SDGs17の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」について、子どもにもわかりやすく簡単に説明します。インフラって?どんな事例がある?広く整っていても残る心配とは。日本と世界の現状や、課題となっている点、私たちにできる取り組みとはどんなものがあるでしょう?一緒に考えてみましょう!
SDGs17の目標を解説
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※この記事は、『るるぶ マンガとクイズで楽しく学ぶ!SDGs』から抜粋して作成しています。
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インフラって?
インフラがないと経済も発展しない!
(出典)(インターネット)ITUの推計をもとに計算/(衛生施設)JMP報告書「飲み水と衛生の進歩と格差(2000~2017)/(電話、水資源、電力)国連「持続可能な開発のための2030アジェンダ採択 持続可能な開発目標ファクトシート」
電気をつくる発電所、水道、交通に欠かせない道路や橋、たくさんの情報を伝えてくれるインターネットなど、生活になくてはならない設備がインフラ。
インフラがない生活なんて考えられないけど、開発途上国などの貧しい地域では、インフラが整わないから、経済の発展も遅れているよ。
<もっと知りたい!>
インフラとは、生活を支える基盤のこと。ガス、水道、電気、インターネットのほか、病院や公園などの公共施設も含まれるよ。正式にはインフラストラクチャーというよ。
インフラの格差は経済の格差に
(出典)国連「SDGs報告2019」
インフラ整備が不十分だと、産業の発展も不十分に。こうして、先進国と開発途上国では経済的にも格差が広がっていくんだ。製造業の利益を見ると、大きな差があるね。
電気や水があればつくれるものが増え、道路があればそれを運び、ネットがあればすぐに必要なやりとりができる。だけどこうしたインフラの整備が開発途上国ではとても遅れているよ。インフラを整えないと、産業の発展は難しいんだ。
日本は、インフラが広く整っているけれど
(出典)中小企業庁「我が国の自然災害発生件数および被害額の推移」をもとに作成
日本はインフラが整っているけど、災害に耐えられるかという心配があるよ。世界的にみても、日本は自然災害が多い国。災害時、いち早くインフラが回復することが求められているよ。
また、日本をはじめとした先進国は、インフラの老朽化が問題。インフラの寿命は50年が目安。日本は1960年代にインフラが一気に整ったけど、50年以上がたった今、多くのインフラが一気に寿命を迎えつつあるんだ。
目標9のために子どもができる取り組みは?
目標9の課題を解決するために子どもでもできること、おうちの人といっしょに始められそうなことを紹介するよ。
おうちキャンプをしてみよう
部屋のなかでテントを張って寝袋で寝たり、キャンプ料理をつくったりする「おうちキャンプ」。災害時、電気やガスが使えなくなったときの防災訓練にもなるんだよ。どんな食品やグッズがあると役立つかも、家族で話し合ってみよう。
家の中にどんな最新技術があるか調べよう
「ナノ●●」といったナノテクノロジー(顕微鏡で見るより小さな世界で物質を研究する技術)や、携帯電話の新しい通信システム5G。身のまわりにどんな技術があるか考えてみよう。
家の中で使われているインフラを見てみよう
電気、ガス、水道は、家庭のなかで当たり前にあるインフラ。そのおかげで電気がつき、調理ができ、お風呂に入ることができるよ。もしなくなったらどうなるか、想像してみよう。
<こんなキーワードも調べてみよう>
- 電線の地中化
- 自治体の通報アプリMy City Report
目標9と国連が定める169のターゲット
SDGsの17の目標には、それぞれ細かいターゲットが設定されていて、合わせて169になるよ。各目標を実現するための具体策にはどんなものがあるか、目を通してみよう。
目標9「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」のターゲット
- 9.1 すべての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域・越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。
- 9.2 包摂的かつ持続可能な産業化を促進し、2030年までに各国の状況に応じて雇用及びGDPに占める産業セクターの割合を大幅に増加させる。後発開発途上国については同割合を倍増させる。
- 9.3 特に開発途上国における小規模の製造業その他の企業の、安価な資金貸付などの金融サービスやバリューチェーン及び市場への統合へのアクセスを拡大する。
- 9.4 2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
- 9.5 2030年までにイノベーションを促進させることや100万人当たりの研究開発従事者数を大幅に増加させ、また官民研究開発の支出を拡大させるなど、開発途上国をはじめとするすべての国々の産業セクターにおける科学研究を促進し、技術能力を向上させる。
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