カブトムシ成虫の育て方は?エサや飼育ポイントを初心者向けに解説

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カブトムシ・クワガタ飼育ガイド!/昆虫芸人 堀川ランプ監修

子どもたちに大人気・カブトムシの飼育の仕方を詳しくご紹介します!必要な道具やセッティングのコツ、お世話のポイントなどを昆虫芸人の堀川ランプさんが解説。昆虫飼育は自由研究のテーマにもつながりますし、生きものの寿命も学べるとても貴重な体験になります。ぜひ、夏休みに親子で大切に育ててあげてくださいね。

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堀川ランプさん(監修プロフィール)堀川ランプ
昆虫大好き芸人。変形菌にも詳しい。日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程修了。理系の研究発表を模した白衣スタイルでおこなうフリップ芸が人気。Youtubeで「堀川ランプの昆虫列伝」を配信中。日本変形菌研究会会員。成虫の会メンバー。当記事のイラストはすべて堀川ランプさん本人のよるもの!
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快適な昆虫部屋を作ろう!コバエ予防法も!

カブトムシ飼育の第一歩は、カブトムシにとって快適な部屋をつくること。基本の飼育セットを用意してみましょう。

快適な昆虫部屋を作ろう!イラスト

カブトムシの飼育に必要なもの

  • ケース
    1匹なら採集用の虫かごで十分ですが、複数匹の場合は大きめのケースを用意しましょう。
  • 腐葉土(ふようど)または昆虫マット
    腐葉土とは、読んで字のごとく“落ち葉を腐らせた土”のことで、多くの養分を含みます。ペットショップやホームセンター、またはインターネットでも手軽に買えます。生花店で売っている腐葉土もありますが、植物の生長を助けるための農薬がはいっている場合があるので注意しましょう。(公園の土を持ち帰るのはNG。粘土質で昆虫の飼育には不向きです!)
    また、最近は昆虫マットという飼育用のマットもあります。
  • 朽木(くちき)
    カブトムシ・クワガタがつかまったり、卵を産んだりする場所です。容器の中でひっくり返ってしまった際、カブトムシ・クワガタムシが足を引っかけて起きあがるためのものでもあります。なので、ある程度太さがあった方が◎。公園で拾ってきた木は農薬がついている場合があるので、ペットショップやホームセンターで売っているものがおすすめ。夏のシーズンは、100均などにも売っていますよ。
  • えさ
    昆虫ゼリーがおすすめです!バナナやリンゴでもいいですが、コバエが発生しやすいので注意してくださいね!

セッティングの仕方

  • ケースに腐葉土を10センチくらい敷きます。買ってきたばかりの腐葉土は、基本的に適度な水分量になっている場合が多いので、そのまま使ってOK。
  • クワガタは朽木に卵を産む種類が多いので、とまり木用の朽木とは別に、朽木をマットの中に埋めておきましょう。(ノコギリクワガタは、やや水分量が多い方がいいので、水分補充をしましょう)
  • ケースとふたの間に不織布を挟んでおくと、コバエ予防になるのでおすすめ!

カブトムシの成虫の育て方は?

お世話って大変なんじゃ……という心配はご無用!実はカブトムシのお世話は大きく2つだけで、とっても簡単なんです。

お世話のポイント

エサやり 目安:エサがなくなったら

エサを毎日替える必要はなく、食べきってから新しいものに交換してください。また、羽化した直後はさなぎの時の栄養が残っていてあまり食べないこともあります。食べないからといってあまり過度な心配はせず、様子を見て2~3日に1回交換してみましょう。動きが活発になる6~7月頃は、1日でゼリー1つを食べきってしまうほど食欲があることも!

霧吹き 目安:3日おきに確認

腐葉土や昆虫マットの表面は、適度な水分が必要。土の表面がしっとり濡れるように霧吹きをしましょう。雨がさっと降ったあとくらいが量の目安で、昆虫にかかっても大丈夫です。

ケースはどこに置くのがいい?

カブトムシ・クワガタは夏の虫なので、暑い環境が好きと思われがちですが、野生では夜に活動しており、涼しい環境を好みます。よって、玄関など直射日光の当たらない場所に置いてあげましょう。

カブトムシの産卵期のお世話のポイント

オスとメスを一緒の容器で飼育して交尾が確認できたら、メスが産卵に専念できるように産卵セットへ移してあげると管理がしやすくなります。
基本的な産卵セットの作り方は以下の通りです。

  • 腐葉土を押し固めながら10センチ以上容器に入れる。
  • 表面をふわっと覆うようにさらに腐葉土をかぶせる。
  • 転倒防止用の止まり木と餌を入れて完成!

これに加えて、保湿のため表面にミズゴケを敷くのもオススメです。
産卵から1ヶ月~1ヶ月半もすると卵から幼虫が生まれ、容器の底や側面からその姿を観察することができるようになります。幼虫の姿が確認できたら産卵セットの中身の腐葉土を全部出して、幼虫を個別のケースに移し替えると良いでしょう。

カブトムシの成虫飼育のポイント こんなときどうする?

旅行に連れていきたい

大好きな昆虫と一緒に旅行したい気持ちはわかりますが、移動による振動や気温の変化は昆虫にとって大きなストレスになってしまいます。なので、長期間家をあける時以外は基本的に旅行に連れて行かないようにしましょう。カブトムシやクワガタは餌さえあれば3~4日は世話をしなくても大丈夫。数日間の旅行であれば家を出る前に餌を少し多めに与え、容器を直射日光の当たらない涼しい場所に移して留守番をしてもらいましょう。

カブトムシの表面にあるプツプツってなに?

カブトムシの体に白いプツプツがついているときがあります。それはダニの可能性があり、放置していると早く弱ってしまいます。不要な歯ブラシと流水でゴシゴシ洗ってあげるのと同時に、その時も腐葉土やマットはすべて交換してください。

カブトムシとクワガタを一緒に育成したい

カブトムシもクワガタも、共に樹液を餌とするライバル同士の昆虫。それぞれ角と大あごという強力な武器を持っているため、カブトムシとクワガタを一緒の容器で飼育するとケンカして弱ってしまいます。できるだけ別の容器で飼育するか、どうしても一緒に飼いたい場合は大きな容器に何個か餌場を用意しましょう。

何頭も一緒のケースの中で飼育していいの?

カブトムシとクワガタなど違う種類ではなく同じ種類であっても、エサが足りないとケンカをしてしまい、傷ついたり弱ったりしてしまいます。寿命を縮めてしまうことになるので、なるべく1頭ずつ違うケースで飼うようにしましょう。また、オスとメスを一緒に飼って繁殖を目標とする場合は、1週間から10日ほど一緒のケースに入れたあと、メスが安心して産卵にのぞめるよう別のケースに移してあげてください。

引っ張ったら脚が取れてしまった!

残念ながら脚が取れてしまった場合、ふたたび生えてくることはありません。その昆虫にはそれ以上触らないようにしてそっと大切に育てましょう。
また、お子さんが気になるあまり、毎日持ち上げたりケースから出して遊びたがるかもしれませんが、弱ってしまうためおすすめしません。頻度を減らして、ケースの外から観察するよう促してあげてください。外からでも、興味深い動きはたくさんしてくれますよ。

幼虫をたくさん産んで欲しい

メスに卵を沢山産んでもらうには、まず栄養豊富な餌が必要です。昆虫用ゼリーには、産卵のために必要なたんぱく質が多めに配合されている種類もあるので、餌を買うときにチェックしましょう!
また、産卵期間中のメスは非常にデリケート。観察したりケースから出したりするのをひかえてあげると、安心して卵を産んでくれます。
沢山卵を産んでくれるのはもちろん嬉しいことですが、生まれた幼虫や、そこから羽化させた成虫を野外に逃がすと野生のカブトムシの数のバランスを崩してしまうことになりかねません。卵を産ませる前に家の中で最後まで飼育できるかをよく考え、話し合っておくことが大切です。

カブトムシの寿命はひと夏

カブトムシの一生はほぼ幼虫期間。成虫の寿命は、ひと夏といわれています。6~7月が最も元気なころですが、8月になると徐々に寿命が近づいてきます。そのため、夏の終わりに採集したカブトムシはすぐに寿命を迎えることもあるのです。

頑張って飼育していたカブトムシが死んでしまったら?

公園や公共の土地に埋めると、人間界の菌を自然界に持ち込むことになってしまうのでNG。心が痛みますが地域の分別に従って処分するか、もしくは家の庭や植木鉢に埋葬してあげると、きちんとお別れができていいですね。
子どもにとっては、身近な死にふれる大切な機会。生き物には寿命があることを話して、悲しむ気持ちに寄り添ってあげましょう。

子どもにとって、さまざまな学びが得られる昆虫飼育。カブトムシの飼育はあまり難しくないので、ぜひ愛情をもって楽しんで育ててあげてください。

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詳しい付録の作り方や使い方はこちら
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書名 『るるぶKids こわくない!カブトムシ・クワガタの採集と飼育』
定価 1650円(10%税込)
判型 AB判、本誌96ページ(ソフトカバー)、別冊付録32ページ(いずれもオールカラー)
発売日 2023年6月23日(金)
発行 JTBパブリッシング

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