富山に春を知らせる「涅槃団子」が可愛すぎる! |富山移住7

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冬の間、雪が続く富山では、ああもう春が待ち遠しい! 町中が春の訪れを今か今かと待ち望んでいます。春を告げるものはたくさんありますが、その中でも東京から富山に移住してきた私が、ちょっとテンションが上がったものをご紹介します。

目次(index)

3月の富山県

沢井家の5人/富山移住

富山の3月の気候は、日中なら10℃〜15℃。やっと公園で外遊びができそうな気配です。ただ、朝や夜はまだ寒く服装は冬仕様、子供の登園にはまだ冬のコートを着せています。また4月まで冬季休業する観光地もあるせいか、街の景色も本格的な春まであと一歩といったところです。

桜の開花も東京より2週間ほど遅いので、もう少し先です。太平洋側の東京や大阪に住んでいた頃は、桜と言えば3月後半の卒業式に満開というイメージでしたが、富山では4月の入学式の頃が見頃。桜の風景に太平洋側との違いを感じます。

チューリップの芽/富山移住

3月、桜はまだですが富山県で生産が盛んなチューリップの芽が出てきました

春を告げる「涅槃団子」が可愛すぎる!

涅槃団子/富山移住

涅槃団子

桜は言うまでもなく春の象徴ですが、地域によって春の訪れを知らせてくれるものは様々でしょう。

富山にも春を告げてくれるものはいろいろありますが、東京から移住した私にとって、衝撃的、ダークホース的な存在が「涅槃団子(ねはんだんご)」お守りです!「お釈迦団子(おしゃかだんご)」とも呼ばれます。これがめちゃくちゃ可愛いらしく、見た瞬間に心を奪われました。

そもそも「涅槃団子」って何?

涅槃団子とは、お釈迦様の命日の法要である「涅槃会(ねはんえ)」で配られる団子のこと。
お釈迦様の命日は旧暦2月15日ですが、涅槃会は法要は地域やお寺によって新暦2月15日〜3月中旬あたりに行われますが、涅槃会で団子を撒くのは、富山・石川・福井・長野・新潟等の北信越地方のお寺が多いようです。これらの地域では団子をお釈迦様の舎利(遺骨)に見立て、食べると1年間無病息災で過ごせると言われています。

長野県の「やしょうま」/富山移住

長野県の「やしょうま」

また涅槃団子の形は地域によって異なり、たとえば富山の涅槃団子は仏教の教えにちなんだ赤、青、白、黄色の丸い団子ですが、石川県の輪島市出身の方によると輪島ではお釈迦様の涅槃に駆けつけた動物のうち犬や鳥などをかたどった団子が撒かれ、また長野県では「やしょうま」と呼ばれる団子となるとのことでした。

涅槃団子いろいろ/富山移住

お釈迦様の命日は旧暦2月15日ですが、地域や宗派によっては、涅槃会は新暦の2月15日、また新暦と旧暦は約1ヶ月ずれることから毎年3月15日に日を固定して法要を行っているお寺もあります。私は、大阪の仏教系の幼稚園に通っていて「涅槃会」の行事はありましたが、団子のことは富山に来て初めて知りました!

そして、この涅槃団子は食べてもご利益がありますが、お守りにして子供に持たせる風習があります。

輪島市の涅槃団子

輪島市の涅槃団子

「涅槃団子」は子供のお守りになる

子供のお守りになる「涅槃団子」/富山移住

お寺からもらった涅槃団子を乾燥させたものを毛糸で編んだ小袋に入れてランドセルやカバンにつけるのだそうです。これがお守りのイメージを覆す勢いの可愛さです! 

鞄につけた「涅槃団子」/富山移住

我が家では、夫の母、子供のおばあちゃん経由でもらったのですが、パステルブルー、パステルピンクを使った「ゆめかわカラー」でとってもイマドキ。4歳長女は大喜びで早速、通園カバンにつけていました。

このお守りは、お寺の檀家さんや地域の方が作っているそうです。おうちのおばあちゃんからもらうほか、学童クラブでもらったと言う話も聞きました。また、今30代のママからは、子供の頃、涅槃団子のお守りを赤い毛糸で編んでもらいサクランボ風にするのが流行っていたと懐かしそうに教えてもらいました。その時その時の子供の流行や好みを取り入れているあたりに愛情を感じます。

なぜ本物の団子をお守りにするのでしょうか。様々な謂れがありますが、70代の方から「昔は子供も山に入っていたから、山で迷子になってもお守りの涅槃団子を食べれば無事に帰って来られると聞いたことがある」と聞きました。いつの時代も子供の無事を願う親の気持ちは同じですね。

涅槃団子以外に春を告げるもの

新しい涅槃団子のお守りをみると、春を感じますが、富山県には他にも春の訪れを告げるものがたくさんあります!

ホタルイカの身投げ(富山湾の各砂浜や漁港)

浅瀬まで浮上したホタルイカ/富山移住

富山県の名産であるホタルイカ。普段は深海に生息するホタルイカですが、3月〜5月の産卵期には浅瀬まで浮上しています。そのホタルイカが砂浜に打ち上げられて発光する現象が「ホタルイカの身投げ」です。身投げというと、物騒なイメージですが、海岸線が青白く輝く様子はまるで夜空が海に降ってきたかのよう。幻想的で美しい光景です。月明かりのない新月、もしくはその前後に発生しやすいと言われています。

そのホタルイカの生態を体験を交えて学べるのが、ほたるいかミュージアム(富山県滑川市)です。例年、産卵期には「ほたるいか発光ショー」を開催(2021年は3月20日〜5月下旬予定)、タッチプールではホタルイカに直接触れる体験も! 

»ほたるいかミュージアム(富山県滑川市)富山名物ほたるいかの不思議に迫る

魚津の春の蜃気楼(3月〜)

魚津の春の蜃気楼/富山移住

富山県魚津市は、江戸時代以前から蜃気楼の名所として知られています。
蜃気楼には「春型(上位)」と「冬型(下位)」の2種類があります。例年、3月下旬〜6月下旬に観測される「春型」は実際に見えている景色の上に、虚像が伸びたり反転したりする蜃気楼ですが、これが見られるのは魚津などの限られた地域だけという、とてもレアな現象です。とても珍しく神秘的な光景を求めて、全国から観光客がやってくるというのも納得ですね。
なお、2021年は2月13日に今季初の春型蜃気楼が観測されました。通年で観測を開始して以来、最も早かったそうです!

次回は4月。富山にも、いよいよ本格的な春が到来します。雪に覆われたながい冬があけた富山の様子をお伝えしたいと思います。

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