2030年、今目の前にいるあなたの子どもは何歳になっていますか? 子ども達が笑って暮らせる未来のために、2030年までに世界中でやるべき目標が作られました。それが「SDGs(えす・でぃー・じー・ず)」です。大人だけでなく、未来の主人公である子どもたちと一緒に、楽しみながら、無理なく取り組むことができるといいですよね。そこで、「るるぶKids」では“親子で楽しくできる”をテーマに、SDGsを考えていきます。
SDGsってなあに?
近年よく耳にする「SDGs」「サステナブル」という言葉。しかし、よくわからないというのが本音ではないでしょうか。一方で「子どもたちの未来に関係すること」となると気になりますよね。できるだけわかりやすく、考えてみましょう。
SDGsは世界共通の目標
SDGs(えす・でぃー・じー・ず)は、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略。これだけではピンときませんが、わかりやすく言うと、地球を守るために、国連が「2030年までにやるべき」と定めた世界共通の17の目標をさします。外務省や国連広報センターの公式HPで、誰でもその具体的な内容を知ることができますが、地球全体のグローバルな目標であるがゆえに、「私たちの家庭には、あまり関係ないのでは?」と感じてしまいがちです。
<SDGs17の目標を解説>
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<SDGsの公式内容はこちら>
●JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
このままでは未来がなくなる?
ですが、「なぜSDGsができたか」の背景をみると、子を持つ私たちにはぐっと身近になってきます。
それは、今のままのライフスタイルを続けていくと、近い将来、地球が続かなくなる可能性があるのです。気候変動、環境破壊、人口増加、貧困などの問題が大きくなり、このままでは地球で生き物が豊かに暮らし続けることができなくなる危惧が、いよいよ本格的なものになりました。
そこで、「環境・社会・経済の3つの観点から、この世の中を持続可能にしていく」という考えのもと、世界中のみんなで取り組むべき目標=SDGsが発足したのです。
SDGsの目標達成時期は2030年。つまり、子どもたちの幸せな未来を守るためには、この10年がとても大切。どこかのイチ企業が頑張るだけでは追いつかず、世界中の一人一人ができることをしないと地球が危なくなります。
キーワードは「ずっと続く(サステナブル)」
SDGsと同様に、「サステナブル」という言葉も昨今よく聞かれますね。サステナブルは、SDGsの最初の“S”。「持続可能な、ずっと続く」という意味で、SDGsのキモとされるキーワードです。
企業などがSDGsを意識した具体的な活動を示す時に、サステナブルという表現をよく使っています。食品やファッションなどの身近な商品にも、素材や製法がサステナブルであることを標榜したものを見かけるようになってきました。
ということは、商品を作る側も買う側も、「それがサステナブルかどうか」という意識や視点をもつことが、SDGsの達成につながると考えてよさそうです。
最近広がりつつある「レジ袋を減らして、ずっと使えるエコバックで買物をする」これもサステナブルな行動のひとつです!
親子で楽しくSDGs <あそび編>
未来の主人公である子ども自身も、サステナブルな生活意識を持てるようになるといいですよね。小学校では、授業の一環としてSDGsを学ぶ機会が増えてきていますが、未就学の小さな子どもたちには、願わくば、教育としてよりも“楽しくあそびながら、自ずとサステナ活動→SDGsにつながる”というのが、「るるぶKids」が考える「親子のSDGs」。普段の親子あそびから、SDGsにつながることを探してみましょう!
お友だちとあそぶ
お友だちとあそぶことは、子どもの日常。あそびを通して、家族以外の存在や、自分と他人の違いを自然に学んでいきます。それらは、SDGsの「5.ジェンダー平等」「10.不平等をなくす」「16.平和公正」などの目標を考える土台となるでしょう。
また、あそぶおもちゃはずっと使える素材のものを選んであげるのもサステナ行動ですね。
動物や生き物に親しむ
一緒に動物園や水族館にお出かけしたり、図鑑を見たり。動物や生き物に触れると、命を大切に思う気持ちが育まれます。「どんなエサを食べるのかな?」という興味から、年齢に応じて、海のゴミ問題や自然破壊のことをお話してあげてもよいですね。
自然あそびをする
海水浴・キャンプ・ハイキングなど、自然のなかで思いっきりあそぶことは、子どもの健やかな成長にもってこい!ゴミの持ち帰りなど、アウトドアあそびのマナーからは、自然を大切に思う気持ちが芽生えるでしょう。「もしも海がゴミだらけになっちゃったら、楽しく泳げなくなっちゃうね。お魚さんが死んじゃうね」などと、会話も広がりそうです。
また、遠出をせずとも、近所の道端に咲いているお花や草花を見つけたり、虫探しを楽しむのもよいですね。
おいしくご飯を食べる
子どもの栄養に気を配ったり、好き嫌いをなくす工夫をしたりと、日々奮闘しているママパパは多いでしょう。言うまでもなく、子どもの健康に直結していますね。
食べ物がどこでどのように作られるのか、絵本や工場見学などで楽しく知ったり、お料理を一緒したりすると、食への興味が深まり、食品ロスなどと向き合うきっかけにもつながりそうです。
親子で楽しくSDGs <日常生活編>
SDGsには、自分のことだけでなく、他人や遠い外国の人々、地球の自然のことも大切に思える心が欠かせません。
手洗い・うがい+予防接種
コロナ禍の生活によって、手洗いうがいがしっかりと習慣づいたことは、日々の健康管理にとてもよいことですね。
また、子どもをあらゆる感染症から守るため、年齢によって定められた予防接種を受けることも大切なことです。予防接種は、自分自身を守るだけではなく、今回の新型コロナのような世界規模の感染拡大の事態を防ぐためにも、有効なのです。
抱きしめる
未就学の子どもたちには、途上国の現状や環境問題などは、リアルに想像がつきにくいでしょう。成長と共に、地球が抱える問題を「自分事」として寄り添える気持ちの土台となるのは、自分を大切に思う気持ち=自己肯定感です。抱きしめる、よいところをほめる、一緒にあそぶ、笑い合う…親子の温かな関わりは、すべてのSDGsにつながっていきます。
親子で楽しくSDGs <マーク探し編>
子どもはマークやイラストが大好き!スーパーなどでお買い物をする際に、環境に配慮した信頼できる商品の証であるマークを、親子で宝探しのように探してみるのも楽しそうです。マークの意味を知ることを大切ですが、認証マークの商品を消費することが地球を守ることにつながる仕組みになっているので、立派なサステナ活動になります。
MSC「海のエコラベル」:魚をつかった製品、お総菜やおにぎりにも!
いつまでも魚を食べ続けることができるよう、海洋環境や水産資源に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物に与えられる認証マーク。漁業はもちろんのこと、水産物の加工・流通の過程でも審査が行なわれ、厳しい審査をクリアした製品にのみこのマークをつけられます。MSCラベルがついた商品を買うことで、世界の海洋保全を間接的に応援できる仕組みになっています。
FSC®認証マーク:紙袋、紙パックのドリンク、トイレットペーパーなど
適切な管理がされた森林から収穫された木材などを、原料として使用している商品につけられる認証マーク。木材製品や紙製品についています。FSC®認証マークがついた商品を買うことが、森を守ることにもつながります。
有機JASマーク:オーガニックの野菜、食品など
農林水産省の品質基準を満たした有機野菜、有機農産物にだけつけられる認証マーク。スーパーなどの店頭で「有機○○」「オーガニック」と表示していいものは、実はこの有機JASマークがついているものだけ!農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された食品である安心の証。自家焙煎珈琲店などの店頭でも見ることがありますよ。
レインフォレスト・アライアンス認証:チョコレートや果物など
森林の保全から労働者の人権に至るまでの厳しい基準を満たした農園にあたえられる認証マーク。カエルが描かれている理由は、南極大陸以外のすべての大陸に生息しており、環境の変化に敏感な生物のため、環境条件を知る目安とされていることからだそう。チョコレートや珈琲、果物、お茶などで見つけることができます。
●レインフォレスト・アライアンス
SDGsは、子どもたちの未来のためのもの。小さな子どもたちには、無理にその意味を理解させようとするよりも、まずは子育て中のママパパがサステナブルな視点を持ちながら、日頃の親子の楽しい時間をより豊かなものにしていけるといいですね。
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