めざせどんぐり博士!どんぐりの木は日本に何種類?見分け方・季節・特徴もチェック

どんぐりの種類

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近所の公園や道などに落ちている身近な木の実「どんぐり」。どんぐりってどれも同じと思っていませんか?実はいろんな種類があり、形もさまざまです。どんぐりの木の特徴見分け方のポイントを、ミュージアムパーク茨城県自然博物館・学芸員の伊藤彩乃さんに教えてもらいました。

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ミュージアムパーク茨城県自然博物館 学芸員 伊藤彩乃さんミュージアムパーク茨城県自然博物館 学芸員 伊藤彩乃さん
維管束植物が専門。日本の植物、とくに茨城県の植物について調査、保全活動を行い、植物の不思議やおもしろさを伝えている。カエルを捕まえたり、近所の山で遊んだりと自然に親しむ子ども時代を過ごしたそう。小学生のころ、友だちとどんぐり(シイの種類)を食べた経験も、自然に興味を持つ大きなきっかけに。

▶ミュージアムパーク茨城県自然博物館の公式サイト:https://www.nat.museum.ibk.ed.jp/
2024年1月21日まで第88回企画展「地衣類―木を、岩を、地面を彩る身近な生きもの―」を開催中!
あまり聞きなれない地衣類ですが、とても身近にいる生きもので、企画展では人やほかの生きものとのかかわりを紹介しています。

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※記事内の印の画像提供/ミュージアムパーク茨城県自然博物館

目次(index)

どんぐりの木ってなんの木? 日本に何種類?

コナラの木

コナラの木

私たちは通常、細長いまたは丸くてつるつるした茶色い実を「どんぐり」と呼んでいます。では、どんぐりがなる木は、どんな木なのでしょうか?

どんぐりの木は、日本に22種類!

どんぐりができるのは、コナラやクヌギといった「ブナ科の木」。日本に分布するものは22種類で、なかには日本固有種もあります。

どんぐりがなるブナ科の木は「コナラ属」「マテバシイ属」「シイ属」「クリ属」「ブナ属」と5つの種類に分けられます。そして、そのなかでも秋に紅葉して冬に葉を落とす「落葉樹」と年間を通して緑の葉をつけている「常緑樹」に分けることができます。

コナラ属
15種類
コナラ亜属
7種類
落葉樹 コナラ・ナラガシワ・ミズナラ・カシワ・クヌギ・アベマキ
常緑樹 ウバメガシ
アカガシ亜属
8種類
常緑樹 ウラジロガシ・オキナワウラジロガシ・アカガシ・ツクバネガシ・ハナガガシ・イチイガシ・アラカシ・シラカシ
マテバシイ属 2種類 常緑樹 マテバシイ・シリブカガシ
シイ属 2種類 常緑樹 スダジイ・ツブラジイ
クリ属 1種類 落葉樹 クリ
ブナ属 2種類 落葉樹 ブナ・イヌブナ

これらを覚えてどんぐりを見分けるのはちょっと大変ですよね。そこで、どんぐり拾いをしながら見分けられるポイントを、後で解説します!

どんぐりの木はどこにある?

22種類の木が、日本のどこでも見られるというわけではありません。育ちやすい気候、環境があり、地域によって身近で見られる木が違ってきます。雑木林や公園などではコナラやクヌギ、マテバシイが見られることが多いでしょう。

<どんぐりの代表的な生育地域>

  • 全国的に見られる:コナラ・クリ・カシワなど
  • 涼しい地域・場所で見られる:ミズナラ・ブナ・イヌブナなど
  • あたたかい地域で見られる:イチイガシ・シリブカガシなど
  • 沖縄や奄美地方など地域限定:オキナワウラジロガシ

同じ「どんぐり」と呼んでいても、実は住んでいるところによって違う種類のどんぐりを見ているかもしれないと思うと、おもしろいですね。

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そもそもどんぐりは何? 特徴は?

どんぐりは、ブナ科の木の「果実」!

どんぐりの特徴

どんぐりの殻は堅いので、タネと思う人もいるかもしれませんが、どんぐりはタネそのものではなく、ブナ科の木にできる果実のことで、中にタネが1つ入っています。果実と聞くとやわらかい果肉のあるフルーツを連想しがちですが、硬い果皮に包まれた果実で学術的には堅果(けんか)と呼ばれます。そして、どんぐりは帽子のような部分、殻斗(かくと)があるのが特徴です。実は秋の味覚「栗」もどんぐりの仲間で、栗を覆っているイガイガが殻斗です。

どんぐりの名前の由来は?

22種類もあるどんぐりの木ですが、そう呼ばれるようになった由来は諸説あります。

<どんぐりの呼称、さまざまな由来>

  • 丸くて栗のようなので、丸を意味する「団」に「栗」で「団栗」
  • 栗ほど役に立たないので「ドンな栗」から
  • 橡(トチ)の木(クヌギのこと)の栗「トチグリ」から
  • どんぐりをコマにして遊んだことから、コマの古い呼び名「ツムグリ」から
  • 昔、団子にして食べたので「だんごくり」から

昔から身近にあった実で、地域によって種類がちがうことから、いろいろな説がうまれたのでしょう。どんぐりは子どもも呼びやすくて、かわいいですよね。

                               

どんぐりの殻斗は帽子?パンツ?

どんぐりの特徴

どんぐりを題材にした絵本などでは、殻斗が帽子やパンツに見立てられることもあります。
図鑑などでは「帽子」「パンツ」「はかま」と書かれている場合も。実際は、殻斗はどんぐりの頭側、おしり側どちらに当たるのでしょうか?

どんぐりが落ちると、とがっている柱頭と呼ばれる部分を割るようにして根が生えるので、こちらが足と考えると、帽子という表現がしっくりきそうです。ただし、どちらが正しいというわけではありません。殻斗にも木の種類によって特徴があり、どんぐりを見分けるときのポイントになるので、どんぐりと一緒に観察してみると楽しいですね。

どんぐりの実がなるまで どんぐりの1年

どんぐりは秋に成熟して実ります。どのようにしてできるのか、どんぐりが実るまでをクヌギを例に簡単に解説します。

【春】

どんぐりの木(春)

どんぐりの木に新しい芽が開き、同じ木に雄花と雌花が咲きます。雄花の花粉が雌花の柱頭に受粉。雌花の子房がいずれどんぐりになります。

【夏】

どんぐりの実の様子(夏)

枝葉が茂り、どんぐりが少しずつ膨らんでいきます。

【秋】

どんぐり(秋)

どんぐりが大きく成長し、実が熟して落ちます。どんぐり拾いができるのは10月頃から。

【冬】

どんぐりの木の枝

地面に落ちたどんぐりは根を生やし、次の春に発芽。枝には冬芽が生え、次の春を迎えます。

どの木もおなじようなサイクルで四季を過ごしますが、どんぐりが実るまでの時間が木によって異なります。春に花が咲いてその年の秋に実る1年成と、受粉したあとあまり成長せずに冬を越し、翌年の夏に成長を始める2年成とがあります。

<1年成と2年成の種類>

  • 1年成:コナラ・ナラガシワ・ミズナラ・カシワ・イチイガシ・アラカシ・シラカシ・クリ・ブナ・イヌブナ
  • 2年成:クヌギ・アベマキ・ウバメガシ・ウラジロガシ・オキナワウラジロガシ・アカガシ・ツクバネガシ・ハナガガシ・マテバシイ・シリブカガシ・スダジイ・ツブラジイ

2年成でゆっくり成長するからといって、1年成よりもどんぐりが大きく育つかというと、そんなことはありません。なかには1年成よりも小さい2年成のどんぐりもあります。マテバシイなど2年成のどんぐりの木の枝を夏に観察すると、去年の枝には緑色のどんぐりが実り、その先の枝に今年受粉したばかりのどんぐりが見られるケースもあります。

どんぐりの木の枝の、どのあたりに実がついているかを観察できるようになると、立派などんぐり博士!です。

どんぐりの種類の見分け方は?

どんぐり

拾ったどんぐりが何の木の実なのか、拾いたいどんぐりの種類は何なのか。どんぐりを見分けるのには、まず「①殻斗の模様・形状」をチェック、さらに「②葉の形」「③樹皮の様子」を観察するのがポイントです。

ミュージアムパーク茨城県自然博物館「タネはふしぎだね!」より

ミュージアムパーク茨城県自然博物館「タネはふしぎだね!」より

見分けるポイント①:殻斗の模様、形状をチェック

殻斗の形をチェック

どんぐりを拾ったら、まず殻斗の形を観察しましょう。帽子のような殻斗には、上の写真の4つのタイプがあります。

<殻斗の形の4タイプ>

  • うろこ状のどんぐり:コナラ・ミズナラ・マテバシイ・ウバメガシなど
  • 横シマ状のどんぐり:シラカシ・ウラジロガシ・アラカシ・アカガシなど
  • 反りかえって全体をつつんだどんぐり:スタジイ
  • 反りかえってトゲトゲのどんぐり:ブナ・カシワ・クヌギ・クリ

見分けるポイント②:葉の形

次に葉の形を見てみましょう。鋸歯(きょし)と呼ばれる葉の縁のギザギザがあるかないか。葉の厚みや薄さはどうかな?常緑樹の葉は厚みがあり、広葉樹の葉は薄くやわらかいのが特徴です。

見分けるポイント③:木そのものや樹皮

どんぐりの木の樹皮

樹皮の様子はどんなかな?ゴツゴツと深い割れ目が入っていたり、なめらかだったり。コナラやクヌギは、カブトムシやクワガタが好きな木としても知られています。夏の雑木林でカブトムシをつかまえた木はコナラかクヌギの可能性大です。そして、公園や植物園、街路樹の木には樹名板に名前が書いてあることも多いので、それを目当てにするのもひとつの方法です。

関東で見かけるどんぐりの種類 

おもに関東周辺で見られるどんぐりを、「殻斗の形」に「葉」と「樹皮」の形状を合わせて、わかりやすい写真でご紹介しましょう。

殻斗が「うろこ状」の種類

コナラ

 

シラカシ
マテバシイ
ウバメガシ、ミズナラ

殻斗が「トゲトゲ」の種類

クヌギ
ブナ、カシワ

殻斗が「横シマ」の種類

殻斗が「全体を包む」の種類

スダジイ

どんぐりを拾ったあとの保存方法

どんぐりの保存法

どんぐりを拾ったら、どんぐりゴマや、やじろべえなどを作って遊ぶのも楽しいものです。拾ったあと、どんぐりが虫に食べられていないか選別しておくと安心です。

虫がいるどんぐり、いないどんぐりの見分け方

水に1~2日間つけておきます。浮いてきたどんぐりは、虫が実を食べて空洞になっています。沈んでいるどんぐりを使いましょう。

水に浸けたどんぐり

水に沈んだどんぐりを仕分けしたら、しっかりと乾燥させて。濡れたままだとカビが生えてくる可能性があります。直射日光ではひび割れの恐れがあるので、陰干しがおすすめ。新聞紙などの上に広げ、風通しのいい場所で乾かしましょう。

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どんぐりにいろんな種類があるとわかると、形や殻斗の特徴をじっくり見比べてみたくなります。今までと違うどんぐり拾いができそうですね。さっそくお気に入りのどんぐりを探しに、公園に出かけてみては?