぐる工夫にあふれた施設ばかり。また巻頭には、瀧 靖之先生による「知的好奇心の伸ばし方」も収録していますよ。
子どもの成長にとって大事な知的好奇心を育てるスポットの数々。本書を参考に家族でおでかけしてみませんか。