季節の変わり目「寒暖差」が大きい理由は? 天気予報の活用術も解説【小学理科や自由研究、お出かけ前に!】

季節の変わり目「寒暖差」が大きい理由は? 天気予報の活用術も解説【小学理科や自由研究、お出かけ前に!】

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この時期、ポカポカ陽気の日が現れて、「春が来たなあ」とうれしい気持ちになったら、次の日にズドーンと気温が下がって凍えるような思いをすることがありますよね。冬から春へと季節が変わるときというのは、毎日少しずつ気温が上がっていくのではなくて、このように暖かい日と寒い日を繰り返しながら、いつの間にか暖かくなっているものです。なぜ、こんな季節の変わり方なのでしょうか。

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サイエンスライター・気象予報士 今井明子さんサイエンスライター・気象予報士 今井明子さん
京都大学農学部卒。2児の母。天気の話を中心に、生き物や自然にまつわる記事や書籍を多数執筆。気象科学館の解説員や防災講師、親子向けお天気実験教室の講師なども務める。著書に、「面白いほどスッキリわかる! 世界の気候と天気のしくみ」(産業編集センター)、「こちら、横浜国大『そらの研究室』! 天気と気象の特別授業」(共著、三笠書房知的生き方文庫)などがある。

冬はどうして寒いの?

冬は寒い。当たり前のことですが、それはなぜか、じっくりと考えてみたことはありますか? 実は、これは太陽の光の当たり方と深く関係しています。冬は夏に比べて太陽の高度が低く、昼間の時間が短くなります。そのため、地面は太陽からの光をあまり受け取れず、冬はどうしても寒くなってしまうのです。

季節の変わり目の寒暖差。それはなぜ?

季節の変わり目に寒暖差が大きい理由のひとつは、太陽の光です。太陽の光があまり当たらないと、地球の表面の温度は下がっていき、陸地のほうが海よりも冷えやすくなります。これにより、冬はシベリア付近に冷たくて乾燥した空気でできた高気圧ができ、そこから東の海上に向かって冷たい風が吹き出します。これが冬の季節風と呼ばれるもので、日本海側に大雪をもたらすことになります。

季節が進むと、偏西風がやってくる

季節が進み、北半球に徐々に太陽の光が当たるようになってくると、シベリア高気圧の勢力が弱まります。そして、今度は大陸の南のほうから暖かくて乾燥した空気でできた高気圧が偏西風という西風に乗ってやってきて、日本列島を通過します。このような大陸由来の暖かい高気圧のことを移動性高気圧といいます。

「温帯低気圧」が季節の変わり目の寒暖差の犯人

移動性高気圧が通過した後は、いわゆる「低気圧」と呼ばれる温帯低気圧が偏西風に乗ってやってきます。移動性高気圧と温帯低気圧が交互に日本列島にやってくるので、春先は天気が晴れから雨へと周期的に変わります。そして、この温帯低気圧こそが、季節の変わり目に寒暖差を引き起こす犯人なのです。

温暖前線と寒冷前線を伴う温帯低気圧

温帯低気圧を表す天気図

温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気でできています。暖かい空気と冷たい空気がぶつかると、そこで上昇気流が発生し、雲ができます。それが前線です。温帯低気圧に伴ってできる前線は、温暖前線と寒冷前線があります。

温暖前線は、冷たい空気の上を暖かい空気がゆるゆると上昇することでできるので、前線のある所では乱層雲から静かな雨が降ることが多いです。そして、寒冷前線は、暖かい空気の下に冷たい空気が潜り込むことでできます。ここでは暖かい空気が急上昇するので、積乱雲ができて激しい雨が降ることがあります。

低気圧が通過すると、天気や気温はどう変わる?

温帯低気圧の温暖前線と寒冷前線の間の三角形っぽい場所は「暖域」と呼ばれる場所で、暖かい南寄りの風が吹いています。ですから、温暖前線が通過した後は暖かくなります。逆に、寒冷前線の背後には冷たい空気があるため、寒冷前線が通過した後は、冷たい北寄りの風が吹いて気温が下がります。だから、温帯低気圧が通過することで気温が上がったり下がったりするのです。

季節の変わり目に役立つ天気予報活用術

春先は日によって気温の変動が激しく、天気も周期的に変わります。そこで、この季節ならではの天気予報の上手な活用術をご紹介。知っておけば日常生活の「こんなはずじゃなかった!」が減るはず!

週間天気予報を上手に活用するコツ

週末にお出かけや学校・園行事の予定があると、週間天気予報のチェックが欠かせません。ただし、週間天気予報は先の予報ほど当たりにくいため、月曜日の時点で土曜日の予報が晴れでも、金曜日になると土曜日の予報が雨に変わってしまうことがあります。

ですから、週末の天気が気になるのなら、月曜日に週間天気予報をチェックして安心するのではなく、毎日こまめにチェックして、予報が変わっていないかを確認しておくことをおすすめします。

週間天気予報の「信頼度」をチェックする

東京の天気予報

出典:気象庁HP

天気がすごく気になる人におすすめなのが、週間天気予報の「信頼度」のチェックです。この「信頼度」は、気象庁ホームページの週間天気予報に掲載されています。信頼度は、ABCの三段階で示され、Aがもっとも信頼度が高く、Cがもっとも信頼度が低いです。Aの表示があれば、予報が変わることは少ないのですが、Cの場合は今後、予報が変わる可能性が高いです。

ですから、週間天気予報をチェックするときは、信頼度も併せて確認してみてください。なお、信頼度は天気予報アプリの週間天気予報には記載されていないので、信頼度が見たいのであれば気象庁ホームページをチェックするようにしましょう。

毎日の天気は「時系列予報」をチェック!

週間天気予報

出典:気象庁HP

毎日の天気をチェックするとき、晴れや雨などのマークや降水確率、そして最高気温/最低気温を見るという人が多いのではないでしょうか。しかし、それだけでは天気予報のチェックは不十分です。できれば「時系列予報」をチェックする習慣をつけることをおすすめします。

気温や天気などの変化がわかる時系列予報

時系列予報とは、気温や天気などの変化が時間ごとにわかる天気予報です。これはテレビの天気予報で表示されることもありますし、アプリや天気予報アプリでも見ることができます。たとえば「晴れのち雨」という予報でも、時系列予報で外出している時間帯に雨が降らなさそうなら、傘を持ち歩く必要がないことがわかります。

天気予報の「雨」は、1mm以上の雨

天気予報で用いられる「雨」というのは、1mm以上の雨のことを指します。1mm以上の雨とは、傘が必要な雨のことです。小雨やぽつぽつと降る程度の雨は曇りマークで表示されます。天気予報アプリによっては、閉じた傘マークで表示されていることもありますよ。

しかし、小雨であっても外で長時間降られてしまえば体はしっとりと濡れてしまうので、曇りマークでも空がどんよりとしているのなら、折り畳みの傘を持っていくと安心です。

時系列予報を見て、服装をチョイス

時系列予報では、出かけるときの気温もわかります。通常では、最低気温は早朝に、最高気温は昼過ぎに記録することが多いのですが、一日中曇りや雨で、北寄りの風が吹き続けている場合は、朝に最高気温を記録し、夜に向かって気温が下がり続けることもあります。

しかし、時系列予報を見ておけば、外出している時間にどれくらいの気温になるかがわかるので、それに合わせた服装を選ぶことができるようになります。

気温に合わせて服装でうまく調節しよう

寒暖差の激しい季節で悩むのが服装選びです。これについては、下記に掲載した世界最大の民間気象情報会社、ウェザーニューズが公表している気温と服装の関係を参考にしてみてください。朝にちょっと外に出て、「この気温なら分厚い上着はいらないかな」と判断して薄い上着で外出すると、夕方に凍えそうな思いをすることもあり得ます。肌感覚はとても大切ではありますが、データと合わせて判断するようにしてください。

  • 25℃以上:半袖シャツ
  • 25℃未満:長袖シャツ
  • 20℃未満:ベストやカーディガン
  • 16℃未満:セーター
  • 12℃未満:トレンチコート
  • 8℃未満:冬物コート
  • 5℃未満:ダウンコート

子どものお出かけは気温に合わせた服装で!

子どもの場合は大人が寒いと感じても「上着を着ない!」ということがよくあり、必ずしも上の気温と服装の関係は当てはまりません。ただ、出かけるときに「上着は着ない」といったのに、外で急に「寒い」と言い出すこともあり得るので、念のため気温に合わせた上着を持ってお出かけすると安心です。

風速1m/sにつき体感温度は1℃低くなる

もうひとつ、体感温度も忘れてはいけません。同じ気温でも、風がないときと風が強いときでは体感温度が違います。風速1m/sにつき体感温度は1℃低くなります。たとえば、13℃の気温で風速5m/sなら体感温度は8℃となるので、冬物コートを着ていくことをおすすめします。また、風が強い場合はなるべく風を通さない素材の上着を着るようにするとよいでしょう。

3月は、「蜃気楼」がテーマ。蜃気楼って日本でも見られるんですよ! あの不思議な現象はどういう仕組みで起こるのかを今井さんに解説してもらいます。お楽しみに!

▼おでかけ前や自由研究に役立つ「天気のきほん」全シリーズはこちら!

» 6月:「梅雨」とは?梅雨前線が出来る仕組み・集中豪雨から身を守る方法
» 7月:「ゲリラ豪雨」とは?急な大雨の原因や仕組み、災害から身を守るコツ
» 8月:「雷」が発生する仕組みとは?雷の種類、よくある勘違いも解説
» 9月:「台風」とは?できてから消えるまでの仕組み、夏から秋に日本くる理由
» 10月:「雲」の種類は10種類ある!それぞれの特徴・高さ・天気との関係、実験動画も!
» 11月:「霧」とは?霧ができる発生条件・原因と種類を解説。雲海との違いも
» 12月:「木枯らし」とは?意味や木枯らし1号・「西高東低の気圧配置」について
» 12月:「高気圧」と「低気圧」とは?空気の力を実感できる実験動画も
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» 2月:「寒暖差」が大きい理由は? 天気予報の活用術も わかりやすく解説