
千葉県鴨川市にある「キャンピングヒルズ鴨川」は、自然な環境に住むカブクワをつかまえることのできるファミリーにおすすめのキャンプ場。今回昆虫芸人の堀川ランプさんが、宿泊しながらポイント探しや仕掛けなど、カブクワ採集のコツを伝授。結果はどうだったかな?
(プロフィール)堀川ランプ
昆虫大好き芸人。変形菌にも詳しい。日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程修了。理系の研究発表を模した白衣スタイルでおこなうフリップ芸が人気。Youtubeで「堀川ランプの昆虫列伝」を配信中。日本変形菌研究会会員。成虫の会メンバー。
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キャンピングヒルズ鴨川はカブトムシ・クワガタ採集におすすめ!
海を臨むまち・千葉県鴨川市街地から車でおよそ10分山中に進んだ先にあるキャンピングヒルズ鴨川は、大自然に囲まれ風光明媚な景色が楽しめると人気のキャンプ場。ここでは敷地内で、昆虫採集を楽しむことができます!
クヌギやコナラなど大自然に囲まれた環境

キャンピングヒルズ鴨川の敷地内には、コナラの木を中心とした樹液の出る木が何本も自生しています。周りは豊かな自然に囲まれていて、初夏のシーズンになるとホタルが見られる棚田も徒歩圏内にあるので、カブトムシやクワガタを探しながら他の昆虫たちともふれあえるのがこのキャンプ場の醍醐味です!
自由に仕掛けができる

他のキャンプ場ではカブトムシやクワガタの採集に事前予約が必要だったり採集できる数に制限があったりと、自由に昆虫採集するのが難しい場所も多いのですが、ここは利用者であれば敷地内で虫取りがOK。なんと昆虫採集用の仕掛けを設置しても大丈夫なキャンプ場なんです!(最後に回収するのを忘れずに)
宿泊するサイトが選べる

サイトを自分で選ぶことができるのもキャンピングヒルズ鴨川の魅力!景色がよく見える場所・木陰になって涼しい場所など、自分の好みに合った場所を選んで宿泊することができます。混雑シーズン以外はスペースを広く使ってもいいのも嬉しいポイント。さらに、バンガローもあるため、家族連れやキャンプ初心者も安心して利用することができます。
宿泊してカブクワ採集を楽しもう
カブトムシ・クワガタ採集を狙い、実際にキャンピングヒルズ鴨川に宿泊しました!
仕掛けづくり
今回のカブトムシ・クワガタ採集には「バナナトラップ」という仕掛けを使いました。バナナトラップは作るのに少し時間がかかるので、あらかじめ家で作ってからキャンプに持っていくと良いでしょう。

バナナトラップの基本的な材料は以下の通り。
<バナナトラップ材料(1個分)>
- バナナ:2~3本
- お酒(焼酎・日本酒・ビール等):約200cc
バナナは新鮮な黄色いものよりも少し黒ずんで痛む手前のものの方がオススメです。また、ここに砂糖をスプーン1杯入れるとカブトムシやクワガタを呼び寄せる効果を高めることができます。
<手順>

【1】バナナを3㎝前後の幅に刻みます。皮はついたままで問題ありません。

【2】密閉できる袋を用意し、刻んだバナナとお酒を入れて封をし、軽くもんでなじませます。
【3】半日~2日、室内もしくは外に放置して発酵させたらバナナトラップの中身の完成!

完成したバナナトラップを仕掛けたり、また、使用後に持ち帰ったりするのに必要なので、キャンプには以下の道具も持っていきましょう。
- 洗濯ネットまたはストッキング(今回は洗濯ネットを使用)
- ひも(麻ひもでもビニールひもでもOK。長さは木の太さにもよりますが2m以上あれば十分。長すぎる場合はハサミで切りましょう)
- 使い終わったバナナトラップを持って帰るためのゴミ袋
仕掛けの設置。木を選ぶポイントや注意点は?

まずは明るいうちに仕掛けをセットするのに最適な場所を探します。
カブトムシやクワガタの好きな樹液がよく出るのはクヌギやコナラの木。キャンピングヒルズ鴨川に生えているのは主にコナラの木で、葉っぱが細長い卵形、縁がギザギザしているのが特徴です。

そんなコナラの木の中でも、写真のように樹液がしみ出して黒くなっているような場所が狙い目!
良さそうなポイントを見つけたら早速バナナトラップを仕掛けましょう。
バナナトラップの中身を洗濯ネットの中に移し替え、ひもで木にくくりつけます。良さそうなポイントが何個か見つかった場合は、何カ所かに分けて仕掛けをセットするのもオススメです。

この時、木の皮をむやみにはがしたり釘や画びょうを刺したりして木を傷つけないよう注意!
◆木の近くにアリが多い場合は注意

アリが大量にトラップに集まると他の昆虫たちを追い出してしまうので、カブトムシやクワガタが集まりにくくなってしまいます。樹液が出ている木にアリが沢山集まっている場合は、他の木を探すか、アリが集まっていない太めの枝を選んで仕掛けをセットするようにしましょう。

また、仕掛けをセットする場所を探していると、写真のようにスズメバチが止まっている場所を見つけることがあります。スズメバチは刺されると危険な昆虫なので注意が必要ですが、スズメバチがいるポイントは樹液の量が多くほどよく発酵していて、カブトムシやクワガタが集まってきやすいポイントでもあります。トラップは仕掛けず場所だけ覚えておいて、スズメバチが巣に帰って眠りにつく夜になったらまた来てみるのもいいですね。
仕掛けが完了したら、暗くなるのを待ちます。
仕掛けを見に行こう。結果は?

日没後しばらくすると夜の虫たちは動き始めます。懐中電灯を持って、足元に気を付けながら昆虫を探しに行きましょう!
この日は熱帯低気圧が千葉に接近していて、天候的にはあまり良くなかったこともあり、一通り見て回ってもカブクワはいませんでした。ただ、諦めずに1時間ほど間をおいて何回も根気よく探していると…。

木の隙間に何か発見!捕まえてみました。

コクワガタのメスでした!
近くにまだいるかもしれない!そう思って近くを探してみると…。

木の近くの地面で歩いているコクワガタのメスを発見!
バナナトラップ自体や樹液の染み出ている場所に虫の姿がなくても、そこに向かっている途中のカブトムシやクワガタが近くをうろついていることがよくあります。仕掛けに何もいなくてもあきらめず、近くの地面や木の幹を探してみましょう。
コクワガタのメスしか見つけていないのでそろそろオスも見つけたいなと思いながら、またしばらく時間をおいてバナナトラップを確認しに行きました。

洗濯ネットの上に黒い影が!

小ぶりですがコクワガタのオスでした!やった!
その後大雨に見舞われてしまったので採集は中止になってしまったのですが、最終的にコクワガタのメスを2匹、オスを1匹採集することができました!
今回の取材は夏が始まったばかりの6月に行いましたが、カブトムシやクワガタが活発になり数が増えるのは今からの季節!ぜひ自分の手で昆虫採集をする感動を体験してみてください!
採集後はどうやって持ち帰る?

昆虫ケースに落ち葉を入れて持ち帰ることもできますが、家に帰るまで半日程度であれば、一時的に写真のような仕切りのあるケースに昆虫を入れて持ち帰ることもできます。
もしもカブトムシやクワガタが沢山とれた時も、むやみに全てを持ち帰るのは良くありません。責任を持って飼うことができる数匹だけとっておいて、他は逃がしてあげましょう。
また、昆虫を持ち帰るときはなるべく寄り道をせずに帰り、早めに快適な飼育セットにうつしてあげましょう。特にこの季節は駐車した車の車内がとても暑くなるので、車の中に長時間放置すると、せっかく捕まえた昆虫が弱ってしまうので注意しましょう。
その他キャンピングヒルズ鴨川で見られる昆虫たち
キャンピングヒルズ鴨川の周りは自然がいっぱい!ここでは今回の取材で見つけることができたカブトムシ・クワガタ以外の昆虫を紹介します。
◆ムネモンアカネトラカミキリ

伐採された木の上で何匹もちょこまか動き回っていました。屋久島以南の島々と房総半島の南部でしか見られない、実は全国的にはなかなかお目にかかれない昆虫。
◆ベニシジミ

小型でオレンジ色のチョウ。春から秋にかけて何回か発生し、夏に発生するものは春に発生するものより黒っぽくなります。
◆ナツアカネ

アカトンボの仲間。水田の近くに住みます。羽化してしばらくは黄色っぽい色をしているものの、日が経つにつれて少しずつ赤くなっていきます。ナツアカネという名前ですが秋も見ることができます。
◆イチモンジハムシ

体長7~8㎝のハムシの仲間。青みがかった黒色に輝く前ばねと、黒い4つの点が並んだ黄色い胸部が特徴。
◆キマダラミヤマカミキリ

ビロードのような細かい毛に覆われた綺麗なカミキリムシでカブトムシやクワガタと同じく夜行性で樹液が大好き。
この他にもいろいろな種類の昆虫を見つけることができます!是非さがしてみてください!
昆虫採集の注意
- キャンピングヒルズ鴨川では利用者のみに敷地内での昆虫採集が許可されています。宿泊なしで昆虫採集のみの利用はできませんのでご注意ください。
- 出たゴミや使用済みの仕掛けは必ず持ち帰りましょう。
- 幹に釘や画びょうを刺すなど木を傷つけるようなことはしてはいけません
- 虫に刺されたり枝などで怪我をすることもあるので、できるだけ長ズボンをはいていきましょう。
- 夜に仕掛けを見に行く時は必ず大人の人と一緒に行きましょう。
キャンピングヒルズ鴨川の宿泊情報

今回はファミリーログバンガローを予約。広い室内には照明・シーリングファン・扇風機・電源があり、快適に宿泊することができます。クーラーはないものの窓を開けると風が通って涼しく、小さい子どもがいるファミリーにもおすすめ!
電気蚊取り機備え付けてありますが、採集した昆虫が弱ってしまう場合があるので、昆虫を持ち帰る時は使用を控えましょう。

広々とした天井。子どもも喜ぶ非日常な空間
BBQセット・シュラフ(4つ)・テーブル・イス(4脚)が一度に借りられる、バンガローレンタルセットの用意があります。食料は事前に持ち込む必要がありますが、荷物がぐっと減るので気負わず宿泊できますよ。冷蔵庫はありません。車で10分圏内にスーパーやコンビニがあるので、そこで買ってくることも可能です。
また、トイレや水場はバンガローの外・テントサイトと共有の場所にあります。

キャンプ場からは、隣接する二子嶺岡(ふたごみねおか)棚田を見ることができます。四季折々の風景を楽しむことができるほか、初夏にはホタルが飛んでいる姿を見ることもできるそうです。
特にバンガローの窓から見る眺望はばつぐん!
露天風呂や家族風呂が楽しめる

キャンピングヒルズ鴨川には、なんと露天風呂(岩風呂)が完備されています!ラベンダー・カモミール・ローズヒップなど毎日日替わりのハーブ風呂が楽しめます。キャンプを楽しんでかいた、汗を流してリフレッシュしましょう。
また、連休やシーズン土日以外は貸切の家族風呂も実施。現地受付または予約の際に、時間予約も受け付けています。
- 料金:大人500円、子ども250円
キャンピングヒルズ鴨川
住所 | 千葉県鴨川市宮2015-62 |
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問合先 | 0470-92-9979 |
料金 | 【テントサイト】1区画5000円 ※車1台、テント1張、タープ1張、5人まで(大人2名、子ども3名) 【ファミリーログバンガロー】1棟13500円 ※車1台、5人まで(大人2名、子ども3名)IN/OUT:12時~17時チェックイン/~11時半チェックアウト |
アクセス | 君津ICから約40分。安房鴨川駅から車で約15分 |
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