SDGs17の目標14「海の豊かさを守ろう」について、子どもにもわかりやすく簡単に説明します。ポイ捨てしていないかな?海を汚すのは私たち人間。このままでは海から魚がいなくなるかも…。日本と世界の現状や、課題となっている点、私たちにできる取り組みとはどんなものがあるでしょう?一緒に考えてみましょう!
SDGs17の目標を解説
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※この記事は、『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!SDGs』から抜粋して作成しています。
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海を汚すのは人間?
このままでは海から魚がいなくなる!?
(出展)NOAA/Woods Hole Sea Grant(WWFジャパンの資料をもとに作成)
魚のすみかである海の汚染が進んでいるよ。原因の1つは海洋プラスチック。海をただようプラスチックゴミのことで、世界的にも問題になっているよ。2050年には、海は魚より
プラスチックが多くなるともいわれているよ。プラスチックが細かく砕けるとマイクロプラスチックになり、魚がエサと間違えて食べると、有害物質が魚に取り込まれてしまう。その魚をさらに人間が食べることになるんだ。
乱獲によって魚の数は減少傾向
(出典)「The State of World Fisheries and Aquaculture 2020(FAO)」
もう1つ、魚を獲りすぎているという問題も。魚の獲りすぎ(乱獲)や違法な漁業によって多くの海の資源は限界に達したり、超えたりしてしまっているよ。まだ十分に利用できる水産資源の種類がたったの6.2%にまで減ってしまったんだ。魚がいなくなってしまう前に、海や魚を大事にする方法を考えなければいけないよね。
日本はプラゴミの多さワースト2位
(出典)国連環境計画(UNEP)の2018年度報告書をもとに作成
2020年、日本ではレジ袋が有料になり、レジ袋を辞退する人は増えているよ。だけど、スーパーやコンビニではていねいに包装された商品がまだまだたくさん売られていて、日本がプラスチックであふれていることがわかるよね。主要な国や地域の中で、1人あたりのプラスチック廃棄量はアメリカに次ぐ多さなんだ。
山に捨てようと、道に捨てようと、捨てられたごみが流れつく先は海。自然にも社会にも悪影響があるよ。まずはゴミを出さないこと。それから、プラスチックを正しくリサイクルする仕組みが必要。汚れたプラスチックはリサイクルできないため、捨てる前にきれいに洗うといった心がけもできるといいね。
目標14のために子どもができる取り組みは?
目標14の課題を解決するために子どもでもできること、おうちの人といっしょに始められそうなことを紹介するよ。SDGsの目標はそれぞれが大きく関係し合っているから、1つの取り組みがほかの目標達成につながることもあるよ。
エコバッグをいつも持ち歩こう
2020年にレジ袋が有料になってから、たくさんの人がエコバッグを持ち歩くようになったよ。お店によってはプラスチックのレジ袋ではなく、紙袋を用意しているところもあるけれど、紙も地球の大事な資源。エコバッグを持っていれば、どんな袋ももらわなくてすむね。折りたたみやすい素材のものをかばんに入れておくと便利だよ。
海岸に落ちているゴミを拾ってみよう
海岸のゴミ拾いは、実際にどんなゴミがどれだけ捨てられているかを自分の目で知ることができる場所。イベントとして行われていることもあるから、まずは参加することから始めてみよう。
この目標にもつながる → 目標13
ペットボトルは飲み残しなくきれいに洗ってリサイクル
ペットボトルをリサイクルするつもりで分別しても、汚れているとリサイクルできないんだ。もちろん中身は空にして、汚れているようなら洗ったり拭いたりして捨てることがポイントだよ。
マイボトルでペットボトルやストローを減らそう
水筒やタンブラーを持ち歩く人が増えてきたよ。好きな飲み物を入れておけば、ペットボトル飲料を買う回数が減るよね。最近は、ストローの使用を控えるお店や、紙ストローを使うお店もあるよ。
MSC、ASCラベルがついた魚を探してみよう
MSC「海のエコラベル」は持続可能な漁業で獲られた水産物、ASCラベルは、適切に管理された養殖場につけられるよ。このラベルがついた商品を選ぶのも、海を守る方法の1つなんだ。
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目標14と国連が定める169のターゲット
SDGsの17の目標には、それぞれ細かいターゲットが設定されていて、合わせて169になるよ。各目標を実現するための具体策にはどんなものがあるか、目を通してみよう。
目標14「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」のターゲット
- 14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。
- 14.2 2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。
- 14.3 あらゆるレベルでの科学的協力の促進などを通じて、海洋酸性化の影響を最小限化し、対処する。
- 14.4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
- 14.5 2020年までに、国内法及び国際法に則り、最大限入手可能な科学情報に基づいて、少なくとも沿岸域及び海域の10パーセントを保全する。
- 14.6 開発途上国及び後発開発途上国に対する適切かつ効果的な、特別かつ異なる待遇が、世界貿易機関(WTO)漁業補助金交渉の不可分の要素であるべきことを認識した上で、2020年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する。
- 14.7 2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
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