SDGs17の目標12「つくる責任 つかう責任」について、子どもにもわかりやすく簡単に説明します。私たちは地球の資源を使いすぎている!? 企業や大人だけの話ではありません。食品ロスも身近な問題点。日本と世界の現状や、課題となっている点、私たちにできる取り組みとはどんなものがあるでしょう?一緒に考えてみましょう!
SDGs17の目標を解説
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※この記事は、『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!SDGs』から抜粋して作成しています。
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つかう責任って?
私たちは地球の資源を使いすぎている!?
(出展)Global Footprint Network, Earth Overshoot Day
アースオーバーシュートデーは、地球の資源が赤字になる日を示しているよ。その日以降は、地球が再生できる量をオーバーして未来の資源を切り崩している状態に。また、世界中の人が日本人と同じ生活をしたら、地球は2.8個必要というデータも出ているよ。
たくさん使ってたくさん捨てている!
(出典)FAO
いろんなゴミの多さも深刻な問題。生産から消費の過程で捨てられてしまう食べ物は約13億t。これは世界で生産された食品の約3分の1。食べ残しや売れ残り、期限が近いという理由で、まだ食べられるはずの食品が捨てられるんだ。
日本の食品ロスは年間600万t以上
(出典)農林水産省・環境省「平成27年度推計」
まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物を「食品ロス」というよ。スーパーやコンビニから出る事業の食品ロスと家庭から出る食品ロスの2つがあるんだ。1年間の日本の食品ロスは、なんと東京ドーム5杯分とほぼ同じ量。国民1人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分の食料を捨てていることに。
食品ロスの半分近くは家庭から。「おなかいっぱいだから」「賞味期限が過ぎたから」そんな理由で食べ物を簡単に捨ててはいないかな?とにかく食べ残さないよう、気をつけてみよう。
世界の人口がさらに増えると資源や食べ物の消費も増える…。私たちも消費者として地球にやさしい選択をしていきたいね。
目標12のために子どもができる取り組みは?
目標12の課題を解決するために子どもでもできること、おうちの人といっしょに始められそうなことを紹介するよ。SDGsの目標はそれぞれが大きく関係し合っているから、1つの取り組みがほかの目標達成につながることもあるよ。
賞味期限と消費期限を間違えないで
(出典)農林水産省の資料をもとに作成
袋や容器を開けずに正しく保存した場合に、安全に食べられる期限が消費期限。お弁当などのいたみやすい食品に表示されているよ。一方、袋を開けずに正しく保存していた場合、品質が変わらずに食べられる期限が賞味期限。レトルト食品や缶詰、スナック菓子などに表示されているよ。賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではないから、大人の人に相談してみてね。一度開けてしまった場合は。期限に関係なく早めに食べよう。
この目標にもつながる → 目標2
「4R」を意識してみよう
リデュース(使わないで減らす)、リユース(捨てずに繰り返し使う)、リサイクル(資源の再利用)、リフューズ(不要なものを拒否してゴミを減らす)が基本の「4R」だよ。
<もっと知りたい!>
「4R」が基本だけど、最近はリペア(修理して使う)、レンタル(借りる)、リスペクト(大切にする)など、5つ以上のRが登場しているよ。どれも大事な考え方だね。
いろんなラベルをみよう
基準以上の品質があると国が認めた証の「JASマーク」や、フェアトレード商品を表すマークなど、どんなマークが商品についているかしらべてみよう。
おうちサルベージをしてみよう
冷蔵庫や食品の棚をくまなくチェックして、忘れられている缶詰、冷凍食品などを救出するのが「おうちサルベージ」。発見された食品で何がつくれるのかを考えてみよう。
短くなった鉛筆は補助軸で使い切ろう
鉛筆が短くなると使いづらくなるけど、そこで捨てるのはもったいない。補助軸があれば、短くなった鉛筆をまだ使うことができるよ。ギリギリまで大事に使ってみよう。
<こんなキーワードも調べてみよう>
目標12と国連が定める169のターゲット
SDGsの17の目標には、それぞれ細かいターゲットが設定されていて、合わせて169になるよ。各目標を実現するための具体策にはどんなものがあるか、目を通してみよう。
目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」のターゲット
- 12.1 開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、すべての国々が対策を講じる。
- 12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
- 12.3 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
- 12.4 2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
- 12.5 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
- 12.6 特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。
- 12.7 国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。
- 12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
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・監修:千葉商科大学教授・博士(政策研究)笹谷秀光
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