6月といえば、祝日がない月、梅雨で外出がおっくうな月、というイメージがあるかもしれません。ですが、梅雨の時期ならではのアジサイやホタルの鑑賞、旬のサクランボ狩り、一年でこの時期しかできない「梅仕事」の楽しみなどがあります。夏至の夜を「短夜」と呼んでホタル狩りを楽しんでいた昔の人々にならって、親子で季節ならではの楽しみを見つけてみましょう。
子ども歳時記
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『るるぶ』の名前の由来は、「見る+食べる+遊ぶ」×「知る+創る+学ぶ」。『るるぶKids歳時記』では、この『るるぶ』ならではの視点で、月ごとに親子で楽しみたいこと、知っておきたいことなどをご紹介します!
6月の「知る」:親子で知っておきたい年中行事
太陽の動きをもとに一年を24に分け、季節を表す言葉をつけたものを二十四節気(にじゅうしせっき)といいます。6月は「芒種」と「夏至」。夏至はニュースでも耳にする言葉で、小学校の理科の学習でも出てきます。
6月の暦「芒種」(6月5日)、「夏至」(6月21日)
●芒種(6月5日):夏至までのおよそ15日間
「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。芒(のぎ)は、稲や麦などの花の外側についている突起のこと。芒のある穀物の種をまく季節ということから、芒種と言われます。現代は品種改良が進んだことなどから、実際にはもっと早い時期に種まきをしています。
●夏至(6月21日):一年でもっとも昼が長い日
夏至は、北半球で「一年でもっとも昼が長く、夜が短い日」です。冬至と比べると、昼間の時間は4時間以上も長くなります。平安時代の貴族たちは、短い夜を「短夜(みじかよ)」と呼びいつくしみ、夏の季語にもなりました。暦上は夏の真ん中ですが、実際には梅雨真っ盛り。夏至をすぎると、まもなく本格的な夏の暑さのピークがやってきます。
梅雨入りはいつ? 関東は6月7日の予想
「梅雨入り」や「梅雨明け」は、気象庁の地方ごとの気象台の観測にもとづいて発表されます。
平年によると、東海・近畿・中国地方は6月6日、関東地方は6月7日に梅雨入りとの予報。雨が続く日々はうっとうしいですが、農作物や生活用水の水不足を防ぐたいせつな役割もあります。公園の噴水やじゃぶじゃぶ池などの水遊びやプール遊びも、水不足のもとでは楽しむことができません。
お出かけがままならない時期ですが、子どもと「梅雨のたいせつな役目」をお話して、前向きに夏を待ちながら、室内あそびやで屋内スポットで楽しく過したいですね。
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父の日(6月16日)は何をする?
「6月の第三日曜日」が父の日。2024年は6月16日です。父の日は、1950年頃にアメリカから日本に伝わったとされていますが、今のように年中行事として浸透したのは、1981年に日本ファーザーズ・デイ委員会が設立したことがきっかけ。
ところで、母の日といえばカーネーションですが、父の日にもお花があるのを知っていますか?アメリカで白や赤のバラを贈る風習がありますが、日本では「黄色いバラ」とされています(前述の日本ファーザーズ・デイによる黄色いリボン運動がきっかけとのこと)。黄色いバラの花言葉は「献身」。日頃、家族のために頑張っているパパへの感謝の気持ちに贈ってみてはどうでしょうか?
小さな子どもは、似顔絵やカードを書いたりして、感謝を記すことが多いでしょう。家族そろってパパが行きたいところにお出かけをしたり、外食をして楽しむファミリーも多いようです。
夏越しの祓(6月30日)と水無月
6月下旬に、神社で大きな茅の輪を見かけたことはありませんか? これは「夏越の祓(なごしのはらえ)」という年中行事。茅の輪をくぐって今年前半の穢れをはらい、後半も無事に過ごせますようにと願うものです。「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」とも呼ばれます。
多くの神社では、茅の輪の近くに「くぐり方」の説明書きがあるので、親子でよく読んで、作法を守ってくぐってみましょう。基本的には、「左まわり → 右まわり → 左まわり…」と8の字を描くように3回くぐって回ります。
また、夏越の祓には「水無月(みなづき)」という小豆の和菓子を食べる風習があります。特に京都で、は夏越しの祓の頃に食べると無病息災で過ごせると伝えられ、今でも行事食として親しまれています。
6月の体調管理 梅雨不調に注意
梅雨の季節は、「なんとなくだるい」「体がおもい」「頭痛や肩こりを感じる」といった体調不良が起こりやすい時期です。梅雨不調や気象病などとも呼ばれます。
こうした体調不調が生じやすい理由のひとつは、気温や気圧の変化が大きい時期であること。気温や気圧の変化は、自律神経のバランスの乱れに影響をあたえます。大人だけでなく、子どもでも同様です。
自律神経の働きを保つには、適度な運動で体を動かすことがおすすめ。『るるぶKids』の雨の日でも遊べるスポット情報もぜひチェックしてくださいね。
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6月の「つくる」:子どもと梅仕事を楽しもう
親子で楽しむ「梅仕事」
2月から3月にかけて見頃だった梅の花が散り、春先に実をつけ、6月はいよいよ、みずみずしい梅の実が店頭に出はじめる季節です。その年に収穫された梅の実を使って、梅干しや梅シロップ、梅酒などを手作りする「梅仕事」は、日本の四季を楽しむ昔ながらの風習です。梅仕事ができるのは1年で6月の時期だけ。親子で楽しめる「梅仕事」、簡単にできるレシピや手順も『るるぶKids』で公開中!ぜひ参考にしてみてくださいね。
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折紙でさくらんぼをつくろう
雨の日の室内あそびとしておすすめの折紙。今月は、旬のさくらんぼの折り方をご紹介します。
<動画はこちら!>
<本の詳細はこちら>
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6月の「学ぶ」:昆虫、星空・天体、旬の食べものなど
6月の昆虫「ホタル」を見たことある?
5月下旬ごろから夜空に幻想的に舞うホタル(蛍)。平安時代の貴族たちは、前述した「短夜」をホタル狩りをして楽しんだと言われています。清少納言は『枕草子』で「夏は夜。月のころはさらなり。闇もなほ、ほたるの多くとびちがひたる。」と綴りました。
ホタル狩り、ホタル観賞のイベントに、ぜひ親子で参加してみませんか?
各地のイベント情報はこちら。
<全国のホタル観賞スポット>
■ 北海道・東北
北海道・東北(青森・山形・福島)
■ 関東
関東のホタル祭りやガイド付き観賞会10選 /
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■ 東海
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■ 甲信越・北陸
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6月の花「アジサイ」なぜいろいろな色があるの?
アジサイは「紫陽花」と書きますが、紫以外にも青、ピンク、白など、いろいろな色があります。皆さんがよく見かけるアジサイは何色ですか?
アジサイには、土の酸度(pH)によって色が変化するという特徴があります。酸性の土壌では青い花、中性~弱アルカリ性の土壌ではピンクの花が咲きます。よって、土壌の変化で、同じ場所でも年々色が変化することがあります。また、この特性をいかして、土の状態を調節することで、好みの色の花を咲かせることもできるのです。
6月の星空 月が土星に接近
画像:国立天文台
6月27日から28日にかけて、真夜中の南東の空では月が土星に接近。28日の1時頃に最も接近し、月に負けない光を放つ土星を見ることができます。子どもには鑑賞しづらい時間帯になりますが、親子で上のイラストを見ながら、夜空を想像するのも良いですね。
6月の満月は「ストロベリームーン」
6月の満月は6月22日(月)。アメリカの農事暦では「ストロベリームーン(=苺月)」とも呼ばれます。毎年6月になるとイチゴが実ることから、この名前が付いたとか。
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6月の旬の食べもの
今は科学技術が進み、一年を通じて食べられる食材が多くなったものの、やはり「旬」を取り入れた食事はおすすめ。旬の時期は、そうでない時期に比べて、栄養価が2~3倍と言われます。また、出荷量が多くなる旬は、価格も安くなります。ぜひ、子どもと旬のおいしさを味わってください。
●6月が旬のフルーツ
先述したように、6月はみずみずしい梅が店頭に出る時期です。また、さくらんぼ狩りやブルーベリー狩りが楽しめる季節です。びわも梅雨に旬を迎えます。びわは日本では江戸時代から栽培されていて、俳句などの季語にもなっています。
●6月が旬の野菜
6月はキュウリ、トマト、ズッキーニなど、ミネラルたっぷりの夏野菜が多くではじめます。また、新ゴボウがおいしい時期です。ゴボウは一般的に冬に収穫されますが、秋に植え初夏に収穫したものを新ゴボウといいます。完全に成長しきる前の若い状態なので、柔らかく、やさしい風味で、サラダや卵とじ、柳川鍋にしてもおいしいですね。
●6月が旬の魚
ハート型がかわいいキスの天ぷら
アユ、キス、イサキ、トビウオ、マアジなどが旬を迎えます。旬の魚は、よく脂がのっておいしいです。夏野菜とともに天ぷらにして食べてもいいですね。
6月のおすすめイベント・スポット
6月のおすすめは「宇宙」!雲に覆われている日が多い時期だからこそ、プラネタリウムや実験、体験ができる科学館に出かけてみませんか?最先端の技術にふれて大人もわくわくすること間違いなし。宇宙スポットへと出発しましょう!